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7/29は世界トラの日、ネパールから

ぱんどみJOURNAL

7/29は『WORLD TIGER DAY』です。
絶滅危惧種であるトラを保護し、生息数を増やそうと国際的な取り組みがなされています。
中でもネパールではトラの保護活動が盛んで、この25年の間に120頭しかいなかったトラを350頭ほどまでに増やしました。
BBCネパールでは、世界トラの日にちなんで、こんな記事を配信しています。

トラの女の子の10年の物語。
彼女が成長し、母親になっていく様を追いかけたドキュメンタリーです。
ぜひ、読んでみてください。
ネパール語で書かれていますが、google翻訳で日本語に訳せます。
ちょっとへんてこな日本語になってしまいますが。

ネパールでは、この25年の間に120頭しかいなかったトラを350頭ほどまでに増やしました。
特に保護活動が盛んなのは、ネパール西部のバルディヤという地域で、イギリス王室やハリウッドスターたちも積極的に支援しています。


赤い部分がバルディア国立公園のあるベリ県



トラが増えるのは素晴らしいことですが、同時に数々の問題も生まれます。

長い間、トラの棲むジャングルの近くで生活している村の人々にとって、トラは単なる害獣でしかなく、絶滅危惧種のユキヒョウと同じように村のヤギを襲えば、殺すしかありませんでした。また、村の周辺ではトラに襲われることもしばしばありました。
けれど、トラが絶滅寸前の今、どうにかして人とトラが共生する道を考えなくてはならないーー

世界の潮流の中で、ネパールの賢い人々はついに気付きました。
トラを害獣だとして殺すよりも、保護して、世界中からトラを見に観光客を呼ぶ方が利益になることを。
そして、25年かけて首都カトマンズの面積の13個分(東京23区くらい)の森をつくり、トラを保護し、増やしてきたのです。

同時に村の人々の生活を守るため、村の農作物を変えることにしました。
ジャングルにはたくさんの動物たちがいて、村の畑を荒らすことも多かったため、村の農作物を動物たちが嫌うものに変えることにしたのです。
簡単ではありませんでしたが、村のマンゴーやバナナの畑は、現在、動物たちが好まないターメリックの畑となっています。


トラとの共生を考える勉強会
マンゴーやバナナの代わりに生産されるようになったターメリック


ターメリック畑

こうしてネパールでは人とトラの共生を実現させようとしています。

ただ、私は思うのですが、
絶滅危惧種をただ増やせばよいわけではない、増えたあと、彼らが生きていける十分な環境があるのかどうか。彼らが増えたことで生態系は果たして快方に向かえるのだろうか。人との共生はできるのだろうか。

日本でも同じような活動をしているのをよく見聞きします。
例えばライチョウ。
山登りしているときに、これまで何度か出会ったことがありますが、それはもう愛くるしく、その可愛さに釘付けになります。
そのライチョウが絶滅の恐れがあると聞き、とても心配しているのですが、近年、ライチョウを増やすために、様々な取組が行われていて、ライチョウは確実に増えているそうです。それは本当に喜ばしいこと……ですが、


剱岳からの下山途中でライチョウの親子に出会いました

ライチョウは高山植物を食べます。
日本の高山植物も近年、その数を減らしています。
ライチョウが増えれば、さらに高山植物は少なくなり、結局共倒れになってしまうのではないか……増やす努力をしたのに、結局は元々の数より少なくなり、山の環境はさらに悪化するのではないか。
そんな心配もしてしまうのです。
そのあたりのことを専門家に取材してみたいと思います。

少し話が脱線してしまいましたが、
これからも人とトラ、人と野生動物、そして自然と人が共生していけるように、ネパールでのトラの保護活動を注視していきたいと思います。


BBCネパールに記事に登場する子供たち

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