社会疫学:現実世界での予防アプローチ - 清原教授のTEDx講演まとめ
はじめに
京都大学の清原教授によるTEDxKyotoUniversityでの講演「Prevention in the real world; Socio-epidemiology!」は、公衆衛生における新しいアプローチである社会疫学について深い洞察を提供しています。この講演では、社会疫学の誕生から現在の応用まで、その発展の軌跡が詳細に語られています。本ブログでは、清原教授の講演内容を詳しく解説し、社会疫学の重要性と実際の適用例について探っていきます。
社会疫学とは何か
社会疫学は、清原教授によれば「人間中心で、実用的かつ学際的な新しい公衆衛生アプローチ」と定義されています。このアプローチの特徴は以下の通りです:
学際性:疫学、医学、社会学のアプローチを統合
方法論の融合:定量的アプローチと定性的アプローチの組み合わせ
実践的起源:机上の理論ではなく、25年に及ぶエイズ研究の現場経験から生まれた
従来の疫学が主に数値データや生物学的サンプルに焦点を当てていたのに対し、社会疫学は人々の生活や社会的文脈を重視します。この新しいアプローチは、現実世界での予防策を効果的に実施するために不可欠な視点を提供します。
社会疫学の誕生:エイズ研究からの転換
ここから先は
3,533字
¥ 500
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?