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アミロースの件

以前、スペルト小麦はアミロース量が多いのではないか、そしてアミロースは低温環境に適応するため増えたのではないか、という妄想記事を書いたのだが。

ふとしたきっかけで、別な観点から欲しかった情報に辿り着いた。

それは米。

これらのお米の性質の違いは,アミロースの合成に関わるワキシーという遺伝子のはたらきにより決定されています.正確に言うと,ジャポニカ,インディカ,モチ性の各イネは,それぞれ異なる対立遺伝子をもっています.つまり,ABO式血液型のように,アミロース含量は複対立遺伝子によって調節されているのです.インディカは強い働きの対立遺伝子(ここでは,Iと呼ぶことにします)を,ジャポニカは中程度の働きの対立遺伝子(J)をもっています.対立遺伝子Iをもつインディカは高アミロース米を,対立遺伝子Jをもつジャポニカは中アミロース米を作ることになります.モチ性のイネでは,アミロースが全く作られませんので,その対立遺伝子(M)は全くはたらいていないことになります.

さて,一般に,遺伝子の働きは常に一定しているわけではなく,環境要因に影響されます.とくに,ワキシー遺伝子(対立遺伝子J)は温度の影響を受けやすく,普通の栽培気温より,低い温度や高い温度では,そのはたらきが強くなるという性質があります.たとえば,種子が稔る期間中に,寒い日がつづくと,ワキシー遺伝子の働きが強くなり,普通の栽培条件ならアミロース含量が17%程度のジャポニカ品種であっても,20%を超すようなことが起こります.また,最近のように猛暑の年に,暑い日が秋口まで続くと同じようなことが起こります.ですから,栽培場所によるコシヒカリの品質の差は,この数パーセントのアミロース含量の違いに起因していると考えられます.さらに極端な例として,私は,種子が稔る大部分の期間,人工的な栽培装置を用いて,通常の野外の栽培温度よりも10度程度低い温度でイネを栽培したことがあります.そのようにして長期間低温で栽培したジャポニカでは,インディカと同じくらいの含量のアミロースが蓄積していました.

平野博之(東京大学大学院理学系研究科)
JSPP広報委員長
松永幸大
回答日:2014-07-29


遺伝子を持っているかという品種的な理由だけでなく、栽培期間の気温が低温や高温になることでその遺伝子の働きが強くなりアミロース量が増加するとのこと。

確かに暑い地域で栽培されてるインディカ米は高アミロースだったな。

スペルト小麦に関する日本語の論文は少なくても、コメに関する論文ならあるぞと。勉強になりました。

ちなみにこの情報に辿り着いたきっかけは、「だて正夢」というお米を買ったらモチ米並にモッチモチで、何やねん!と思って調べたから。

だて正夢も好きだ。

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