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滑空を極めた鳥、ホバリングを極めた鳥

こんにちは、パンダ鴨です。

寒くなってきて、僕が住んでいる滋賀県の琵琶湖にも、湖面を覆うほどの水鳥たちが渡って来ています。
しかし先日花火大会があった際、最初の一発が開いた途端、その光に照らされて飛んで逃げていく大量の鳥たちが見えました・・・

まあ、逃げますよね・・・

それは置いておいて、今日は鳥の飛行についてのお話をします。

みなさんは、世界で一番重い鳥を知っていますか?
それは、ダチョウです。全長は最大2.8m、重さは150kgにも達します。分かりやすく例えると、トトロ15分の1匹程度です(分かりにくい)。
ただし彼らは、並外れた大きさとパワーの代わりに、飛翔能力と頭脳を失っています。

ダチョウ

では、飛べる鳥の中で最大の鳥は何なのかというと・・・

それは、アンデス山脈周辺に生息するアンデスコンドルです。

アンデスコンドル(写真ACより引用)

全長は最大130cmで、その重さは、15kgにも達します。分かりやすく例えると、ちょうどメイ程度です(分かりにく…分かりやすい?)。

ダチョウを先に紹介したため15kgが軽く感じるかもしれませんが、よくいるカラスが約700gであることを考えると、飛ぶ鳥としてはものすごく重いということが分かると思います。

そんな彼らは世界最大の飛べる鳥、というのが定説なのですが・・・
実は、それについては諸説があります。

体長と体重はアフリカオオノガンが一位ですし、翼開長はワタリアホウドリが一位です。
しかし一位ではないもののその三つ全て最大級で、かつ長距離を飛ぶことができるコンドルが、世界最大の鳥の称号を手にしているのだと思われます。

そんなに巨大なコンドルは飛ぶのも一苦労かと思いきや・・・実はそんなこともないようです。

彼らは、広げると3mにもなる巨大な翼でうまく上昇気流をつかまえ、一度も羽ばたかずに5時間「滑空」して170kmを飛んだ記録があります。

身近にいるトビもあまり羽ばたかずに飛べますが、コンドルはそれ以上に「滑空」を極めた鳥だといえるでしょう。

実は、コンドルとは対照的な飛び方をする鳥もいます。

それは、世界一小さな鳥のグループであるハチドリ類です。

ハチドリ(写真ACより引用)

ハチドリの中でも一番小さなマメハチドリは全長5cm、体重2gと本当のハチ程度の大きさです。

彼らの飛び方は特殊で、空中で停止する「ホバリング」を行います。

ホバリングができる鳥は他にもいますが、ハチドリはずば抜けて精度が高く、綺麗な空中停止や後ろ向き飛行を可能にしています。それはまるで昆虫のような飛び方で、羽音もハチに近いです。

さらに、ホバリングは普通獲物を見極める時などに数秒間するものですが、ハチドリは餌(花の蜜)を食べている間ずっとホバリングをしています。

しかし、その飛び方を維持するためには大量のエネルギーが必要です。
というより、ハチドリのエネルギー消費量は異常です。

それを補うため、ハチドリは脊椎動物の中で最も活発な代謝をしています。
というより、ハチドリの代謝が脊椎動物の上限なのではないかと言われています。

なぜそこまでして花の蜜が吸いたいのか、一度ハチドリに聞いてみたいです・・・(ハチドリ:そこに花があるから)


体力をほとんど使わず滑空して長距離を飛ぶコンドル。
異常なまでのエネルギー消費で昆虫のようにホバリングするハチドリ。

両極端ですが、それぞれの環境で生きていくために、適した飛び方になるよう進化したのでしょう。


※この記事の写真は、引用元が書いていないものはパンダ鴨撮影です。


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