ショートストーリー 三題噺チャレンジ
こんばんは🌇
pandaです🐼
今日はサークルのシグさんが主催する、三題噺チャレンジなるものに参加してみました😊
これは、覗く、銃口、路地裏と言う三つのお題を入れたショートストーリーです!!800字程度ですが、100字程で死にかけてました笑
🐼並の頭脳を併せ持つ僕が精一杯考えてみました^_^
路地裏の景色
路地裏の片隅に無数の雨が散弾の様に降り注ぐ。
薄い段ボール紙に染みる冷たさは僕の身体全てから熱さを奪ってゆく。
背中越しに当たる砂利か何かの感触が不快ではあるが、首を回す力さえ既に僕は奪われた後であった。
奪われる程、持ち合わせもありはしないのに
そんな僕をダクト溝の中から覗く無数の視線だけが静かに見守る。
鈍色のダクトから滴る水滴はまるで涎を垂らす様にぽたりぽたりと地面に落ちる。
早く死ねと僕を急かす
地面を這う雨水達は僕から奪うだけ奪い、勢い良く排水溝の中へと逃げてゆく。
きっと僕は死んだとしても、命のあては下水の底なんだろう
僕の視界は小さく閉じてゆく。こんな薄汚れた景色には何の未練もありはしない。しかし、そんな景色すらもそろそろ無くなるだろう。
朧げに映るダクト溝は、銃口が僕に突きつけられている様にも思えてきた。
僕の視界はそれを最期にゆっくりと消えて無くなった。耳に響く雨の足音だけが、僕に残された刹那の時間。
親の顔、生まれた意味、路地裏の先の景色さえ知らぬ僕の命はもうそろそろ終わりを迎える。
すると、
僕の身体を何かがぎゅっと包みこんだ。
もはや、温もりすら感じる事の出来ぬ僕の身体は初めて何かに覆われていた。
温かいんだろうな
ダクト越しの生臭い温もりしか知らなかった僕はこれが温もりだと初めて知った。
聞き慣れない言葉が微かに耳元で聴こえてくる。9910?どうでも良い事か。
僕を包む圧迫感も薄れて来た頃、僕は作業着を着た天使達によってどこか知らない場所へと運ばれて行く。
雨も止んだ
食事を無くした寂しそうな視線だけが、運ばれて行く僕の死骸をじっと見つめていた。
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