搔爬と手動吸引を両方受けた流産経験者の感想
こんにちは、パン子です。
私はこれまで2回の初期流産を経験しています。
そしてそのどちらも、稽留流産だったため、流産手術を受けています。
(稽留流産=赤ちゃんがお腹の中で亡くなっている状態)
1度目の流産は搔爬(そうは)手術
2度目の流産は手動吸引手術(MVA)を受けました。
搔爬手術が危険な術式であることは、不育界隈では今や共通の認識と言えるかもしれません。(ASCAさんのおかげ…)
そして一般の産婦人科界隈でも、じわじわと手動吸引手術ができる病院が増えてきているようです。実際のところはまだまだ掻爬を行なっている病院が多いようですが。
今回は、そんな搔爬手術と手動吸引手術を両方受けたことのある流産経験者として、手術の違いや術後の体の変化等について書いていきたいと思います。(※出血の描写等について詳細に書いていますので、苦手な方はご注意ください)
いま、残念ながら流産と診断されて、手術を控えてる方の不安を少しでも取り除けたら幸いです。
そして何も知らずに搔爬手術を受けようとされてる方、ちょっとお待ち下さい!
手術の流れ
手術の大まかな流れは以下です。
・手術当日は絶食
・子宮入り口を広げる処置(ラミナリア挿入)
・数時間ベッドで休む
(ラミナリアが入っているためかなり重めの生理痛のような痛みが続きます)
・筋肉注射&座薬(これは吸引の時はされなかった)
・点滴準備
・手術室へ移動
・静脈麻酔で眠っている間に手術
・手術後、麻酔が醒めるまで数時間ベッドで休憩
(吸引の時はこの間心電図と脈拍をずっと測っていました)
・膣内に入っているガーゼを抜く
・問題がなければ帰宅(私は2回とも日帰り手術でした)
1度目の掻把は総合病院の産婦人科で、2度目の手動吸引は不妊専門クリニックだったので、設備や方針の違いなのか多少段取りにも違いはありましたが、流れとしてはほとんど同じでした。
ちなみに手術の費用はほぼ同額でした。(もちろん保険適用で1万円少々)
手術方法
そもそもなぜ搔爬手術が危険と言われているかというと、その名の通り子宮内を掻き出す手術になるため、子宮内を傷つけてしまう恐れがあり、これが不妊の原因になってしまう可能性があるからです。(アッシャーマン症候群等)
その点、手動吸引手術はそういったリスクが搔爬手術に比べて低いです。
詳しい手術方法はネットで検索するとイラスト付きの解説なんかもありますので、興味のある方は調べてみてください。(投げやり)
術後の身体
続いて術後の身体の調子についてお話したいのですが、いつもの通り、これは一個人の感想であります。
また、搔爬と手動吸引の比較ではありますが、病院も手術担当の先生も全く異なるので、設備や技術の差による所も大きいのかもしれません。そこの所ご承知おきください。
◆搔爬手術の後
掻把手術の直後、とにかく激しい腹痛がありました。
そして手術直後から出血量がとても多かったです。ずっと生理2日目くらい、いやそれ以上。
発熱と血の塊が出た場合には即病院に来てくださいと言われていたのですが、
術後4日目くらいに大量の血の塊が出て、発熱もしました。
(ほんとに見たことないくらいの大量の血の塊で、一瞬クラッとしました)
夜間でしたが、病院に電話したところすぐに来いと言われ向かいました。
エコーで診てもらったところ、子宮内に出血の原因になっているものが残っており(?)(よくわからないけど本当にこう言われた)今ここで吸引しましょうと言われ、何やらバキューム的なもので処置されました。これは痛みは全くありませんでした。
その後も出血とたまに血の塊が出たり、というのが2週間程続きました。
術後39日目で生理再開しました。
最初の生理の量はかなり少なめでした。
◆手動吸引手術(MVA)の後
手動吸引手術のあと、腹痛は掻把の時と比べるとかなり軽微でした。
(※これも個人差があると思いますが)
術後の出血は掻把の時とは少し様子が違く、以下のような感じでした。
手術直後→少量の出血
術後3日目→出血量増える
術後2週間→少量の出血が出たり止まったり
術後の出血がだらだらと続き、その出血が終わらないまま術後38日目で生理に突入しました。
吸引手術は、掻把手術と比べて子宮にやさしい手術です。
そのため掻把と比べると子宮内容物が残りやすく、出血も長引く傾向にあるそうです。
実際私も、術後2週間の診察で子宮内に少量の遺残物が認められましたが、生理の際に出てきました。
残りやすいというのは手動吸引のデメリットと言えるかもしれませんが、それでも子宮にやさしい手術の方が安心ですよね。
私は掻把と手動吸引を両方受けて、術後の身体の調子が良いなと感じたのはやはり手動吸引でした。
手動吸引手術をすべての病院で導入して欲しい
私は1度目の流産の際、手術に他の方法(術式)があるということは知らずに、お医者さんに言われるままに掻把手術を受けました。
そして2度目の流産の際は、知識はあったものの通っていた産院が実施していたのは掻把手術のみ、手動吸引で手術を受けられる病院を自分で探して転院しました。
私はたまたま運よく受け入れてくれる病院を見つけることが出来ましたが、流産と診断されて精神的に参っているなか、自分で転院先を探さなければならないというのはかなりの負担です。
地方によっては、近隣に手動吸引を実施している病院が無いということもありえるでしょう。
「掻把は時代遅れで危険な術式」という認識は少しずつ広まってはいますが、いまだに多くの病院で実施されています。実際に私も2回連続で掻把を行っている病院を引いたわけですし。
妊娠した時に、その病院の「流産手術の術式は何か?」なんてことを考えて病院選びをする人はいないと思います。私も「産みたい病院」を選びましたから。
でもそうすると今回の私のように流産と診断された場合、掻把しか行っていないから転院なんていうことが起きてしまいます。
だったらもう、最初からすべての病院で手動吸引を実施してくれれば良いのですよね。(絨毛染色体検査も同じく。)
これで万事解決なのですが、なかなかそう簡単にはいかないようです。
技術の問題なのか、コストの問題なのか、はたまた産婦人科医の知識や意識の問題なのか、私のような一患者にはわかりませんが、患者側の方で「流産したら手動吸引手術」という常識が広まれば、さすがに病院側も手動吸引を導入せざるを得なくなるでしょう。
こうして患者側の医療リテラシーを少しずつ上げていくのしかないのでしょうね、現状は。悲しいけど。
そのためにはこうして不育症患者、流産経験者が声を上げ続けるしかないのだと思います。
私は諦めない!いつか必ずすべての病院で手動吸引を受けられるようにしてやるからな~!覚えておけ~!!!卍卍卍