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Tinder⑨

文字にしてみるとあっけないもんだなと気付く。
そしてこの時点で9人も会っているという事実に自分のことながら衝撃を受けています。

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1ヶ月に6人ほど一気に会って、疲れていたけど惰性でTinderをやっていた。
プロフィールも空欄、写真も1枚しかなくて顔も半分隠してあったのが今回の相手。likeするかnopeするか、考えるのもめんどくさかったけどスーパーライクされてたので、likeを返した。

やりとりを何回か繰り返して、詳しいことは覚えてないけど、マメだし優しい人だなと思ったのでLINE移行も承諾した。(今思うと、tinder用にカカオアカウントを作っておくべきだったなとしみじみ思う。)

LINEしてるとお互い革靴好きということがわかって、あのブランドかわいいよね、とかこの革靴がお気に入り、とか一層話が盛り上がった。
靴の話ができる人がいなかったから嬉しかったけど、仕事も忙しかったし、アポを繰り返し行なっていたせいか、会いたいとは思わなかった。

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毎日途切れることなくLINEしてると、お互いの生活リズムを自然と把握し、わたしの返事が遅れると「なにしてんの?」と連絡がくるようになった。

「会社の同僚と飲みにきてる」と伝えると、
「男と2人じゃないの?」と言われ

「友達の家で喋ってる」と言うと
「男の家?」と聞かれる。

もともと干渉されるのが嫌いなので、一度、はっきりと「彼氏でもないのにいちいち確認するのやめて」と伝えると、女々しくてごめん、気をつけるからと謝られた。彼氏にされるのも嫌だけど、付き合ってもない男に報告する筋合いはない。

でもなんだかんだ毎日LINEはしていたので、飲みにでも行きましょうということで、彼の仕事終わりに待ち合わせて軽く飲みに行くことにした。

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当日、彼の仕事終わり22時ごろに合流して適当にお店に入ったけど、終電の関係で1時間ほどしか店にはいなかった。その1時間、趣味の話に盛り上がった訳でもなく、彼がほとんど仕事の作業をしていてまともな会話はできなかった。別れたあと、話し足りないと言われて電話したり LINEしたりしたけど、「また会いたい、話したい」という彼の気持ちとは裏腹に、わたしの気持ちは離れていく一方。(前回と似たようなパターン…。)

その後も、毎日話の流れに関わらず、「おはよー」とか「仕事終わったー」という報告LINEが来るようになった。

前々からLINEで好意は伝えられていたけど、自分に自信がなくわたしとは不釣り合いと思っているようで(わたしはそんな美人な訳ではないですが)、付き合ってほしいとか好きだ、とか明確に言われたことはなかったし、その曖昧な状態でやりとりを続けるのも嫌だったし、何より返事をすることが億劫になっていたから、既読スルーしたり挨拶だけ返すことも増えていた。

そんな塩対応が続くて相手も何か勘付いたようで「怒ってるの?」というLINEが来たこともあった。(「怒ってるの?」って聞く男性なんなの?)

「怒ってないし、仕事の都合や他の用事で返事できてないだけ。こっちの都合もあるから用があったら連絡します」と伝えると、「あ、そういう感じなのね」という反応。そういう感じだよ、連絡しつこいの。察してくれよ。

そういう曖昧なやりとりを何日間か続けていたけど、相変わらず報告のLINEや男と会ってるかどうかを確認してくる連絡が続いていたので、

「あ、この人は察せない人だ」

と察したわたしは、友人に相談したうえ丁重なお断わりの返信と共にその人をブロックしたのであった〜〜。

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何回かはっきりと「そういうのイヤ」と伝えたことはあったんだけど、言葉選びが悪かったのか、相手も盲目的になってたのか、全然伝わってなかった。

同じ趣味を持つ人と知り合えたのは嬉しかったけど、だからと言って失うのが惜しいとも思わなかった。

次回で一区切り。


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