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「プロジェクトマネージャーって何が面白いの?」と問われて考えてみた

こんにちは。MIMIGURIアドベントカレンダー DAY19を担当する山里です。

弊社MIMIGURI Co-CEO安斎さんが新著『冒険する組織のつくりかた
「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法
』を出します。
この新著のテーマにちなんで、今年のアドベントカレンダーでは #わたしたちの冒険 というテーマを掲げています。
MIMIGURIのメンバーが、それぞれの視点で「冒険」について綴っています。

余談ですが、私はビジネスで用いられる戦争メタファーがずっと苦手だったのですが、奇遇にもMIMIGURIが「脱・軍事」を謳い始めて驚いています。


最近、「プロジェクトマネージャー(以下、PM)って何が面白いの?」と問われました。たしかに地味だし、わかりづらい職能かもしれません。
正直に言うと私自身、何が面白いんだろう、と思っていた時期もあります。

しかし、プランナー・ファシリテーターなど役割をはみ出した上で、やはり自分の軸足はPMのように思い、いま一度「何が面白いのか」考えてみたくなりました。PMを始めてからいまに至るまでの冒険とも捉えられるかもしれません。


プロジェクトマネージャーを始めたきっかけ

私はMIMIGURIに参加してもうすぐ4年(!)になるのですが、入社時にPMの肩書きを決めました。

当時クリエイティブの会社でディレクターを務めていて、「プロセスを工夫すれば、もっとプロジェクトは面白くなるかもしれない」と思ったことがきっかけでした。
どんなに粒揃いのチームでも、何かを実現する過程は大抵、遠く険しい。
また、プロジェクトは個人や組織のコンディションも密接に影響し合い、不確実な要素がとても多い。

私は、グイグイ率いる性格でも、ゴリゴリWBS引くぜ!というタイプでもないですが、不確実な中でチームで実現に持っていくことは価値があるし、自分で担ってみたいと思える領域でした。
思い返せば、学生時代から、一人で何かを完成させるより、映画制作や共著論文など、複数人で何かを作っている期間は楽しかった。
年齢や性格、属性の異なる人たちが集まって、時間をともにして一つのコトに向かうという、「プロジェクト」自体にロマンを感じる節はあるかもしれません。

MIMIGURIのPMって何をやってるの?

チームで学ぶ環境をつくり、価値につなげる

最近、CULTIBASEのスクラムマスターであるchimoさん「PMやスクラムマスターって、環境クリエイターだと思っている」と言ってて、なるほどなー!と思いました。(勝手に引用してすみません)

世間一般でPMというと、「決められたゴール・納期に向かって推進する(コトに向かう)」という印象があるように思います。
MIMIGURIでももちろん、「プロジェクト推進」の側面はとーーっても重要なのですが、もう一つの側面として、「人が学び、ポテンシャルを発揮する環境をつくる(ヒトに向かう)」を重視しているのは特徴のように感じます。
環境をつくるための具体的なアクションの例を挙げると、

・PJメンバー同士の景色を交換し合い、学びを深めるリフレクションをプロジェクト期間中や実施後に行う
・すでに発揮しているものを活かすだけでなく、その人のケイパビリティの拡張につながるようなアサインをする
・定例MTGに「解きたくなるような問い」を持ち込み、各々の意見をテーブルに挙げられる場をつくる

というようなことでしょうか。MIMIGURIのPMの役目をあえて一言で言うならば、「チームで学び合う環境をつくり、価値につなげること」とも言えるのではないかと思います。

多様な領域で、多彩なケイパビリティのメンバーとチームを組む

MIMIGURIは組織づくりはもちろん、事業開発やクリエイティブ等、多彩なケイパビリティを持ったメンバーがいて、プロジェクトの幅も広いことが特徴です。
経営伴走・組織開発・ブランディングなど、さまざまな分野で多様なメンバーとチームを組みながらプロジェクトを経験できるのは、面白い環境だと思います。
参考までに、以下は私がこれまでに携わった事例の一部です🤲

プロジェクトマネージャーって何が面白いの?

長かった…!やっと本題に入ります。ここからは簡潔に行きたいです💪

1. 自分ひとりでは到達できない景色を見られる

これまで、多岐にわたるクライアントさんとご一緒させていただきました。
その一つが、昨年ドワンゴさんと実施した「メタバース学園ドラマ制作プロジェクト」です。
半年間かけて高校生がVR空間で全てオリジナルのドラマを作るPBL(プロジェクトベースドラーニング)の場作りをご支援しました。
中間・最終発表には細田守監督(!)や山田由梨さん・番匠カンナさんにお越しいただき、N/S校生が作った作品を鑑賞・講評をいただきました。

構想時、世の中にそんなPBLは存在せず…笑、高校生が共創しながらドラマを作り、良いものにしていけるように。調整を重ねて実現していきました。
「実現できたら最高だね」というお仕事を、クライアントさんとメンバーとともに現実にしていくのはまさに冒険のようだと感じます。

2. 「作家性」のある仕事を世に届けられる

MIMGURIが大事にしているワードの一つが「作家性」です。
私はMTG中、くぅ〜となるタイミングがあるのですが、それは「もっと面白くしたい」という態度が発露される瞬間です笑
「このままWSをやっても目標には到達できそう。でも、なんかつまらなくない?もっと面白くないと…」
そう捻る人たちは、ネタを考える芸人のようです。
私は「作家性」という言葉を、「その人ならではの良い仕事」と解釈していますが、それはクライアントさんや場に来る人への深い理解がないとできないものだと思います。
良い場を創る矜持を持った方々と、一緒に届けていけるのは尊いです。

3. プロジェクトに完璧はないから、また工夫できる

悩み抜いて挑んだプロジェクトも、後悔や反省が絶対にあるものだと思います。
プロジェクトは不確実な要素がとても多い、と書きましたが、PMだけの力ではどうにもならない範囲があったりするのも実際のところだと思います。
でも、簡単にはうまくいかないからこそ、次回はこれをやってみよう、というテーマを自分の中に持って挑めるから、飽きないです。

4. 世の中を「プロジェクト」のレンズで見られる

PMをやるようになって感じる自分の変化は、世の中をプロジェクトのレンズで見るようになったことです。
学生の頃は気にも留めなかったテレビの特集も、「どんな座組み・予算・期間、雰囲気で進んでいるのだろう」と気になるようになりました。
イベントの開催、ビルの開発、街中の広告、書籍の発売、プロダクトの開発…。
世の中はプロジェクトで溢れているように感じます。
他のPMの人と話していると、「渋谷駅を一晩で動かすプロジェクトの裏側を聞いてみたい」「ステークホルダーが多岐にわたるイベントに行くとソワソワする」と言っていました。
どこかにこのプロジェクトを生み出し、推進している人がいる。
そう思うと世の中に居るのが少し楽しくなります。

5. また新たな冒険に踏み出せる

今年、女子美術大学・共創デザイン学科で「プロジェクトデザイン」の通年の非常勤講師を同僚とともに担当しました。
週1で、大学1年生約60名講義を持つなんて、果たして私にそんなことが出来るのか…と震えていました笑
ですが、学生の皆さんとプロジェクトについて考え、企画し、実践する過程はピュアな発見に溢れていて、とても楽しかった。

女子美の中庭のパラソルが好きです

自分の裏テーマとして「コ・プロジェクトマネジメント」を掲げていたのですが、プロジェクトをつくり、推進する方法を一回り歳が離れた学生さんと学び合うのは自分にとっての新たな冒険でした。



長く書いてきましたが、私にとってはプロジェクトが冒険であり、プロジェクトマネージャーを担うことはさまざまな人とコラボレーションしながら航海する面白さなのだと思います。

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明日は、MIMIGURIが誇るリフレクションの魔術師、瀧さん🧙と、全力疾走されている姿に勇気をもらえる二ノ宮さん🌻がお送りします。お楽しみに!


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