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危機的な日本財政の正常化についての一考察

 財務省の発表によると、2024年末の普通国債残高は1105兆円になる見込みです。
2024年度の国家予算が112兆円なので、国家予算10年分の借金を背負っています。

 仮にこの状況を家庭に例えると、年間所得400万円・年間支出500万円の夫・妻・子供の三人家族が4000万円の借金を抱えている状況となり、いびつな状況が際立ちます。しかもこの借金は住宅ローンではありません。
この家庭の借金完済は絶望的ですが、仮に返すならば、支出を年150万円減らして、年50万円ずつ借金を返済するような努力が必要です。
完済まで80年かかります。
食費を半分に減らして節約を続け、車を売却して、家賃の安い郊外の築古中古住宅に引っ越してギリギリでしょう。

 さらには10年以内に利払いが激増しそうです。
現状の低金利下では、年間の国債利払い費が9.6兆円ですが、金利が1%増えると9.7兆円増加します。
金利の上昇は不可避で、もはや打つ手はなさそうに見えます。
仮に前述の家庭ならば、お父さんとお母さんは借金返済のプレッシャーで頭が埋め尽くされているでしょう。

 一方で我が国の場合は、そのように見えないので不思議です。
政治家は減税して103万円の壁を取り払うといい、国民も選挙の争点に国債残高の取り扱い方を据えていないように見えます。

 まずは借金過多で持続不可能な認識を国民隅々までに行き渡らせるべきだと思います。
具体的には、簡単に国債残高と利払い費を確認可能にする仕組みを設けてはどうでしょうか。
例えばTVコマーシャルで小まめに国債残高と利払いの状況を伝えたり、「国債残高.go.jp」のようなウェブサイトを設けたりします。
国民の多くの認識が改まれば「対策まったなし」の状況になると思います。

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