ワールド制作三周年記念祭の色々
はじめまして熊猫土竜です。ぱんだもぐら、と読みます。
非公式アドカレ、12月12日の記事です。
公式アドカレで至日レイさんに渡したはずのバトンが非公式で返ってきました。おかえりなさい。
2023年11月20日、clusterに最初のワールドをアップしてから3年を迎えました。それにあたり、18日・19日の2日間でワールド制作3周年記念祭を行いました。
その裏側をつらつらと書いていきます。
ワールドを全部使ってみたかった
今回のイベントの発端は、自分が作ってきたイベント用ワールドを一斉に使ってみたいな。というところでした。思いついたのは昨年の10月。
音楽を楽しむだけであればワールドは必要なくて、ましてや何か所もワールドを変えながらイベントをする必然性はないのだけど、もう一度ワールドというもののパワーやエネルギーを見てみたかったのかもしれません。
想えば2021年頃はイベントといえばワールド、というところがあって、イベントの思い出はワールドの思い出と紐づいているようなところがあったと個人的には考えています。色々な形のイベントがあっていいと思うし、負荷で音が切れてしまうくらいならシンプルなワールドでいいので音をちゃんと聞きたいな、とも思います。
そのうえで好みとして私はやはり演出のあるワールドが好きで、現実世界のエンタメを裏で見てきた中で、設営や機材に莫大な人とお金がかかる(入場するときに煙を出すだけだって高い!)ことがわかっていたので、せっかくなんでもできる世界では現実ではできないことをしたい、という想いが強いのです。
ワールドをたくさん使うからには、何か大義名分が必要です。そこで周年行事として実施することにしました。以降は時系列に沿ってどんなことをやっていたかをご紹介します。
事前準備編
8か月前(3月)
なんとなく企画する。さすがにここからずっとは考えていないけれど、スイッチが入った段階からパズルのピース集めは無意識なものも含め始まっています。私は事前にあれこれ考えるより、手を動かし始めた方がアイデアがどんどんアドオンするタイプなので、すぐ着手してしまうのですが、もう少し細かいパズルのピースは旅先や生活の中から日常的にインプットしてストックしていることが多いです。
3か月前(8月)
イベントをやるにあたり、まずはご出演者様とスタッフへのオファーをしました。最初の段階からいくつかのシーンがポンと頭に出てきました。
例えば、写真撮影イベント「くらぽとれ」でモデルになっていただいた奏音リリィさん。リリィさんは特にアラビアを意識したお衣装ではないのですが、私の中ではアラビアンな風景が似合いそう、というのがあり、くらぽとれではアラビア風景でお願いしたところ、予想通りすごく合っていたんですね。
音楽系イベントでお呼びするのは今回初めてなのですが、この風景で歌って頂く姿を見たい、というのがありオファーをさせていただきました。
そういう形で「ここでこの人!」のイメージ、そしてなによりこの夜に一緒に居たいな、というところでお声がけをしていきました。ただ、いままでご一緒した方含め全員お呼びしてしまうと数日かかってしまうのでワールドごとの人数など考慮し候補を絞らせていただいた次第です。
お一人お一人でもソロイベントされていたり主催イベントされていたり、clusterにとどまらず幅広くご活躍されている方ばかりで、正直今でも私なんぞがお声がけしてはいけない雲の上の方々ばかりだと思ってはいますが、こうして快諾いただけたことに感謝です。
有名な人ばかり集めて…という批判もありますが、みなさんやっぱり場数が違うというかトラブルへの対処であったりテンションの保ち方であったり、エンターテイナーとして見ている人を楽しませようという気配りが一流なんですよ。私としても大掛かりなイベントをやる以上は来てくださった方に他で味わえないショーを届けたい、という気持ちがあります。なので自然とトップスターばかりになってしまう。あと新しい人との接点のほうが少なかったりするので、致し方なし。それと女性ばっかり、と言われることも多いけど、この業界男性見つけてくることのほうが難しい…。
これだけの方々をお呼びするからには徹底的にいいものをつくらねば、と気合も入ります。もちろん、常に全力だし、手を抜いているわけではないのだけど。それに、慣れている皆さんだと本番ではより運行に集中できる、という利点もあります。
2か月前(9月)
このあたりからギアを上げてやっていきたかったのですが、急にとんでもなく本職が多忙になってしまい、同時に気管支喘息が悪化し、思い通り準備が進まないことで精神的にも弱ってしまい、かなり悪循環に陥った時期でした。さらにはいろいろトドメを刺されたこともあり、ぶっちゃけイベントを企画したことへの後悔しかなかったし、いかにして取りやめようかとすら考えていました。スケジュール的にバラすならこの辺がデッドラインです。
でも、見せたかったし見たかった。この夜しか味わえない景色。100回のイベントよりも1回でも心に残る夜。ここで終えたら全て終わっちゃう気もしていました。
なんとかモチベーションを立て直し、コンセプトシートをつくり出演者皆様・スタッフとの意識合わせをはかりました。
次にスケジュール組み。普段であれば皆さんの都合に合わせつつ、全体の流れを考えてご出演の時間を組み立てるだけですが、今回はワールドの順番やどこで誰にパフォーマンスしてもらうか、という要素があったため普段以上に仮組み立てと分解を繰り返しました。
オファーの時点で、ある程度どなたにどのワールドでパフォーマンスしていただくか、という想定はしていたものの、スケジュールによって何度か組み立てなおしが必要でした。
このあたりからワールドの方も本腰を入れています。もともとはただワールド変更を繰り返す予定でした。ワールドには座標があり、イベントの途中でワールドを変更しても、アバターがいる座標はそのままです。つまりはワールド同士の座標を合わせない限りは移動した段階で思いもよらないところに出てしまいます。例えば蘇州紫夜なんかは塔からつくりはじめたため、そこが原点(xyz軸:0,0,0)ですが、降雪神社の原点は地表より低かったりします。
そこでワールドを跨ぐイベントでは途中で『クッション』を設けたりするパターンもあります。ようするに、クッションワールド(例えばx座標1000、y座標-1000のように通常ワールドで利用しないような座標をつかう)に行ったときに確実にリスポーンさせ、次のワールドに行った時もまた確実にリスポーンさせる方式です。
今回のイベントも最初はその方式を想定していました。イベントワールド→クッションワールドに移動→次のイベントワールドでリスポーン、のようなイメージ。
クッションは何もないワールドでもいいのですが、たまたまいつかなにかで使おうと思ってたZeppelin号が目に入りました。そこから各ワールドにこの宇宙船が停泊していったら面白いな、というイメージが膨らんでいきました。
色々なワールドを跨ぐ都合上、ご出演者様の案内係が必要だな、と思い、出演者誘導の役割としてHOMURAさんに加わってもらったのも確かこの辺り。8月時点からお願いしていた至日レイさん、歩留マリさんにも準備段階で資料作成などお手伝い頂いていましたが、案内係としてはボイス利用可能な人が必要で、なおかつご出演者の皆様となるべく会った経験がある、ということでお願いしました。私に何かあった際の副艦長くらいの気持ちです。
誘導だけでなく昨年12月のイベントでるーしっどさんにお願いしたのと同様、ステージ手前での最終音声デバイス・音量チェックもお願いしています。
ビデオメッセージの依頼もこのあたりに。
1か月前(10月)
ここまでもチラホラと11月に3周年記念やる、ということは仄めかしていましたが、この辺りから告知もしていきます。ただ、これだけの出演メンツでゴーストは予期できたので、どこまで告知するべきか、という迷いもありました。とはいえ、せめてサムネがないと、関係者の方がイベントなどで告知する際にもしづらいので、そこだけは早めに出しました。
ワールド関連では当初クッションワールドとして考えていたZeppelin号の役割を変え、Zeppelin→ステージ前→Zeppelin→ワールド移動という形にし、使用する全ワールドにZeppelin号を置くことで、ワールド移動の際の落下感をおさえたり、控室のリスポンを避けたり仕組み的に改良しつつ、旅をしている感覚という演出面の強化を行いました。
ようは、既存のイベントワールド→クッションとなるZeppelin号のみのワールド→既存のイベントワールド、という流れを変え既存のイベントワールド全てにZeppelin号を置くことにしたのです。
ただそれは同時に全ワールドに対する編集と原点合わせが必然的に生じる、という事態になりました。Zeppelinを同じ0,50,0に置きつつ、ワールドの方をそれに合わせずらしていく作業です。幸い10のうち6ワールドはそれぞれ違うプロジェクトで作っていたため、アップロードしつつベイクしつつ編集しつつということができました。一方で、プロジェクトを跨いでのコピペができないため共通で利用するものをPrefab化とエクスポート・インポートしなければいけないという労力もありました。
地上⇔Zeppelin号についてはlotteryを入れてワープ先を分散させることで、ワープ後に身体が重なるのをある程度防ぐことも考えましたが、アイテムだとゴーストに効かないのとトリガーが些細なことで発火しないこともあるのでやめました。今回演出含めなるべくboolとFloatを使っています。
これはオペレートをなるべくシンプルにすることで本番中の自分の負担を減らすためでもあります。けして手を抜いて楽をしたい、という意味ではなく、本番中は全てを見通す必要があるし、いかなるトラブルやイレギュラーな事態も最終的な判断・解決をする責任があるため、本番中の自分の役割を100%にしてはいけない、という思いからです。
イベントは軸となる人物(ほとんどの場合主催者)が焦ったりブレたりしたら崩れます。戦場において総大将が討ち取られるようなものです。むろん、どんな状態でも、それはそれとしてお客さんは楽しんでくれると思いますが、焦りを見せず非常事態もエンタメにかえるのには軸となる人の余裕とリカバー力が必要です。軸が焦ったら、必ずお客様に伝播すると思うからこそ自分の負担を減らしてスペースを作っておかなければいけないのです。なにかあったときのための遊軍として自分はいるべきだと考えました。
シンプルにするとともに仕事を分散することも必要です。今回もEJやWEBトリガーを別の人にお願いすることも考えました。分けれるものは分けたほうが良いです。スタッフにはなるべく余計なプレッシャーを与えたくない、というところもあり演出面を他の人に分散できなかったのは、逆に自分の弱さかもしれません。
3週間前
セットリスト決めなどを行っていきます。同じイベントでなるべく同じ曲が被らないようにするのと同時に、場合によっては曲が演出に影響を与えることもあります。昨年12月のイベントではTOKIOのパラシュートやクリスマス演出もありました。
ワールド制作のほうが佳境に入っていきます。冒頭に書いた通り、重くて落ちるくらいならワールドや演出などないほうがマシとまで思います。どうしても重くなるのは仕方ないにしても、出来うる限り軽量化します。全ワールド容量20MB程度。問題はメモリです。とにかく無駄を省きます。
想月亭のように最初からイベント想定で制作したワールドならいいのですが、一般ワールドからイベントワールド化したものは特に消し忘れや無駄がないかを徹底チェックしました。
そして、PC、PCVR、VR単体、Android、iOSと各OSでテスト。特にiOSでのTerrainマテリアルの見え方やAndroidでの謎の発光などは要注意です。複数アカウントを入れマルチ環境での同期テストなどもします。
どちらかというとWEBトリガー派なのでコントロールパネルを置かないことも多いのですが
(参考↓)
今回は全体の流れでWEBトリガー使うし、ワールドごとにWEBトリガー自体の切り替えでは自分が混乱するとも思い、改めてコンパネへの落とし込みをしました。
2週間前
ここまでの反省で、ちょっとワールド制作に偏りすぎた感があります。ご出演者の皆さんに実際パフォーマンスする場所を見てイメージしてもらうためには優先する必要性があったものの、進行台本の初校だしなどは遅くなってしまいました。
普通のイベントであればリハーサル用イベントを一つ立て、ご都合よい時間に自由に見ていただくのですが、今回はワールドを跨ぐ(私が変更しない限り自分の歌うワールドが見れない)ため各出演者向けそれぞれに限定公開イベントを設置。導線手配書と動画もつけました。
1週間前
Komatsuさんと配信のテスト。カメラマンルームはステージの中心線に置き音のパンポット(LR)バランスが取れるようにしています。ただ今回大失敗してしまい、カメラマンルームを楽屋→ステージへのワープから20m以内に設置してしまいました。これによって楽屋の最終誘導の声が配信に乗ってしまったのです。このミス、22年の想月でもやらかしたので大反省。DAY1で気が付いたのでDAY2では修正できたのが唯一の救いです。
配信に話を戻すと、ここはもう完全に背中を預けました。カメラの位置やプロカメラマンモードで記録されるポイントも座標で設定されるので、イベント中にワールドが変わるというのは結構オペレートが煩雑になりますが、そこはもう任せっきりにしました。
余談ですが、この配信テスト中2人でワールドを回っている中で、自分のワールド制作のクセが見えて楽しかった思いもあります。
私はこれをもとに、人が動くイベントではメインのビューポイントは20*20mと決めていて、盆踊りもパリピもほぼほぼ同じ大きさで作っているのですが、それ以外にも思いのほか共通点があって、作者の手癖がでるなぁ、なんて話しました。こうして複数の自ワールドを回ったからこその発見でした。
MC・各出演者リハーサルもここで行っています。メタらいおんさんの元気さはいつも触れているので、MCイメージは定まり組み立てました。リラリン・リラさんは実は結構前から知っていたものの、他のイベントでMCする姿をお見掛けし、どこかでぜひご一緒したいと思いお願いしました。
続いて宣伝動画の公開。告知については前述の通り、今回どこまでやるか、を迷った点でもあります。タイミングを決めるうえではご出演者・スタッフのイベントに向かうモチベーションも考慮します。
宣伝動画には宣伝の意味合いのほか、関係者の熱量を上げる意味もあります。今回は特に他のイベントや活動など忙しい皆さんなので、他のイベントやプロジェクトが重なる中、早めにギアを上げすぎても熱量が追い付かず、逆にイベントが煩わしくなると思い、タイミングは熟考しました。
十把一絡げではない、むしろ個性が強い皆さんなのでタイミングや熱量も同じではないし、コントロールしようという考えではうまくいくはずもありません。お一人お一人の状況つぶさに見つつ、動きやすいように階段をつくっておく。そのうえで今回動画公開はこのタイミング、という判断をしました。動画のテンションもここで最後に駆け上がっていくことをイメージしたテンポにしています。
前日
スタッフが集まり改めて流れの確認。途中から遊んでました。これくらい前夜を楽しめるとイベントとしては成功が見えます。この段階で焦ったりイライラしたりするのは準備不足。準備はいくらしたって仕切ることはないけれど、余裕を持っていたほうがミスや改善点も見えます。
何度か書いているのですが、イベントをやるうえではお客さんはもちろん、出演者、スタッフにもこのイベントに関わってよかった、と寝る前に思ってもらいたい、と考えています。人生の貴重な時間をここに使って無駄ではなかった、と。そのためにはスタッフにもリラックスして楽しんでもらいたい、と思っています。
当日編
当日。開場30分前くらいに「はじまったら、あとで覚えてないくらいてんやわんやして、気が付いたら終わってる」なんて話をしていましたが、まあその通りでした。
イベント中はディスコードでスタッフと音声通話しながら進行しています。
ビデオメッセージ~オープニング
最初のワールドは私が最初に作った『熊猫土竜の世界旅写真展』
いちたろうさん、hkさん、高千穂マサキさん、リーチャ隊長、りおもろさん、t_furuさん、るーしっどさん、イカめしさん、へぷたんさん、9191さん、七種あきのさん、甘野氷さん、タナベさん
ビデオメッセージをいただいたみなさん、改めてお礼申し上げます。
これは私がイベントやる際のこだわり、というかある意味職業病なのですが、イベントは時間きっかりではじめるようにしています。
20時30分開始なら、ちゃんと20時30分00秒開始にしています。
そして10分前からカウント開始し、15秒前からカウントダウンしキュー出しします。これにより、ある程度の緊張感をだしイベントへのスイッチを入れています。リラックスしてやってほしいと先述しましたが、リラックスし余裕をもってやる事とだらだらすることとは違うので、このタイミングで少しピンとするのもいいイベントのためには必要だと思っています。
オープニングでは名物にもなっているもはや視界ジャック。
出演者紹介をしながら宇宙船へとワープさせました。
視界ジャックはVRユーザー以外では大好評なのですが、VRだとどうしても気持ち悪くなっちゃうんですよね。
30秒以内、直線方向以外は動かない、だとギリギリセーフかな、という感じです。今回は30秒以上かかっちゃいました…。
1日目
お一人お一人のことを書いていきたいのですが、ここまでですでに7,000字オーバーなのでワールドの紹介メインで行きます。
1日目の最初は『君がいた夏は』
2021年にはじめて音楽イベントをやった場所だったので、まずはここから。
盆踊りと言えば「東京、下町、魔法少女」のシュネーさん。冒頭「単純な機材トラブルなんですけども」の茶目っ気もかわいい。
次のステージは『小さな洞窟』
ここはもともとイベントで使う想定はなかったのですが、今回、機関クローラさん茶々丸さんにご出演いただけることになり、二人のイメージからここをイベントワールド化することに決めました。クローラちゃんの声はすっと入ってくるよね。
3つ目のステージはイベントで最も使用している『想月亭』
今回、想月亭をラストにしないことだけは決めていました。
なんか「またここか」感が出ちゃうような気がしたので。
時間調整で私が出たことにより、くしくも最初の想月亭で歌った、みるにぃさん、せばえびさん、熊猫土竜が帰ってくることにもなりました。
そしてhalさんという豪華パートなのですが、いまきがついたら想月亭だけ珍しく全員男性だった…。
4つ目は『ゴシックなお茶会』ここはもう杏仁しずくさんと一体です。途中のMCで「やっぱここ好きだなあ」と言ってくれたのがとても嬉しかった。
喋りの甘い感じと歌に入った時のパワフルさのギャップがまた萌えてしまう。1日目ラストのモニカに入る前にぐっと雰囲気を変えてもらえました。
1日目の最後は『2009年のモニカ』
このワールドのイベント利用については、由宇霧さん主催「新人と先輩」、えるさん主催「漢の花道」、Yoshiさん主催「ロックの日」とその度に改良していったものの、実は自分の主催で使うのは初めて。そこまでのストーリー、そしてまた別の形でこのワールドと関わってきたMarinさんとのストーリーを一緒に味わいたくて、MJB、える&ぱんだー&sakというオファーをしました。
ここがエンディングになっていく中で、まさかの猪木入りから、トークそして歌まで最高に燃え滾るパフォーマンスだったMJB、そして昨年12月トリを飾っていただいた、える&ぱんだー&sakは衣装からパフォーマンスまでさすがの展開。そして、モニカの夜はMarinさんにしめていただく。上品な1日目の締めでした。
さて、1日目はこれで終わりです。
すべて目を通しているつもりでも、ディスコードのコメント見逃しなどもあり、その点HOMURAさん中心に声で伝えてもらうなどフォローいただきました。まさに副艦長。
2日目
2日目はティファナさん制作によるオープニングムービーで幕を開けました。ちょっと私の中でのイメージも固まり切らない中お願いしてしまったためご迷惑おかけしました。
1日目は割と使うワールドの方からどの方に出ていただくか考えやすかったのですが、2日目は普段イベントで使っていないワールドがほとんどで、どこでどなたにご出演いただくか、については結構悩みました。ワールドの方から決まっていたのは冒頭に書いた通りアラビアでリリィさん、花街で由宇霧さん、というところだけでした。
オープニングから超大物たみーさん。どういう展開になるかな、とドキドキしていましたが「最初の村の最初の村人」のたとえが秀逸すぎて、ここまでの活動が報われたというか、また自分の方向性が見えてきたありがたいお話でした。
「蘇州紫夜」は一度トークイベントで使ったことはあるもののいつかは本格的に音楽ライブをやってみたかった場所。たみーさんを迎えた後はSha-laさんがチャイナ衣装で来てくれました。儚げな感じがどこか漂うSha-laさんの歌声が中華に響く。
そして舞台は「花街」ここはもう由宇霧さん筆頭に、一度この舞台を経験済みのL*auraさん、きゃりこさんにお願いすれば安心。
Sha-laさんの蘇州夜曲もそうなのですが、みなさんステージに合わせたお衣装はパフォーマンスを考えてきてくださってそれだけでも嬉しい。
蘇州、花街ときて降雪神社。
公式アドカレ のほうでも書いた通り、ほぼ初参加なイベントに出演していたのが、てつじんさんと草羽エルさん。お二人とも言わば神なので、神のいる神社でお迎えいたしました。このコーナーだけなにするかあまり決まっていなくて、ここまでの流れと同じように歌っていくのでは面白くないな、と。
あれこれ考えたけれど、ここは素直に自分の気持ちをぶつけてみることにしました。
最後は「MOG aRAbian」大トリを奏音リリィさんにお願いしたい、だけは決まっていたので、このステージお一人でもいいかな、とも思いつつ、全体の流れなども含め桜兎ちゃん、警戒ちゃんにもこのステージに立っていただきました。当初は昼バージョンで作っていたものの、どうにもそこまでの流れと合わず、DAY2全部夜できていることもあって開催10日前に急遽夜バージョンを制作しました。
結果的には夜でよかったな、と思います。
エンディング
実は最後はパリピ銭湯でDJというのを最初から告知の上でやるつもりでした。ただ、お願いしようとしていた方のスケジュールが合わず、その他にもお声がけ候補は何人かいたのですが、総合的に考えて諦めました。
翌週が11月26日でいいふろの日なので、ナンバリングとしては1年ぶりとなるパリピ銭湯3を翌週やろうかな、という考えもありました。
実はそれがDAY3です、的な。
まあ諸々あって、そこもなくなったのですが、とはいえ、火星銭湯を使わないわけにもいかずなにかないかな、と思い、当初はZeppelinで上映するだけにしようと思っていたエンディング動画をここで流そうと思いました。
ラストなので、何かエモい演出、と思ったときに中心を囲みながら空に動画が上がっていくイメージが浮かびました。
あれは技術的にはスクリーンを9分割し、そこに9分割した映像を載せています。こうすることで写真を後からでもいじれるようになるためです。
これについては配信で見せるのが難しいので、komatsuさんと打合せ、配信側では9分割「されている」絵を見せることにしました。
ここでは事前に皆さんからいただいた200枚以上の画像を使いましたが、なるべく同じワールドや人の写真を同じタイミングや同じパネルでの前後に出さないことに気を付けて、並べるのに結構な時間をかけました。
終えてみて思う色々
出演者さんたちのレベルの高さ
ご出演いただく方は皆さん主役なので、全体の中のパーツ的な扱いはしたくないんですよ。ただ今回はワールドチェンジというストーリーがある以上はお客さんの感情がどうやって動いていけばより心地よいのか、という意味では全体を一本の映画のように考え、構成を考えていく必要がありました。
全体構成、とはいえあまりこうしてください、あれを歌ってください、みたいなことも言いたくないので、このあたりの葛藤は難しいところ。
今回は自分の周年イベントである以上どうしても私的なものになってしまうので遠慮しがちになってしまったのは仕方ないのですが、もう少し事前に出演者皆さんと相談して、こんなショーにしたいんだ、構成の中のこういう役割を担ってほしい、こういう表現で見せたい、みたいなことを話してみてもいいのかな、と思いました。私的なものじゃないときにまた歌っていくだけではないストーリー性のあるイベントに挑戦してもいいのかな、と思います。
その上で、今回やっぱりみなさん凄いなぁ、と思ったのは言わずとも自分の役割、野球でいうところのポジションがわかっているというか、出演タイミングや構成に合わせたパフォーマンスをしてくださったなぁ、というところ。ここがやっぱり、単純に歌がうまいとかパフォーマンスがよい、だけではないパフォーマーとしてのレベルの高さなのだな、と思いました。
また、ワールドをツアーしていく、というコンセプトや様々なワールドを見せていく、ということにご理解いただき、その場その場に合わせた選曲や衣装パフォーマンスを取り入れていただいたことはさすがとしか言いようがありません。
メタらいおんさんが打ち上げを用意してくださったのだけど、ひとりひとり落ちる姿を見たときに、一緒に旅をしてきた仲間たちが故郷に帰っていくようなそんな気持ちになった。
愛は勝つ
大人になると声高に愛を語れなくなるじゃない。うさんくさいし照れくさいし。僕はメタバースの本質って愛を語れるところだと思うんですよ。本気で愛を投げ合っていいピュアな心の安全地帯。損得勘定なしにいていい場所。
愛しているということを言ってもよくて、言葉だけじゃない伝え方もたくさんある場所。恋愛とかお砂糖とかじゃなくて、もっと幅広い生き物としての愛みたいな。
だからこそ、それを壊しに来る存在やピュアな心を利用しようとする存在、安全地帯を侵す存在には過剰なまでに拒絶反応をしてしまう。数字の争いとか、どっちが上とか、儲かる儲からないとか、意味がない。あなたたちの世界の常識をそのまま持ち込まないでくれよ、と。
正直なところ、一昨年の暮れにメタバースがバズワードになってから失望することがいっぱいあったよ。わかりやすく金もうけだけを目的に来る奴らだけじゃない。アバターやワールドのことをコケにした奴ら、親しく中に入り込んで別のプラットフォームに誘い出してイベントやる奴らとか、そんなのについて行っちゃう人たちとか。
でも、今回イベントやってみて思ったのよ、それでも愛は勝つ。
数字じゃないといいつつも、ただの負け犬の遠吠えに聞こえないよう数字だってしっかり結果は出してる。
そんなことより、心と心のコール&レスポンスを何度も何度も熱量感じた。
あとは来てくれた人々が判断すること。
信じることさ 必ず最後に愛は勝つ。