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京都駅前・崇仁同和地区での 京都市立芸術大学建設工事の再入札でも 行われている談合と暴力団の関与


京都の見張り番

◎竹中工務店と三菱地所が企てる再入札への「悪計」

京都市立芸術大学移転建設工事の談合、暴力団の関与は続いている。京都市側もゼネコン側も公明正大な公開性を擬装しながらも盆暮れの繁忙期を煙幕に使い、スケジュールを隠そうとしている。少なくとも市民からはそう見える。もともと住民への情報開示もまったく足りず、むしろ地域住民自体を排除するのが開発当初からの目的のように見える。

前回の入札が8月末入札開始で9月3日開札予定から、約4ヶ月延期となり、再入札は年末の12月22日から24日で、25日のクリスマスに二度目の開札予定。盆暮れを煙幕に使った「悪意」は漏れ聞こえてきている情報からも明らかだ。前回に引き続き、談合で受注予定だった「竹中工務店と、サポート役の三菱地所」がすでに何通りかの悪計を企てている点に注目しよう。

<悪計について>
竹中工務店は他のゼネコンにプロジェクトの交換で談合

竹中工務店OBのX氏は語る。
「竹中工務店は、まだ諦めていません。鹿島建設と大成建設と竹中工務店は、この工事に見合う工事をプロジェクトで交換するなど、細かい条件を具体的に詰めています。鹿島建設、大成建設と折り合いがつかなければ、戸田建設か松村組か奥村組に受注させ、利益を渡して実際の仕事は竹中工務店がするという談合をしているようです。昔からよくあるパターンで、ヘルメットや作業着は戸田建設、松村組、奥村組でも、中身は竹中工務店の人間や竹中の下請け会社が仕事をする。うち(竹中工務店)は、しつっこいのが信条みたいな会社ですからね。何かしら必ず掴み取りますよ」
工事の施工のさいに格下他社のコスプレまでして擬装をするとは驚いた話だが、たとえ転んでも犬の黄金(フン)でさえ掴んでくる、竹中工務店とはそういう会社らしい。

鹿島建設OBのY氏はこう語る。
「鹿島建設と大成建設でコソコソ話し合いをしていると後輩から聞きました。清水建設も話を持ち掛けられたようです。前回の記事情報どおり、スーパーゼネコンでは唯一、大林組だけがこの密談に耳を貸さない姿勢です。以前の大林ならば、談合、賄賂、バッチ(国会議員)、ヤクザ、仕事の受注のためなら何でもアリでした。天下の大林組がすっかり変わったのに、今は他社がこの談合を持ちかける密談に何らかの形でかかわっています」

大林組を除くゼネコン大手は「コンプライアンス厳守、談合は二度とやりません」と、公正取引委員会に誓った文言など、とっくに忘れ、謝罪もその場しのぎの虚言と化しているようだ。

◎ダークホースは塩浜工業

「悪計」はOBの証言以外にも何通りか準備されている。竹中工務店は先に書いた通り、筋書きをいくつか用意している。その第一候補は大林組を除くスーパーゼネコンとの談合でプロジェクトの交換(水面下で詰めている)。その次の第二候補は、他社の社名ロゴ入りの作業着を使用した竹中工務店あるいは下請け会社の施工で、戸田建設、松村組、奥村組とこの話を並行して進めていること。そして第三の筋書きは、ダークホースで塩浜工業を候補に挙げているとの情報をキャッチした。

塩浜工業は福井県敦賀市に本社を構える中堅ゼネコンである。情報提供者(前出、竹中工務店OBのX氏)はこの会社を恐れている。
「この会社はもともと田舎町の福井県敦賀市でプレハブ小屋から塩浜社長が弟と二人でスタートした会社です。今では全国で支社や支店を持っています。一般社会で言うならばサクセス・ストーリーのようですが、実は常に後ろ楯に山口組傘下の正木組(現在解散)の存在があったからです。敦賀市は原発の町で、塩浜工業は日本原電を脅して敦賀原発の仕事を独り占めです。原発に関わる工事は全て塩浜工業が受注しています。他社が受注しようとしたら正木組に脅されます。かつては全国にこのような会社はありましたが、塩浜工業は露骨にヤクザを使い、国会議員を始め地方議員に賄賂を渡して、「暴力と金」で成り上がった建設会社です。

五代目山口組体制で正木組正木組長は、筆頭組長秘書に抜擢され、気難しい山口組五代目渡辺組長の信任が特に厚かったんです。五代目山口組筆頭秘書ゆえに正木組長は全国のヤクザの親分と話が出来る立場で、影響力は絶大だったようです。その力を塩浜社長はフルに使って全国で仕事を受注していった。ヤクザを使う、議員に賄賂を掴ませる、何でもありの典型的なワンマン・タイプの経営です。この強引な塩浜社長の手腕で、今や塩浜工業は福井県でトップのゼネコンにのしあがったんです」

(*注・正木組は分裂で神戸山口組側に行き今年2020に解散。2013年米財務省は麻薬密輸・人身売買等を理由に正木年男組長を金融制裁の対象に指定)

全国のゼネコンには周知の事実です。塩浜工業の塩浜社長はイケイケ・タイプで、仕事の受注が上手くいかなければ正木組組員を脅しに行かせたり、相手にヤクザが付いていても山口組五代目の筆頭秘書の肩書きを使って話し合いで強引に話をつける。ヤクザだけでなく、国会議員、福井県会議員、敦賀市会議員、賄賂は当然のようにばら蒔きです。後ろ楯の正木組長が怖いのと、先に金を掴ます塩浜社長の圧力に負け、お金を握ってしまう。元大臣で『下着泥棒』が明るみに出た高木毅衆議院議員などは、塩浜社長の飼い犬のような存在です。今般、竹中工務店が、その塩浜工業を頭にしようという噂は本当です。それは今回が初めてではないからです」
たしかに過去のケースを見れば、ヤクザの威力を背景にもった塩浜工業と竹中工務店の野合は既定の事実としてあったことである。いくつかひろってみてみよう。

●過去のケース①=竹中工務店が塩浜工業に仕事を売った「大阪市東部中央卸売市場」建設

大阪市にある、いわゆる「東部市場」の解体~建設工事を談合で受注した竹中工務店は、「指名停止処分」から、東部市場の建て替え工事(解体~建設)を最も好条件の建設会社に譲ろうと模索していた。そこで、もともと竹中工務店出身の社員が塩浜工業に在籍しており、そのパイプで竹中工務店と交渉し塩浜工業がこの工事を譲り受けた。名前でお分かりのようにれっきとした公共事業である。

東部市場の近隣には暴力団事務所が多く、全国でも屈指の武闘派、太田興業(現在解散)本部があり、大原組本部もあった。塩浜工業は警備に太田興業、解体は大原組、塗装は山健組と振り分けながら多くの暴力団のフロント企業を傘下に使った。竹中工務店からの工事の譲渡を「東部市場周辺はヤクザだらけで難しい」という理由で各ゼネコンが躊躇したのだと説明し、塩浜工業は正木組をバックとしているから大丈夫という説明で工事の譲渡を受けたようだ。竹中工務店は塩浜工業が企業舎弟だと認識しながら公共事業の工事を譲渡し、公共事業の資金が多数の広域指定暴力団に振り分けられ、反社会活動の資金になることも暗黙ながら了解していたことになる。

●過去のケース②京都崇仁地区の団地建て替え工事を塩浜工業が受注している

崇仁地区で団地の建て替え工事(解体~建設工事)が3件発生されたことがあった。もちろん東部市場と同じ公共事業である。本来は京都市の建設業者の仕事のはずであるが、2件は福井県敦賀市本社の塩浜工業が受注している。しかも塩浜工業は京都市で工事実績がないのに受注したのである。残り1件は、なぜか塩浜工業と同額の入札額だった松村組が「総合評価が高い」ということで落札業者となった。談合以外の理由で公共事業の入札額が同額ということが果たしてあるのだろうか?

この事情は、すぐに明らかになった。まさにヤクザの交渉事で受注が決まっていたのである。崇仁地区内に本部があった元会津小鉄会大西組(解散)の幹部は証言する。
「崇仁の団地の建て替え工事はうち(会津小鉄会)がこぞって面倒みとる建設会社を担いで、落札しようと動いていました。うち(会津小鉄会)は崇仁自治連合会会長・奥田正治に任せてましたんや。奥田正治は3件の団地の建て替えで、松村組、戸田建設、奥村組を担いでましたんや。
(*注・今般、芸術大学建設工事入札で、竹中工務店がスーパーゼネコンと折り合いが付かなかった場合のために用意された、筋書きの第二候補として声を掛けている建設会社名がズラリと並んで出てきたことには仰天する。京都市立芸大移転工事とこの工事の談合スキームはリンクしているのかもしれない)。

そこに正木組が来て、『うちの塩浜工業が団地の建て替えを受注したら、お顔を立てます』と言うてきて、工事3件のうち松村組以外は降ろしましたんや。わしらは不満やったけど2件を塩浜工業が受注することで話が付きましたんやけど、塩浜は3件みんな取りにきましましたわ。約束を破っとるけど、塩浜には正木組が付いとるさかいに、わしらは黙るしかおません。そやけど受注後の話し合いの条件は、きちんと約束を守って、金も仕事も貰いましたんで、何のもめごともなく塩浜は仕事できましたわ。崇仁自治連合会会長・奥田正治も、うち(会津小鉄会大西組)の人間やさかいに、奥田の要求額は減らしましたけど、わしら(会津小鉄会)から金を渡しましたわ。

松村組が受注した団地の建て替え工事の方は、奥田正治が会津小鉄会の看板を使ってまとめる約束を松村組としとったみたいやけど、わしらに相談もせんとヤクザの捌き(サバキ=金や仕事でヤクザを抑えること)しよったから、ほかの暴力団が納得せんで、なかなか仕事が進まんかった。奥田が欲出して金をようさん(沢山)取ったんで、ヤクザを抑えられんかったんですわ。奥田正治とは比べもんにならんくらい塩浜工業は慣れたもんで、ヤクザの捌きが上手かったですわ」(元会津小鉄会大西組幹部)

今回の京都市立芸術大学での奥田正治の捌きを想定させる「青写真」ないしモデルケースになったのではなだろうか。

問題は、暴力団の企業舎弟である塩浜工業の起用で、奥田正治氏も竹中工務店も予めヤクザありきで工事を考慮して進めているという点であろう。この過去のケースは今回も竹中工務店にとってはヤクザ対策、そして崇仁地区対策の教訓になっているようだ。竹中工務店が今回の京都市立芸術大学の入札で、なぜダークホースとして第三の候補に塩浜工業を担ぎだそうというのか? 理由は奥田正治氏を通じたヤクザ対策も含んでいるということである。途中で分配するはずの資金を奥田氏が欲得で止めてしまえば工事の仕事は進まない、その対抗措置として、このときの塩浜工業起用を今回も想定しているのであろう。最初から奥田氏は信用されておらずヤクザ介入ありきでの想定で、抑え役も兼ねた塩浜工業が候補にあがったというのが実情だろう。

◎キーマン三人と京都市・ゼネコン

ここまでの竹中工務店の腹づもりと覚悟を京都市は理解しているのであろうか?
竹中工務店が塩浜工業のような、長年後ろ楯だった正木組が解散後も、複数の広域指定暴力団の大物組長に顔がきき、ヤクザに染まった会社を選んでは大変なことになる。京都市が間にキーマンをおき、クッションにするつもりが、事態は急速に悪化して京都の闇が一気に加速してしまった感がある。

ゼネコンは、京都市から「京都市立芸術大学移転整備工事設計業務委託者選定委員会」の筆頭委員に選ばれた会津小鉄会の企業舎弟、崇仁自治連合会会長・奥田正治氏の顔も使わないわけにはいかないようだ。奥田氏は分裂したとはいえ今まで通り、双方の会津小鉄会と共生して恩恵を与えつつ受けることになるだろう。

もう一人のキーマンの一人、上田藤兵衛氏も前述のとおり庇護下にあった暴力団を裏切って警察の庇護下に逃げ込み、命の危険を感じながらも、その強欲は相変わらず。上田藤兵衛氏は宗教法人に隠れて、娘婿の山口勝広と番頭の奥田和也を表に立たせて、京都市立芸術大学移転整備工事の談合を進めている。

三人目のキーマンの一人、「崇仁・協議会」会長・川村眞吾郎氏だけは筆者の聞き取りにも快諾してくれ、身構えることもなく隠し事もなくクリアーである。川村眞吾郎氏に一連の情報を伝え意見を求めた。

川村氏は厳しい顔で語った。
「塩浜工業の塩浜社長を私に紹介したのは正木組長です。大阪のリーガロイヤルホテルの地下階の喫茶店で会いました。そこで、私が顧問を務めていたコンサルタント会社が福井県敦賀市の産廃事業の仕事を進めていたのですが、塩浜工業に建設工事を受注させて欲しいということでした。私は会社の担当者に状況を聞き、鹿島建設で決まっているとのことでしたが、正木組長に半ば脅しで塩浜工業に受注を譲ることを迫られたものです。

大阪の東部市場の建て替え工事の件も、塩浜社長は『竹中から買うたんや。ヤクザは正木の親分に任すんや』とはっきり断言されていました。
もちろん、地元の崇仁の団地の建て替え工事においては、私が関与していなければ、塩浜工業は正木組組員を現場に送りこんで、崇仁地区が過去のようにヤクザ一色に染まっていたでしょう。私が某スーパーゼネコンの役員に塩浜工業への怒りを聞いてもらったさいに、『地方の建設会社のワンマン社長は、以前はこんな人が多かったですよ』と、怒りを和らげるような言葉をかけていただき、自分を抑えることができました。今後は塩浜工業のような会社を崇仁地区には入れないと心に決めました。

崇仁地区の住民たちと、この京都市立芸術大学移転建設工事の件を真剣に話し合いました。このときの住民の生の声を、もう一度、お伝えしたいと思います。門川大作市長、京都市は住民も住民の声を排除せず姿勢をきちんと正して臨むべきです。先ず前提として、崇仁地区での建設を変更して頂きたい。京都市、京都市立芸術大学にとって意義あることで、現予定地以外に変更地がないなら、妥協案として要望します。」

<川村眞吾郎氏の要望>
① 京都市立芸術大学の移転工事について、地域住民全員に分かりやすく説明して下さい。体が悪くて説明会に行けない住民も多く、差別を受けて、過去の過った歴史から字を読めない住民も多いです。おざなりな説明会ではなく、京都市の担当者は住民一人一人に住まいまで行って説明すべきです。これがまったくできていません。

② 京都市立芸術大学が開校された時に起こり得るあらゆるリスク(特に楽器の騒音や、絵画に使う絵の具、ペイント、塗料などの悪臭、どの大学でもあるように、学生が飲酒で騒ぐこと)も、正直に住民に伝え解決策を事前に講じて了解を得てください。これもおざなりにではなく、きちんと住民にコンセンサスを得てください。現在、住民と京都市間で納得のいくコンセンサスは一切ありません。これは恥ずべきことです。

③ 京都市立芸術大学の人たちはキャンパス移転より『京都芸大』の称号を他校と争う裁判において、京都市がもっと真剣に関心をもつこと、テコ入れすることを望んでいます。開発利権目当ての移転の前に伝統と歴史、名誉を守るよう、この裁判を重視してください。

④ 京都市には公共工事からの暴力団排除の宣言もあり、法令遵守を看板に掲げている。それにもかかわらずコンプライアンスに抵触する崇仁自治連合会会長・奥田正治氏を『京都市立芸術大学移転整備工事設計業務委任者選定委員会』に委嘱している。暴力団の企業舎弟を京都市が公式な委員会委員に委嘱するのは、京都市が広域指定暴力団の資金調達を後押ししているのと同じです。公的行政の姿勢にあるまじき市政です。奥田正治氏を同委員会から外すべきです。

⑤ 移転整備工事自体を反対しているのではありません。地域住民は高齢者が多く、病人も多い。住民主体の考え方に立って、楽器の音や学生の日常の騒音に静謐な生活を必要としている住民たちは耐えられません。大学移転地を崇仁地区以外で再度探していただきたい。

⑥ 新型コロナ・ウイルスの猛威が終息するのを待ってから、再度、計画から見直してください。建設が始まれば多くの人間が出入りすることになり、地域住民への感染が心配です。特に崇仁地区の住民は重症化するであろう高齢者が多く、また虚弱な病人が多いことも重視してください。

川村氏と住民の声は以上、筆者の意見もほぼ同意である。

住民無視、水面下での違法な談合、拙速に利権を貪り、名誉欲に駆られて、コンプライアンスに抵触する暴力団と野合し暴走する京都市政。今後も監視の目を見張ります。引き返すのは今しかありません。

12月22日、23日、24日が入札で、25日開札。日本の京都のため、長年にわたり差別に苦しんだ崇仁地区の住民がまたしても市政に差別を受けている。また、歴史ある京都市立芸術大学のためにも、移転場所を崇仁地区から変更が最も賢明だと思う。京都市として入札が議会で決議され否応なく行われるのであれば、筆者が東奔西走して収集した「悪計」を徹底的に排除し清廉潔白な入札として行われることを願う。

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