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「リーマンショック10年目の衝撃」中編 読後まとめ
<以下の記事からの続きです>
中編では、当時の「AIG」「ベアスターンズ」「米住宅供給公社」が行き詰まった流れをざっくり把握できると思います。
「住宅価格の頭打ち」「サブプライムローンの返済滞り」「再担保金融(レポ取引)の担保価値毀損」「MMFの取り付けと資金回収」が多くの金融機関の資金調達を難しくしました。
まずベアスターンズが破綻間際に追い詰められましたが、時期的にサブプライム危機の序盤だったので救済されたようです。
続くAIGと住宅供給公社は、規模の大きさから金融危機の引き金になり得ると判断され、公的資金による救済がなされました。
同様にリーマン・ブラザーズにも公的資金が投入されそうですが、救済されず世界経済低迷の引き金になりました。
AIGなどが破綻間際まで追い詰められた前提として、サブプライムローン証券を運用していた金融機関の多くのレバレッジが行き過ぎていました。
具体的にはサブプライムローン証券を担保にレポ取引で多額の資金調達をしていました。
レポ取引では、担保価値が下落すると担保追加やヘアカット率(利子率)の変更を貸し手が求めるようです。
そして実際に担保価値が下がりったのですが、ここで「ヘッジファンド」「投資銀行」「商業銀行」の関係が担保価値下落の影響をさらにおおきくします。
具体的には、投資銀行がヘッジファンドの決済業務を担っていて、且つ、信用力の高い商業銀行の保証を借りて決済していました。
投資銀行のヘッジファンドの決済代行を、商業銀行が自分の責任でおこなっていたのです。
このためヘッジファンドのサブプライムローン証券を商業銀行が担保にとって使っていました(レポ取引の担保にします)。
サブプライムローン証券価値が下落すると、商業銀行がレポの貸し手側から担保の追加やレポ取引のヘアカット率の変更を求められます。
こうなると商業銀行も苦しいです。
商業銀行を含む金融機関全体が社債引き受けに後ろ向きだったり、貸し渋ったりする状況になりました。
<以下に続きます>