ガラスに突っ込んだ話。
小学校2年生の時、ガラスに突っ込んで怪我をしたことがある。
正確には、ガラスを突き破って怪我をした。
その当時、毎年夏になると、軽井沢にある祖父母の古い別荘に遊びに行っていた。
その古い別荘で、これまた古いガラスの引き戸があり、そこに突っ込んだのだ。
私はその引き戸の向こう側にある自分の部屋に行こうとしていて、何か楽しいことでもあったのかスキップをしていた。
スキップをして勢いをつけた私は、ガラスの引き戸が開いていると思い、そのまま突っ込んだ。
ガラスが古かったため粉々に砕け、気づくと私は向こう側の自分の部屋で四つん這いになっていた。
振り向くと自分の形に割れたガラスがあった。
よく映画やアニメで見るやつである。
(きれいにではないが、本当に人型っぽく割れていたのだ。)
そして、大きな音でこちらを見に来た家族のパニックになった声が聞こえた。
母が呆然としている私を風呂場に連れて行き、血が出ている場所の近くを布で縛ってくれた。
「しばらく脚を心臓より上に上げておきなさい」と言われたので、その通りにした。
その時にはじめて、自分の足首からどくどくと血が流れていることに気づいた。
痛みはあったが、そこまでの激痛ではなかった気がする。アドレナリンが出ていたのだろうか。
その後救急車が到着。
救急隊員のお兄さんがお姫様抱っこをしてくれてキュンとした。
その後乗った救急車はとても乗り心地がよく、気持ちが落ち着いた。同乗した母は気持ち悪くて仕方なかったそうだが。
手術が終わって車で帰っている時、「がんばったね」と母がハーゲンダッツのクリスピーサンドをくれたのを覚えている。
とても嬉しかった。そして、とても美味しかった。
夏休みが明けて、膝と足首にガーゼをつけ、上から伸び縮みする網みないなやつを被せて登校した。
なぜか当時の私はそれがかっこいいと思い、見せびらかして歩いていた。
それが思い出だ。
私の人生におけるビックイベントであった。
武勇伝として、これからもずっと語っていくつもりである。