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デートでおしっこ漏らした話
19歳の春にmixiの「お洒落大好きコミュニティ」で知り合った歳上のAさん。
ギャル顔も服装もかなり好みだった。1回目のデートはカフェでお茶しただけだったが波長も悪くない。
基本的に1回目のデートは軽く会ってお互い色々と測ると思う。大事なのは2回目のデートだ。これがあるって事はお互いに第一段階はクリアしたって事になる。
そんな気合いを入れた2回目のデートは「水族館」だった。
品川駅にある「アクアパーク」という水族館に行く事に。事前に周辺地域の情報を入れその後のご飯や延長デートなんかも視野に入れて臨む。
品川駅での待ち合わせ。合流して水族館へ向かうと、Aさんが入り口にある、船が左右振り子のように動く「ポートオブパイレーツ」というアトラクションを見て「乗りたい!」と言い出した。
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もちろん二つ返事で快諾をする。中学、高校と遊園地に行った記憶はあまりなく最後に乗った絶叫マシンは小学生の頃だったが、当時は楽しく乗っていた為、特に気にする事なく乗り込んだ。
この時は気付いていなかった。
私の三半規管がとっくに死んでいる事に。
船が動き出す。Aさんは楽しそうだ。テンションが上がっていい笑顔をしている。隣でその笑顔を見て心臓がドキドキした。これは恋か?何か自分の身体に違和感を感じる。もしかして私はAさんに惚れてしまったのか?
違った。
私は自分の身体に起こっている異変にやっと気付く。心臓がフワッとなる度、おしっこが少しだけ出ていたのだ。それをどうしても止める事が出来ない。隣のAさんはキャッキャしていて可愛い。私は心臓がフワッとなる度におしっこが少しだけ出ている。どれだけ下腹部に力を込めても止められない。「やばーい!!」というAさん。本当にヤバい。少しずつ出続けるおしっこ。意識が下に向いた事で段々と振り子運動にも酔ってきた。
アトラクションが終わり船が止まる。尿意は無い。パンツはびしょびしょだった。気分も悪い。Aさんはかなり満足そうな顔をして「帰りにもう一回乗ろーね!」と言っていた。そして「水族館も楽しみ〜!」と、アドレナリンが出ているのか、かなりハイテンションなAさん。私の下半身からはクレアチニンが出ていた。
「ごめん、ちょっとトイレに行ってくるね」と言って落ち着いた様子で歩いてトイレに向かう。中に入った瞬間ダッシュで個室に飛び込む。便器に座り心を落ち着かせながらパンツを確認。OK、デニムにまで染みている。
気分はすぐに回復した。しかしパンツはびしょびしょのままだ。とりあえず臭いでバレないよう水道で洗いハンドドライヤーで乾かす。ノーパンにデニムでパンツを乾かしている。デニムもヒンヤリしたがさすがに洗えない。冷たい風のハンドドライヤーで乾くはずがなく、大便だと思われたくなかったため途中で断念。半乾きのまま履き直して外に出る。
「うぃす!はい!はーい、はーい!」とガラケーを耳に当てて電話してましたねん感を出してAさんと合流した。そして水族館へ。それ以降の記憶はない。家に着くまでただただ下半身が気持ち悪かったのと、これがキッカケで乗り物系アトラクションが完全にアウトになった事だけ鮮明に覚えている。
Aさんお元気ですか?
私は今日も生きています。
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