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(3) さらに遡り 2008年から2011年の仕事〜キャナルシティ博多編〜

福岡市に「キャナルシティ」という
複合施設があります。
ショッピングモール・ホテル・オフィスビル・シネコンなどが入っている
福岡では結構有名な施設です。

私が、大学生の時にグランドオープン。
珍しい色使いの建物で、当時はかなり話題になりました。
オレンジやレンガ色〜パープルやグリーンなど
鮮やかなアースカラー使いが特徴。

中洲の歓楽街や屋台通りにも近く
以前はカネボウの工場敷地の一部でした。
当時はマンション建設の予定でしたが
残りの敷地も手に入れる計画だったことで商業施設に方針変換したそうです。

アメリカの建築家『ジョン・ジャーディー』のデザインです。
六本木ヒルズや、大阪のなんばパークス、北九州リバーウォークなども
設計に携わっています。

その隣地に「キャナルシティ・イーストビル」という
2011年に建設された地上4階・地下1階建(主に駐輪場)の施設があります。
計画段階では第2キャナルと呼ばれていました。
九州新幹線全線開業に合わせ商業施設の増設が計画され、
当初は10階建程度のビルを建設し
核テナントとしてディズニー関連施設が入る計画でした。
ディズニー案は、かなりぶっ飛んでいて、設計会社のスケッチを基に
宇宙船が舞い降りたようなデザイン。

最初の線画ラフ

まるで遊園地のようです。
その時に依頼いただいて描いたパース。

2008年3月24日納品

このパースは、所長が作成。
まだ完全に水彩で描いていた頃で
ジャーディーの手描き水彩のタッチを要望されてのご依頼でした。

宇宙船案 その2
チューブ上のエスカレーターで内部に入る、完全に『未知との遭遇』〜。
断面はこんな感じ。実現したら凄かったですね!

2度目のパース依頼があった時には、すでにいずれ解体する計画、とのことで
低層で倉庫風デザインの、仮店舗を分棟して建てるプランでした。
こちらは、所長が線画、着色。
私はサインなどフォントでの制作や色修正などをPhotoshopにて担当。

最初のラフ線画
2度目のプランの時点で低層分棟で期限付き、ということはすでに計画されていました。
2010年2月20日納品

3度目のご依頼では、やっと建物の方針決定。
その後、リーマンショックなどの世界的不況に伴い計画は撤回され
核テナントとして当時、九州初出店となるスウェーデン発のH&M
国内最大規模となるZARAやインテリア雑貨Francfranc
九州最大級ユニクロなど計16店舗が入居しグランドオープンしました。

イメージラフ



博多駅からの駅前通り(以前、道路陥没&最短復興で話題になったあの通り)から続く、アイストップの施設になるということで、
外観にはかなりこだわりがあったようです。
「緑」と「癒し」をコンセプトに設計されており、壁面には、
国内最大規模(面積約3,000 平米)のユニット型壁面緑化を施し、
緑化の樹種に排気ガスの吸着分解に優れる常緑ツル性植物などを採用。
中央部にはシンボルツリーとして、常緑広葉樹のシマトネリコを配置。
また、既存棟とは空中回廊ブリッジで繋がれており、
イーストビルとは回遊性が保たれています。

博多駅前通りからのメインアングル (2010年7月5日 納品)
博多駅前通りからのメインアングル (2010年7月5日 納品)
内観イメージのご依頼もありました。

当時、建設中の囲い壁にば〜んと自分の描いたパースが印刷されているのを
見るのは、とても感慨深いものでした。

2011年1月10日のブログに書いています。写真の解像度が低いですが…。

その後、キャナルシティは少しずつ改装や新装を何度も繰り返しています。
サウスビル改築の際にもパースのお仕事をいただきました。

サウスビル 広告用パース (2012年8月16日 納品)


昔の記事ですが、参考までに。
2012/09/03(月)のブログです。


そんな、仕事で数回に渡りガッツリ携わり、
思い出深い施設だったキャナルシティのイーストビルは
2023年(令和5年)5月末から解体予定。
当面は駐車場として活用される見通しで、
その後高級マンションへ建替え予定だそうです。

残念ではありますが、福岡はスクラップアンドビルドの街なので
また、いろんな施設のお仕事に携われることを楽しみにしています。


ピーアンドエル オオイシ

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