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私とチバユウスケ
前回の更新からだいぶ時間が経った。
自分にとってその期間は受け入れ難く、辛い日々だった。
私と○○と題して、更新をしていこうと決めてから
スマホに予め題材をメモしていたのだがなんとなく次はチバユウスケについて書こうと思っていた。
そんな矢先に彼の訃報を知らせるニュース。
はっきり覚えている。
その日家に居て、当時の彼女と談笑をしていた。
笑い合ってる時にスマホに通知があり、チバユウスケという文字だけがまず目に入り咄嗟にスマホを伏せた。
嫌な予感しかしなかった。
意を決して再度スマホを覗くとやはり訃報だった。
すぐさま自室に駆け込み泣いた。
悲しいという気持ちじゃなく、悔しいという感情が強かった。
ひとしきり泣いて、その後は呆然とし時間だけが過ぎた。
そこからというもの、何をするにしてもチバさんの事を考えてしまい気付くと涙が出るという日々。
いろんな思いが駆け巡るが、その気持ちのやり場がない地獄。だって彼はもう居ないのだ。
ありがとう!も、かっこいいぞ!も、あなたに出会えて俺は幸せだということも伝える事が出来なくなった。
どこかで彼は不死身でずっと存在するものだと思っていたのかも知れない。そう思うのも仕方がない。
チバさんに出会うきっかけは兄だった。
兄はミッシェルが好きで、詳しくは知らないが高校の時にバンドでコピーしていたらしい。
私と兄は7歳離れていて、小さい頃から兄が聴く音楽はいつも刺激的だった。
小学生だった私は兄の部屋にあるCDラックからミッシェルやレッチリ、マリリンマンソンのCDをよく勝手に聴いたものだ。
2003年のMステでの伝説も兄と一緒に観たのが今でも懐かしい。
何故か興奮する私をよそに兄はとても冷静に観ていた。
私が「ミッシェルがもう一曲やるってよ!」と嬉々として伝えると、兄は「あぁ、こういうのは慣れてるから大丈夫だ。」とどこか誇らしげに答えた。
今となってはどの立場からの発言だったのかと思ったりするが、後にこの発言は私の仲間内では名言となった。
その後ミッシェルが解散し、ROSSOで曲を出したりしながらThe Birthdayが結成された。
私としては、The Birthdayの思い入れがとても強い。
ミッシェルがカッコいいのも最強のバンドだったことも理解していたが、気付いた時には存在していたバンドだった為、かっこいいバンド以上の感情が湧きづらかった。
それに比べてThe Birthdayは結成当初から見続けていたため思い入れも強かった。
なんならミッシェルを聴くことも減ったくらいだ。
当たり前だがThe Birthdayには常に最新のチバユウスケが居た。それが何より大事だった。
年齢や経験を重ねる中で、歌詞のワードや言い回しが変わっていく様もとても良かった。
「くそったれの世界」が発表された時だった。
私はミッシェルの時とは違うThe Birthdayとして、今のチバユウスケを感じた曲だった。
それは私にとって刺激的で最高にかっこよく、胸を躍らせた。
その勢いのまま、兄にあの曲を聴いたか?と話し思いがけない言葉を耳にした。
「I Love You は最強って言ったら終わりだよ」
とてもショックを受けたし、それは受け入れられなかった。
しかし、年月が経てば経つほどにあの言葉が滑稽で軽薄な言葉だったなという思いが強くなっていた。
結局自分が思うに、チバユウスケはチバユウスケであり続けた中でミッシェルからThe Birthdayへと変化を続けてきた。それは歳を重ねることによる変化でもある。
その変化を受け入れられるか否かは聴き手に委ねられる。
兄はきっとミッシェルの頃のチバユウスケを未だに追っていたのだろう。
私はその後兄とはThe Birthdayの話をすることはなかった。根本的に考えが違かったからだ。
すごいもどかしい思いをした話がある。
チバユウスケの訃報が世界に流れた時、SNSやメディアなどで取り上げられることが多かった。
だか、その際紹介されるのはミッシェルだった。
SNSで書き込んでいる人もそうだった。
ミッシェルが〜、ミッシェルの〜、とにかくミッシェルミッシェルだった。少し嫌気がさした。
もちろん理解はしている。ミッシェルの凄さも、どれほど多くの人間を熱狂させてきたのかも。
ただ、いまはThe Birthdayでありきっとミッシェルミッシェル言っている人はThe Birthdayを聴いていないんだろうなと思ったら前述の通り、嫌気がさして寂しさと虚しさを覚えた。
自分はずっと聴いてたんだ!!ミッシェルが解散してから追ってないやつは黙ってろ!なんて言うつもりはない。
自分が言いたいのは、どこかに同じ気持ちの人が居るんじゃないかということと、The Birthdayを追って聴き続けていた人達に光が当たってほしいと思ったのかもしれない。
長く文章を書くと終盤になるにつれて話が支離滅裂になってしまうのでここらで終わらせるが、私はチバユウスケという男が亡くなったことに関して未だに立ち直れたとは言えない。
1月に献花をしに行けたことが自分にとっては大きかったと思う。
大音量で流れる音楽、ステージに置かれた機材、そして写真。
本当に不思議な感覚だったのだが、そこにチバがいると素直に思った。
居るよ、そこに!なんだよ、居るじゃんか!そう思ったら少しだけ気持ちに整理がついた。
事あるごとに彼はきっと我々ファンの事を見に来てフッと笑ってくれるんだろうと思った。