わすれたくない喪失
あの子がいなくなって一週間
雨が降っていました
雨が悲しんでいてくれるから
わたしは悲しまなくていいな
雨は良い
ラクになるな
今日の逃避は雨が相方
本当はうそ
だってあの子は雷の鳴る大雨に連れてかれた
あの子は雷がだいきらいなのに
最低だ
悲しみと向き合いたくないと
空に肩代わりさせようとした
あの子をなくしてどう生きていけばいいのか想像できない
そういってから一週間 生きていましたよ
吐いても食事をしました 眠りました 仕事だってしました
ずっと喪失に向き合うのはつらいから
わたしはよわい
知っている
前になくした くろくて おもたくて 耳のたれた 鼻の平らな 弟のような子
あの時も わたしはそうでした
だいじな仕事もぜんぶほうり出して ひきこもって
数日後にはアニメをみました
逃げる方法ばかり知っている
ずっとかなしんでいたいのに そうできないわたしがかなしい
いちばん かなしくて つらくて くるしくて いきができない あのときのまま とまればいいのに
この喪失
わすれたくないのに
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