まぜそば屋にて
深夜、栄のまぜそば屋。
1人カウンターに座る。
周りを見れば、ホストか姫しかいないなか、
両隣に誰も座っていないことに少し微笑む。
深夜、栄のまぜそば屋。
1人カウンターに座る。
食券を渡し心を弾ませながら
まぜそばが来るのを待った。
深夜、栄のまぜそば屋。
1人カウンターに座る。
食券を渡してしばらくして右隣にホスト風の男が座る。
気にせずひたすらまぜそばを待つ。
深夜、栄のまぜそば屋。
1人カウンターに座る。
この時間のこのお店って意外と混んでいるんだな
なんて思いながら、まぜそばを待った。
深夜、栄のまぜそば屋。
1人カウンターに座る。
自分より後にすでに何人も来ている。
厨房が忙しなく動いているのを眺める。
深夜、栄のまぜそばや。
1人カウンターに座ってから20分経過。
未だまぜそばは出てこない。
1.5倍速のアニメを見終わる。
深夜、栄のまぜそば屋。
俺の後に来たホストの元へまぜそばが届く。
でもそいつは台湾まぜそばだったから、
台湾まぜそばの方が普通のまぜそばよりも早く出来上がったと思い込む。
深夜、栄のまぜそば屋。
ついに左隣も客が座る。
俺のところに来るかと思ったまぜそばが
後ろのテーブル席に運ばれる。
深夜、栄のまぜそば屋。
ついに隣のホストが追い飯を注文する
俺の元にはまだこない。
1時間弱経過。
深夜、栄のまぜそば屋。
忘れられてるとようやく気づく。
気付きたくない真実に気づいたことと
1時間経ってもまだですかと言えない自分に落胆する。
深夜、栄のまぜそば屋。
まだですかが言えずに時間が過ぎる。
自分より後に入ってきた客が帰り出す。
この店に2度とこないことを誓う。
深夜、栄のまぜそば屋。
ようやく、自分のがきてないことを伝える。
渡したはずの食券がなくなっている。
この店に2度とこないことを誓う。
深夜、栄のまぜそば屋。
もはや、空腹を忘れるタイミングで来るまぜそば。
一口食べる。
うまい。絶対また来る。