2020.10.19(月) 天降りし蝶
秋の七草に藤袴という花があります。藤袴には鮮やかな青色の翅を持つアサギマダラという蝶が飛来します。このアサギマダラは日本全国を飛びまわっています。そのうちの数匹が松野町の不器男記念館にも飛来してきました。
昨日は、晴天に恵まれ不器男記念館にもたくさんお客様が来館されました。不器男記念館にはスタッフが植えた藤袴があります。そこにアサギマダラが来るのです。この蝶の翅にときどき文字が書いてあります。ここに来る前に捕まえた人が書いた文字です。どこで捕まえられたかが書いてあります。日本全国を飛び回る蝶なので思いもよらないところを巡って不器男記念館に飛来していることもあります。
ま の あ た り 天 降 り し 蝶 や 櫻 草 芝 不 器 男
蝶を詠んだ芝不器男の俳句です。「天降りし」は万葉語で「あもりし」と読みます。眼前にいま蝶が降りてきている様子を詠んだものです。「天降りし」の効果でゆっくりと雄大に蝶が降りてきたように感じられます。この句のような光景が撮影できるのではないかと思いしばらくカメラを構えていました。しかし、残念ながら「天降りし」といった雄大な光景は撮影できませんでした。蝶の動きが速すぎたのです。掲句のような光景は不器男さんのデフォルメ。リアリティはありますが、なかなか「天降りし」という場面には出会うことはできないでしょう。
秋 光 の ひ と つ ぶ 蝶 に な っ て く る 川 嶋 ぱ ん だ
川嶋ぱんだの、俳句雑誌「つくえの部屋」をはじめとした俳句活動は応援していただいている皆様に支えられています。また資金的な応援は、「気に入ったらサポート」からいただけます。たくさんの応援おまちしています!