”チームアシスト”という考え方 〜ズレを繋げてワイドオープンを創り出す〜
オフェンスの目的は得点を奪うことである。
この考えに異論はない。正しくその通りであり、ショットクロックが24秒と短めに設定されているバスケットボールは平均的に70~80回のシュート試投数(ポゼッション)が両チームに与えられるほど、目まぐるしく攻守が入れ替わる競技特性がある。
得点数を競うスポーツであるはずが、”邪魔する”ことに着目される
プロチームや大学のカテゴリになるにつれて、ディフェンスの強度を上げることに注力する傾向が強くなる。
それは逆説的に、それほど多くの攻撃回数があるスポーツであるが故の特徴ともいえる。そのレベルまで生き残っている選手というのは、ノーマークの状況であれば70~80%程度の確率でシュートを沈めることができる。ほとんどの選手がそのレベルにある。
しかし、実際の試合ではそのような結果にはならない。それはディフェンスの存在がシュートに影響を与えているという事実を示す証拠に他ならない。
技術を極めたレベルの選手同士の試合で、オフェンスを手放しの状態にすれば、差は生まれにくい。基本的にシュートは落ちないからである。いわば、ボウリングやアーチェリーの試合のようなイメージに近くなるだろう。フリースロー対決と言っても良いかもしれない。相手のミスを待つというゲームになる。それは完全に運任せだ。
だからこそ、積極的にシュートを落とさせるようなディフェンスを仕掛けてくる。しかもそれは組織的なディフェンスである。シュートを打てるのはボールを持っている一人だけなのに、ディフェンスは5人が常にそのボールを監視している。
一生懸命目の前にいるディフェンスをドライブで抜き去っても、すぐさま2人目が目の前に立ちはだかる。ゴール下でシュートを狙おうとしても、2mの巨体が身体をぶつけて、高く跳び上がってボールをはたき落としてくる。
理不尽極まりない。
どうやって得点を取ろうか
1on1のスキルを極める、という考え方に異論もない。かつてはそのようなスタイルに憧れて、それこそがバスケットボールだというように捉えていた時期もある。
そんな時にオフェンスで必要な考え方は、以下である。
数的優位な状態を意図的に作る
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