育休明けの社会保険料を減額させる方法があるらしいですよ
育児note書くと張り切っていたのにもうすぐ育休終わってしまう。
我が家は共働きなので4月から保育園に入園します。内定もらえました、わーい。4月に生まれてくれてありがとう
それにともない妻も4月から時短勤務という形で復帰します。そんな妻から以下の制度についてこれ何?と聞かれました。
育児休業等終了時報酬月額変更届
養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置
まったく聞いたことなく、胡散臭いやつだろと思っていたのですが軽く調べてみるとどうやら合法で社会保険料を減額できそうだったのでちゃんと調べてみました。
育休明け後の社会保険料について
育休明けの社会保険料は育休取得前に支払っていた社会保険料が適用されるようです。時短復帰した場合、当然育休取得前より収入が減ります。ところが、社会保険料に関してはその減った給料を元に計算されたものではなく育休取得前に支払っていたものが適用されます。
正確に言うと社会保険料は標準報酬月額というものをもとに計算されます。この標準報酬月額が育休取得前の給料を元に計算されたものでそのまま使われるので社会保険料が育休取得前のままということらしいです。
以下はけんぽの令和6年度の東京の保険料額表です。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r6/ippan/r60213tokyo.pdf
時短勤務で普通に収入が減るのに社会保険料も前の給料の時のままではさらに収入が減ってしまいます。これは困った
育児休業等終了時報酬月額変更届
そこで育児休業等終了時報酬月額変更届です!日本年金機構のHPには以下のようにあります。
簡単に言うと標準報酬月額を再計算してくれる制度です。通常、標準報酬月額は4, 5, 6月の給料の平均で計算されます。この標準報酬月額を随時改定というものに該当していなくても育休明けのタイミングであれば再計算できるよという制度です、たぶん。
適用できる条件は以下です。
時短復帰前と後で標準報酬月額に1等級以上の差が出る
育休明け後、3ヶ月のうち少なくとも1ヶ月における支払基礎日数が17日以上であること
1等級とは保険料額表に記載されている標準報酬月額と支払い保険料が対応する等級のことです。
二つ目の条件は時短復帰後の標準報酬月額は復帰後3ヶ月の給料を元に計算されるので働いている日数が計算できる最低日数を超えている必要があるよみたいなこと。
詳しくはこちらの公式HPを
ちなみにこちらは標準報酬月額の決め方について
なので、普通に時短復帰の場合1等級は収入減になる人がほとんどなので時短復帰する方はほとんど対象になる、はず。
育休明け後の標準報酬月額の計算は育休明け後3ヶ月を計算対象とするため3ヶ月は育休取得前の社会保険料ですが4ヶ月目からは社会保険料を減額することができます。
この申請は事業主が提出するため通常勤務先の総務や労務といった担当部署に相談しましょう。わからないけど、こういう制度使えるって聞いたんですけどどうなんでしょう?的な感じで聞けばいいと思う。
まとめると
社会保険料は標準報酬月額を元に決められる
育休から時短復帰する場合、育児休業等終了時報酬月額変更届を提出することで復帰後3ヶ月の給料をもとに標準報酬月額を再計算できる
しかし、社会保険料を減ると言うことは厚生年金が減るということです。つまり、将来もらえる年金も減るということです。これに関して使える制度が養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置です。
養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置
前述したように時短復帰した場合でも育児休業等終了時報酬月額変更届を提出することで社会保険料を減額することができます。
しかし、社会保険料が減額されると支払う年金も減額になるため将来もらえる年金が減ることになってしまいます。
そこで使えるのが養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置です。この制度は3歳までの子供を育てる中で標準報酬月額が減額になった場合、将来もらえる年金が減らないよという制度。
くわしくはこちらの公式HPを
こちらも提出は事業主からなので勤務先の総務とか労務のような担当部署に育児休業等終了時報酬月額変更届と一緒にこういう制度もあるって聞いたんですけどって聞けばたぶん大丈夫。
これで時短で収入が減っても社会保険料を下げることができてその上もらえる年金も変わらなくできます。
こんなの全員やったほうがいいじゃんとも思ったのですが注意しなくてはならないことが1点あります。
育休明け後また産休に入る予定がある人は注意
育休明け後わりかしすぐに産休に入る可能性がある方は注意です。なぜなら、もらえる産休手当が減額してしまうからです。
産休手当は以下のようにして計算されます。
【支給開始日の以前12カ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×2/3×欠勤日数
上記のように産休で支給される手当金は標準報酬月額をもとに計算されます。なので、育児休業等終了時報酬月額変更届を提出して標準報酬月額を時短復帰後の額に変更してしまうとそれをもとに計算される産休手当も減額になってしまうということです。
これは産休にいつ入るかや時短でどのくらい収入減になるかで変わるので育児休業等終了時報酬月額変更届を提出して社会保険料を減額したほうがいいのか提出せずに次の産休手当を減らさないようにするかはざっくり計算して判断する必要があります。
ざっくりシミュレーションしてみましょう。(計算は全国健康保険協会の標準報酬月額などで計算)
育休取得前の給料 30万
時短復帰後の給料(8時間勤務から6時間勤務になった場合として75%の給料として計算) 22.5万
時短復帰から1年後に再度産休に入るとする
産休は産前42日、産後56日で計算
シミュレーション
最初の3ヶ月は減額されないので減額期間は9ヶ月
減額前の社会保険料
健康保険料 14970円
厚生年金 27450円
計 42420円
減額後の社会保険料
健康保険料 10978円
厚生年金 20130円
計 31108円
減額しなかった時にもらえる産休手当(標準報酬月額 30万)
30万 / 30日 x 2/3 x 98日 = 65.3万
減額した時にもらえる産休手当(標準報酬月額30万 3 ヶ月 + 22万 9ヶ月の平均で標準報酬月額は24万)
24万 / 30日 x 2/3 x 98日 = 52.2万
結果
社会保険料を減額した場合は月額11312円減額することができる。1年間で考えるとトータル101808円社会保険料を減額することができている。
しかし、社会保険料を減額した場合で復帰後1年後に産休に入った場合約13万円産休手当が減額してしまう。
簡単なシミュレーションだが復帰後1 年以内に再び産休取得する可能性が高い場合、育児休業等終了時報酬月額変更届を提出して社会保険料を減額しないほうがいいという結果になった。
まとめ
育休から時短復帰する場合、社会保険料は育休取得前の水準のため高い
育児休業等終了時報酬月額変更届を提出することで標準報酬月額を再計算し社会保険料を減らすことができる
社会保険料を減額しても養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置のおかげで将来もらえる年金は減らない
時短復帰後、1年以内に再び産休取得する可能性が高い場合社会保険料は減額させないほうがいいかもしれない
基本的には使った方がいい制度ということはわかったのですが産休取得の可能性が高い場合はどうなんでしょうね。一応、シミュレーションしましたがこれは復帰の時期とかによっても変わりそう。(標準報酬月額は4, 5, 6月で計算されるから)
産休取得の可能性がある場合、どっちを選んでもとんとんな気がしますけどね、どうなんでしょう。
もし、間違ってるよとか、私の場合こうだったよとかあればぜひコメントください!!
にしても、こんな制度あるんですね。誰も教えてくれなかったら普通にスルーしてそう。調べるのけっこう大変だったのでどなたかのお役に立てば幸いです。