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TIGER&BUNNY2が良いという話

この世のアニメは大別すると2通りのパターンに分けられる。
シーズン2が制作されるアニメと
そうでないアニメだ。

今回記事にするアニメはもちろん前者の話。
シーズン1の放送から実に11年の歳月が経ってようやく2期が制作された
みんな大好き「TIGER&BUNNY」(以下、タイバニという)という作品だ。
今回は内容の感想ではなく、タイバニを見て昔を思い出したという話。
11年も前の話なので、ほとんどが昔話になってしまうよ。令和生まれの子は読まなくてもいいからね。

1.時代背景

当時の僕は高校生か大学生だった。
その頃仲の良かった女性に勧められ、ホモアニメかぁ・・・と気の乗らないままに数話見てみた。
なかなか面白かった。ただ、ホモ好きではないため、ストーリー以上に何かこう、惹きつけるものというものは当時なかった。

当時のTwitterでは、全国のみんなと同時視聴しながら、実況したりくだらない感想を言い合ったり、そういうのが流行り始めたというか、色んなネットでの活動の黎明期だったなあって思うよね。そんな話はいいか。

いや、そういう話が重要になってくる。
ニコニコ動画では既に、「弾幕」という形で行われていた、決まった場面で決まった発言をするというオタク特有の「コール」が、この頃から始まったような気がする。

僕も2010年からTwitter一本で生きてきたTwitter大好き芸人ではあるんだけど、当時はTwitterってやる意味あるのか?って思ってたんだよね。
その仲の良かった女の子がTwitterを何時間も見つめているのを見て、なぁ〜にがおもしれえんだ?って思ってた。逆張りオタクではなく、くだらないことをツイートするという、その概念自体がよく分かってなかったんだ。

2.1期で何が起きたのか

ここでタイバニのOPの話をしよう。
これもみんなが大好きUNISON SQUARE GARDENなんだよね。曲名は「オリオンをなぞる」
当時のオタクがユニゾンを知るきっかけはほとんどこの曲だろうと思う。
おにつさんはその前から「ユニゾン知ってたよライブ行ってたよ」ってマウントを取りに来てた。怖い。やめてほしい。
オリオンをなぞるのサビの中盤で「つまり半信半疑あっちこっち」という歌詞がある。

つまり半信半疑あっちこっち(^o^三^o^)

今調べてきた。こんな感じ。
これを全国のオタクがテレビを見ながら一斉にツイートするというのが当時の流行で、みんな本当に楽しんでいたような気がする。
え?熊本でもやってたんだ?すごいね。
さっきも書いたとおり、Twitter黎明期、ニコニコ動画の弾幕も好きだったオタクたちは、自分達の情熱を一斉ツイートという形に昇華させ、一大ムーブメントを作り上げた。ような気になっていた。
実際にその盛り上がり方は結構異常な雰囲気があった。僕は仲良しの女の子を見て俯瞰的にしか感じていなかったけど、かなり楽しそうではあった。
そんな時代だった。

1期が終わり、僕にとっては、アニメが1期おわったな〜というそれぐらいの感想だった。
例の女の子にとっては、喪失感が大きかったのだろう。来週は・・・?今週のタイバニは???今日はなんでタイバニがないの?????
そしてそれは、他のツイッタラーも同じ感情を抱いていた。
タイバニ26話・・・27話・・・28話・・・。
ありもしない実況を続け、OPを聴いていないのに多くの人間が「つまり半信半疑あっちこっち(^o^三^o^)」とツイートした。
同じ時代を生きた人間は、同じような感情を抱く。これは僕と同じミノリスというコミュニティに所属していた者なら全員わかると思う。そのような状況だった。

3.映画化された頃

幾年月が経ったかは覚えていないが、映画化された。「The  Biginning」と「The  Rising」の2本の映画が公開された。
そこでもユニゾンの曲が使われ、「リニアブルーを聴きながら」「Harmonized Finale」という曲だった。
フィナーレという曲から、僕は「もう終わりなんだ。もう新しいタイバニはもうないんだ・・・」そう思っていた。
多分僕がそう思うんだから、考察が大好きなオタクもそう思ったことだろう。
そして、深く絶望したことだと思う。

平成が終わり、オタクが抱いていた希望はほとんど潰えていた。
しかし、2022年になり、突如2期の制作がNetflixにより発表された。
寝耳に水ってやつだ!初めてこんな慣用句使うよ。

4.2期が公開されて

公開されてからすぐに見た。
一気に見たわけではないが、すぐに見終わってしまった。
本当に面白かった。一時代を作り上げた作品の、正当な後継作品として、そこにあった。ぶつかり合いながらもみんなで力を合わせて敵を倒すという、非常にシンプルなストーリー。良い以外に言葉が出なかった。感動する場面があるわけでもないのに、なぜか毎話涙が出た。
OPもEDも飛ばさずに毎話見た。
特に漫画原作のアニメでは、OPEDには、アニメ制作の方々が「これは伝えたい!」と思っていることが描かれている!と、例の女の子は言う。タイバニはアニメが原作なので当てはまらないが、OPEDというものは重要なのだと。
僕がOPEDを大切にするのはあの子のおかげだ。

Netflixでの配信で、13話一挙公開という方法では、「リアルタイム」なんて単語は出てこない。
みんなで同時にオリオンをなぞる〜なんてツイートして盛り上がるなんてことはあり得ない。
終わった後にツイートで感想は言い合うが、誰も彼も週1で同じ話を見ているわけでもない。

5.気づいた

気づいちゃった。
なんでこんなにも謎の気分になるのか。
なんでこうも昔を思い出し、ノスタルジックな気持ちになるんだろう。
なぜユニゾンが奏でるあの音、声、メロディーは嬉しくも寂しい気持ちにさせるのか。

それは、語るオタクが無数に湧いていて、そのオタクたちが作り出していたあの異様な雰囲気があったからこそ完成していたんだ。
11年という歳月はあまりに長かった。
もちろんあの頃のオタクたちは今も生きているし、タイバニ良かったねと語り合うフォロワーもいる。
でも、毎週のように熱狂し、感想が飛び交うあの時間はもうないんだ。
最終話を見て気づいちゃった。
理由がわからないままに溢れていた涙は、11年前のあの景色を探して、こぼれ落ちていた。

終わり

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