【オマージュ みなしごハッチ】
令和四年七月二日に、育ての親のような母方祖母が96歳で亡くなり、祭りのあと、九月のとあるひとこま。
#9月某日土曜日【Let it bee!】
昨日の外来からの当直明け、本日さらに仕事をした帰りに、やっとこせビール!と酒屋に寄って缶アルコールと瓶酒を買って帰りましたとさ。
夕闇迫る暑く澱んだ部屋に空調を入れて、ギンギンに冷やし、あーあー!33時間ぶりの娑婆(しゃば)である。浅葱たくさんの冷たい煮干しラーメンでも作ろうかの。
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でもまずは、プルタブに手をかけ、ぐいっと呑んで、録画していたバラエティーテレビ番組を見ながら、夕刻からのダラダラを感受しておった。
屋内へ迷い込んだ小さい羽虫が、着ていた黒い服にたかって来たから、払い落とす。その後も、ゆるゆるグダグダしていこうと決意した矢先に、天井近くの間接照明辺りに、大きめの生き物の飛行を目が捉える。焦点を合わせると、蜂やんか!スズメバチよりやや小振りの蜂やんか(スズメバチかも)!
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私の部屋には今、まさに蜂がいる。退治するためのアイテムは、蚊いなくなるワンプッシュタイプと、ヤブ蚊対応のフマキラースプレーと、蜘蛛の巣対応のスプレーしかない。それらを取りに行っている間に、ひそやかに蜂が気配を消しおった。
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灯りを消して窓辺へ誘導したくても、すでに外は暗い。しかして、基本的には殺生はしたくないのだけれども。一方で殺すこともやぶさかではないが・・・ということで、姿を捉えられぬ蜂と、大きな私と、スプレー3缶が、同居しているのだ。部屋とワイシャツと私ではなく。
とりあえず、黒い服を白っぽい服(ごく薄いピンクのTシャツには「治りませんように」とプリントされており、下半身は強めピンクのモンペ)に着替えて(蜂にしたら、黒色は熊と認識して攻撃されるようだ)、チューハイを嗜む。
困ったなあ。まあ、なるようになるさ。
Let it be,let it be.Let it be,yeah,let it be!Whisper words of wisdom.Let it bee!
でも、8Mile(エミネム)ではなく、8(蜂)がイル。 誰か私に解消策を囁いて。
#9月某日日曜日【シュレディンガーの蜂】
土曜日夜に気配を消した蜂のことは無視して、寝室のドアをしっかり閉めて、日曜日の朝起きた。
リビングへと移動し、蜂の気配へとアンテナの感度を上げて、注意を向ける。すると亡き夫ぽんの祭壇の辺りの魔窟(あまりにも様々な存在が層を成しておる)で、蜂の足らしき動きを捉える。すわ、蜂だ?!と目をこらすが、カサコソと層の奥の方へと消える。そこに向かって、シリコーンコートの力を信じて、クモの巣ジェットを吹きかけた。
そのあと、耳を澄ませども、羽音もしない。マジックハンド(遠隔で掴めるアイデアグッズ)でひとつずつ、層の存在達を掴み、除けていく。しかして、蜂の死にかけた状態または死骸には辿り着かない。もはや、諦めることとした。きっと、死んでいるのだろう。生きているかもしれない。でも、少なくとも、室内に気配を察知できぬ。ゆえに、暫定的に居なくなった。
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本日は「外間のくるま麩」を水に戻し、絞ってちぎって、塩と味の素を加えた卵液に浸す。4cm幅に切った韮と葱、千切り人参、豚小間肉をさらに細かくしたのを、油で炒めて取り出す。同じフライパンへ、卵液に浸けた麩を流し込み、塊で焼けるように放置する。ふわふわ膨らむので、それを箸で切り分けて、先ほどの肉野菜炒めを戻し、醤油を鍋肌に回しかけ、混ぜ合わせる。フーチャンプルーの出来上がりだ。
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♪(BEGINの「オジー自慢のオリオンビール」の替え歌で)♪
どんな映画を見に行くよりも
オバーと飲んで話したい
コロナ続きでちゃーならん
医療の仕事もままならんわね
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金があっても海には行けぬ
病気があれば生きられる(仕事は無くならん)
なんくるないさ、やってみれ
働くからこそ休まれる
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三ツ星かざして高々と
ビールに託したミエナー(三重なあ)の
夢と飲むから美味しいさ
オバー自慢のオリオンビール
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夏は終わった、あっり乾杯!
オバーは死んだが在り、乾杯!
蜂はいるかも、有り?乾杯!
蜂は蟻じゃない、あっり、乾杯!
おおきにおおきに、あっり、乾杯!
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・・・と飲む。原曲はYouTube参照で。居るのかいないのか、在るのか無いのか、私にはかつて素敵なオバーがいたよ、そして、今も側に在るのです。
・・・とか思ってたら、先日(我が家で蜂を見かけた日に)亡き夫ぽんの母がオオスズメバチに刺されたと、只今電話連絡が入り、腕が腫れたものの事なきを得たようだ。オオスズメバチは地面の中に大きな巣を造っていたらしく、業者さんに頼んで駆除してもらったみたい。何がなんだか訳がわからぬが、シンクロニティ、8×8=64(ハチは虫&無視)。