転調を語りたい!①LiSA『炎』
こんばんは、らりほです。
いきなりですがみなさん、転調は好きですか??
私は大好きです!!!!!
転調とは曲中で調を変えるテクニックです。
ガラッと雰囲気が変わり曲に強いインパクトや深みを出すことができます。
世にあふれる数多の転調ソングの中から、私が特にギュンッツときた楽曲を語っていきたいと思います!
※まだまだ学習中の身ですので間違った解釈をしている可能性があります。
完全自己満足で分かりづらい点が多々ありますがご了承ください!
LiSA『炎』を聴く
2020年レコード大賞で大賞に輝いたこちらの楽曲。
映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌です。
壮大なロックバラードをLiSAさんが力強く歌い上げます。
シンプルな演出のMVも世界観を引き立てていて素晴らしい…!
作曲・編曲は梶浦由記さん!アニソンを中心に大活躍されている方です。
Kalafinaの楽曲がとても好きなので、クレジットを見て流石だな…!と思いました。
恥ずかしながら主題歌の作品はまだ観ていないのですが、初めて聴いた時に胸が熱くなりギュンッツと来たのを覚えています。これが作品とリンクして流れたときにはそれはもう凄まじい感動でしょう…!初めて映画館で聴いた方がとてもうらやましいです。
なぜこの曲に心を掴まれたのか…。大きな理由にサビ前の転調があります。
これが更に曲に深みをもたせ、人々を感動の渦に巻き込んでいるのです!
Bメロのコード進行を分析してみる
まずこちらがBメロのコード進行です。
Key=Dと解釈して分析してみました!
赤文字のディグリーがノンダイアトニックコードです。
Bメロ前半はⅢなどバラードの王道を入れながらもKeyDを基本としてます。
頭のGに対するMajor7(ファ#)の連打が気持ち良いですね!!
後半4小節はかなりカオスですね…笑
ⅣmとⅤmは同主調Dmからの借用…通称モーダルインターチェンジ!
この2つはサブドミナントマイナーで、バラードの鉄板ですね。
その後の2小節はサビに向けてベースをどんどん上昇させています。
これも盛り上がりを演出するための鉄板!クリシェです!
ただこの4小節、短三度上のKeyFに転調と考えるほうがスッキリするかもしれないですね…。
あーーーーーーーーーかなりスッキリしましたね!!!!
KeyFはKeyDmと平行調…つまり調号が同じなので、モダチェンの雰囲気が満載だったわけですね。
5小節目「あっていた」にファ♮をぶつけているのもこれで納得です。
短三度上転調はJPOPでよく見られますが、このように違和感なく「なんとなくエモい」「なんかあか抜けた」と感じさせるので大好きです!!!
そして後ろ2小節のクリシェ→Ⅲの流れが素晴らしい!
これ以上ない期待感が膨らみます。
B→サビのコード進行を分析してみる
ではではお待ちかね、サビの入り4小節まで繋げてみましょう。
ここですよ!!!!!ここ!!!!!!!!!!
この転調こそが炎をただの主題歌で終わらせない魔法です!!!
サビではKeyがF→Eと半音下がっています。
サビ=一番盛り上がる場所なのはJPOPの基本で、転調も半音上げなどテンションをグンと上げていくものがほとんどです。
なので最初聞いた時「え??????下がるの?????」とすごく衝撃を受けました。
でもここが下がることで重心がズンっと下がり、世界がブワっ!!!!と広がるんですよね。重厚なサウンドや歌詞とマッチして非常に素晴らしい!!
転調の仕方も美しく、直前のA/C#はKeyF(Ⅲ)とKeyE(Ⅳ)で違う役割をもっているんです。いわゆるピボットコードです。
なので全く違和感なく聴けるんですよね。
そしてCの進行6451はおなじみ小室進行!ド定番の進行ですね!
実はAメロでは同じ小室進行をKeyDで使っているんです。
Cと比較すると全音下のKeyで同じ進行をしていることになります。なので曲全体でみるとA→Cでしっかりと盛り上がっていると感じることができます。
転調まとめ
というわけでこのB→Cだけで2回の転調をしていることがわかりました!
それぞれの調の受け渡しに同主調やピボットコードなど、できる限り自然に聞こえるような工夫がされているため、小難しい印象を与えずに雰囲気を変えていくことに成功しているわけです!
転調の魔法を使いこなした楽曲!!
全体では王道な進行を使いつつ、転調でより壮大な唯一無二の世界観を表現している『炎』。キャッチーさと独特さを両立させた素晴らしい楽曲です。
そしてこの転調の魔法がLiSAさんの歌唱力や作品の魅力など様々な要素と混ざり合った結果の大ヒットだと思います!
今後もギュンッツときた転調を発見したら随時更新していきたいなと思います。
それではまた!
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