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挑戦してよかったこと①アメリカ挑戦

何について書こうかな、と考えながらnoteを開いたら「挑戦してよかったこと」という題目が目についた。どうやらnoteがケンタッキーと協賛して、このテーマで記事の募集をしているらしい。ハッシュタグ「挑戦してよかったこと」をつけて投稿したり、一定の手続きを踏むと抽選で何か当たるということらしい。

実はちょうど昨日か一昨日くらいに、友達と「やらぬ後悔よりやる後悔」みたいな話をしていたところだったので、ちょうどよかった。ちょっとズレるけど「結果的にうまくいったわけじゃないんだけど、挑戦してよかったよ、後悔はしてないぜ」みたいな経験について、サザエさん風に3本立てで書いてみようと思う。そして今日はその一本目、アメリカ挑戦をお届けする。なお、noteを3つに分けて書いたらケンタッキーの抽選に当たるかな、というヨコシマな考えは決してないことをここに宣言しておこう。

さて、それでは今日の本題に進めよう。アメリカ挑戦といったけど、これは現在進行形で挑戦しているアメリカでの仕事についてだ。そもそも僕は関東のちょっと田舎っぽいところ出身で、両親も関東出身。海外生活なんて程遠く、帰国子女というワードを聞くと別世界の人たちを想像してしまうような、純度100%の埼玉県民だったが、ひょんなことからアメリカに来て仕事をすることになった。勢い余って最初はぼかしていたのに、埼玉出身がバレてしまった。

純度100%の埼玉県民と書くからには、英語は苦手科目だし(得意科目は日本史)、英会話をしている自分なんて想像できないような人生を送ってきた。ただ、旅行で海外に行くのは好きだったし、「海外に住んでる=かっこいい」というミーハーな気持ちは人並みに抱いていた。そんな僕のところに、急に仕事でアメリカに行くチャンスが舞い込んできたわけだ。びっくりしたけど、即決でチャレンジすることにした。即決した理由?それは後悔したくなかったから。きっと僕に海外で生活するチャンスが仕事で回ってくることなんて、もう二度とないだろう。いろんな偶然が重なって起きたチャンスボールだったので、バットに当たらなくても振らない理由はないよね、という結論に一瞬で至ったのだ。

つまり、アメリカで何かを成し遂げたい!とか、ずっとアメリカに行くのが夢でした!というドラマチックなエピソードではないので、そういった人たちとは大きなレベルの差を感じてしまう。実際にレベルの差は大きかった。

そんな人間がチャレンジしようとすると、どうなるか?皆さん、少し想像してみてほしい。僕の場合、目立って次の二つの出来事が起こった。

①どうせうまくいかない、と言われまくる。
これは言われた。思っていた以上に言われた。身内からはそんな風には言われないけど、オブラートに包んで「大丈夫か?」と言われまくった。アメリカに渡る前も言われたのは当然として、アメリカに来てからもご丁寧にLINEで言ってくる人もいた。でも最後には「頑張れ」とか言ってくるので、敵なのか味方なのか分からない。結局、敵なわけだが。いずれにせよ背中から撃たれるような行為というのは実は結構ダメージ大きいんだな、と思った。

②実際にめちゃめちゃ大変すぎた。
いや、これはもうそりゃそうだよね、としか言いようがない。日本でもヒーヒー言いながら仕事している人間が、アメリカで同じ業種の仕事をするのだ。そりゃヒーヒーでは済まないだろうよ、と。毎日失敗と挫折続きで、うまくいってるなんてお世辞にも言えない。上記の「どうせうまくいかない」と言われたことに苛立つ一方で、周囲の予想は無情にも当たってしまったのだ。

つまり、結果としては挑戦する前に周囲から散々耳障りなことを言われ、挑戦したらしたで大変すぎて潰れそう、というのが現在進行形で我が身に起こっている現実だ。

じゃあ、挑戦なんてしなきゃよかったと思うか。答えはNOだ。大変だけど挑戦してよかった、と毎日思っているし、心が折れる日の翌日もそう思えている。毎日ではないか。でもそれくらい後悔はしていない。

なぜそう思えたかというと、日本にいた時の上司の言葉の影響が大きい。普段あまり気の利いたことを言わないし、他人に興味なさそうな上司なのだが、アメリカに行く直前に「ぱおぱおさん、たくさん失敗してきてください」とだけ伝えてきた。他は全部事務的な話だった。

「頑張ってきてください」とか「きっとうまくいきます」、「期待してます」とかではなく、「たくさん失敗してきてください」だった。当時はこの言葉を聞いても特に感想はなく、「やっぱり他人に興味なさそうな人が言いそうなつまらん挨拶だな」と上から目線で思っていた。しかし実際に蓋を開けてみると、毎日毎日失敗を積み重ねて心が折れそうになるたびに、「あ、そもそも失敗しにアメリカ来てたんだっけ」と謎のポジティブさを発揮し、自分がまた立ち上がることができる支えになっていた。あの上司の言葉にこんなにも救われるとは思いもよらなかった。

そのおかげもあり、「失敗は貴重な体験なんだ」ということを、最近強く感じるようになってきた。子供の頃はたくさん失敗するけど、大きくなると失敗を避けて怖がるようになる。今の僕がいる、どんなに頑張っても失敗し続ける環境というのは、幼稚園にいた頃の失敗回数に近い。おかげでここにきて30歳も若返った気がするのだ。

正直、今はつらい。そりゃうまくいかないことばかりだと人間はつらくなる。でもきっと、失敗した数だけ今後の成長につながると信じているし、定年退職した頃にはすべての失敗を笑い話にできると思う。失敗をポジティブに捉えることができるようになったきっかけが、このアメリカ挑戦の収穫かもしれない。
挑戦してよかった。後悔はしていない。

キリンを見るのはいつぶりだろうか

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