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土手

夕方の4時。

まだ通ったことのない、道を探検してると案の定、道に迷った。

たどり着いたのは、何の変哲のない土手だった。

春風と太陽の光を邪魔するものがなくとても気持ちの良いところだった。

見渡すと写真を取り合うカップル(夫婦??)と、犬の散歩をしてる人が目に入った。

きっと、ひと気の少ないところで誰の目も気にせず羽を伸ばしているのだろう。

自分も、ピザのデリバリーのバイトでサボりたくなったら、バレないであろう近くの土手で時間を潰したことがある。

土手に集まるような人は、現実から目を背けたい人や、極めて暇な人ぐらいだと思う。
(さっきのカップルは自分達だけの景色を楽しみたいからかな?)

そんなことを考えてると、異様にデカい歌声が聞こえた。

その声は、自転車に乗って近づいてくる。

楽しそうだなあ〜(笑)

なんて思いながら聞いてると

その歌は、不自然な全休符を打ち、
僕の後ろを、自転車のタイヤの音だけが通過していった。

「なぜ、歌うのをやめたの??」

不思議で仕方なかった。


けど、今の自分にはその答えがわかる。

さっきまでの自分とは、いる場所が違う。

そして、あの歌い主と同じように誰かの目を気にしているからだ。

あの時の自分を大切にしたい。

人の目を気にするという概念がなく
表現の自由と遠慮のない
自然体の自分。



P.S
心が広い男。だけじゃなくて
心が河川敷のように広く、土手のような自由でまっすぐな男になりたい。

(笑)

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