日本銀行は19日、金融政策決定会合を開き、8年近く続く大規模な金融緩和の「点検」を踏まえ、より持続的で効果的な運営を続けるための政策修正を決めた。
日銀が政策修正を発表しました。
日本銀行は19日、金融政策決定会合を開き、8年近く続く大規模な金融緩和の「点検」を踏まえ、より持続的で効果的な運営を続けるための政策修正を決めた。新型コロナウイルス感染再拡大で経済が一段と悪化する場合に備え、金利全体をさらに引き下げることができるように見直した上で、中小企業が資金繰りに窮することがないように、金融機関に対し新たな貸し出し促進制度を導入した。
金利全体を低く抑える「長短金利操作」の枠組みは維持する。このうち、短期金利の操作に当たる「マイナス金利政策」は日銀が金融機関から資金を預かる際に残高の一部にマイナス0・1%の手数料を課しており、金融機関の収益を悪化させる副作用が指摘されていた。新たな貸し出し促進制度では、マイナス金利の幅が拡大すれば、それに連動する形で、貸し出しに取り組む金融機関に事実上の補助金を与える。
長期金利については変動幅を「0・25%程度」まで認めることを明確化。金利の上下動が活発になれば、債券売買で稼ぐ金融機関の収益にプラスになる。
上場投資信託(ETF)の買い入れも柔軟化する。原則年6兆円の目安を撤廃した上で、コロナ禍収束後も必要に応じて機動的に買い入れる。買い入れ対象はすべて東京証券取引所1部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)に連動した商品に限定することも決めた。
黒田東彦総裁はこの日、記者会見を開き、一連の措置について「より持続的で機動的な形に修正した」と説明。コロナ禍の影響で物価は低迷しているが、2%の物価上昇目標に向けて着実に進んでいける」と強調した。
出典:産経新聞3/19(金)