Xデザイン学校公開講座 Next Service Design
2023/7/11 Xデザイン学校の公開講座に参加してきました!
せっかくなので忘れないうちに気づきを書いていきます。
今回の登壇者が井登さんと分かった瞬間、即イベント申し込みしました。
少し前にサービスデザイン思考の本を読んで楽しみにしていたので、子供たちのお風呂とご飯を明るいうちに済ませ無事時間通り参加出来て良かった。
①これからのサービスデザイン(井登友一氏)
モノには価値はないのか?
冒頭で「モノには価値がないのか?」と問われていて、物凄く悩んだ。私自身メーカーのグループ会社でモノを提供しているなかで、Xデザイン学校で実体経済と金融経済の話を聞いたり、経験価値の時代であることを知っていたからだ。
豊かな時代に、ユーザーは”心から愛せるもの”を欲している。
モノを出せば売れる時代は終わり、比較的安価で高品質なモノが沢山ある世の中でどうやってユーザーに選ばれ、使ってもらうのか、愛してもらうのか。きちんと考えなければならないと思った。
また、私はCXアンケートとかもちょろっと携わっているのだが、”ファン”に繋がるのは、好き(like)ではなく愛(love)ということなのかも。
そして、好き→愛に変化したきっかけとかを調査することが大事ってことななのだろう。
「未来の当たり前をつくる」「安易にユーザーを見ず、ユーザーから距離をとってユーザーが存在する世界をよく見る」
この言葉はまさに浅野先生がおっしゃっていたこととリンクし、デスクトップリサーチを進めていくうえで非常に重要なマインドだと感じた。ユーザーが存在する世界をよく見るという部分は、エスノグラフィの講義で学んだ「暗黙知の価値観」を探ることに通じるものがあるのではないか。
そして、サービスデザイナーは関係性のデザインを期待されているとのこと。
Xデザイン学校で学んだ内容に当てはめると、アート思考でありたい未来(=関係性)を描き、未来の当たり前(=生存戦略)を作っていく。
アート思考って一歩間違えると独りよがりな妄想になるんじゃないか?と思ったこともあったのですが、関係性のデザインという表現を聞いたことでなんとなくモヤモヤが晴れたような気もする。
企業は価値”提供”はできない。価値は、顧客がサービス/モノを使ったときに顧客が完成させる。企業ができるのは価値(=意味)の”提案”
以前、山口周さんが弊社で講演をしてくださったのだが、そこで「役に立つ」は収束するが、「意味がある」は発散するという話があった。
まさに井登さんのおっしゃっていた「価値は顧客が完成させる」ということで、私たちができることは価値の”提案”に過ぎず、お客様がそれぞれ利用していくなかで意味を見いだしていく。そして私たちはどんな意味を見出しているのか調査し、新たな価値を提案していく。この繰り返しなんだろうな。
本当に参加して良かった。サービスデザイン思考の本ももう一度読み直してみようと思う。
②サービスデザインとわからなさのデザイン(森一貴氏)
わからなさのデザインとは、ある「つどい」において、多様なアクターが行き交い、関わり、思いもよらない出来事を生み出していく可能性を耕す営み。
「つどい」とは、アクターの関係性が特にからみあった部分のことだそうだ。つどいはコミュニティとは違い、入る/出るに固い境界線はないようで、例えば学校はつどいではなくコミュニティである。(入学や卒業という境界線)
森さんはシェアハウスの事例でわからなさのデザインについて説明してくださった。
シェアハウスという特性上、空間や秩序に人々は関与することができ、それが思いもよらない出来事が生まれる。あえて隙のある文化を構築しておくことでわからなさが起こっているらしい。
そういえば私は社内で子供を持つ社員のコミュニティ運営をしているのだが、コミュニティではなくつどいに変化できたら面白そう。
現状、グループチャットの投稿は運営メンバーばかり。社内(しかも多拠点であまり顔を合わせることがない)でのグループチャットって、それぞれが無意識的に秩序を構築していて、また、運営メンバーがいることでルールや管理に関与できる隙がないと感じているのではないか。
今回は、つどいから環境を整え、関係を耕しわからなさをデザインしていく話をお聞きしたが、できては消えてばかりの社内のコミュニティ文化を変えられるようなヒントがあったような気がした。
まちづくり系の本も何冊か読んだことがあるが、今回初めて知った福井県鯖江市のRENEW、とても面白い取り組みだと感じました。
さいごに
今回の公開講座も面白かったです!ベーシックコースのメンバーもちらほらお見かけしたので、ぜひリフレクションを共有したいな。