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親友、そして親。

親友、そして親

私は今、東京に住んでいるが久しぶりに実家に帰った。

実家には電車で帰る事にして寄り道せずに帰る予定でいたが、電車が発車する前に親友の顔が浮かび電車を降りてホームから親友に電話をしてみた、すると親友は2コールで電話に出た。

約1年半ぶりの電話であったが挨拶もそこそこに親友と、これから会う約束をした。親友は急な訪問者の私を快く受け入れてくれた。

最寄りの駅から親友宅まで歩いて向かった。久しぶりに降りた駅は工事をしており都心に繋がる線路や接続のための駅を作っていた。

駅周辺は新しいお店がチラホラ出来ており、今までの何も無かった所に新築の家がずらりと並んでいた。

親友宅は駅から歩いて約15分ぐらい、家の前に着いて親友に再び電話を入れる。直ぐに電話に出ると親友は窓から顔を出す。

親友は家から出て来ると「何が飲む?」と一言。
家の目の前にある自動販売機で缶コーヒーを2使い缶コーヒーで久しぶりの再会に乾杯する。

コーヒーを飲み終えた後に、
親友より「何か食べ行く?」と一言。

親友は運転席に乗り込み、私は車の助手席に乗ると車を走らせる。特にどの店に行くとも決めずに数分後には馴染みのファミレスに着いた。

ここのファミレスは何処にでもあるチェーン店のファミレスであるが、このファミレスは私達が学生の頃、夜集まっては朝まで自分達の将来の事や、くだらない話を何時間も話した何十年も通い続けているファミレスだ。

テーブルに着くなり親友より「○○さん、まだ働いているょ。」私は思わず「えぇ!!!」と声を出してしまった。パートやアルバイトの入れ替わりが激しい職種でありながら、もう何十年と同じファミレスで働き続けていたのだから。

今は姿は見えないが冗談で「今日は遅番じゃない」と話していたら夕方になったら姿を見かけた。特にこの方とは親しく話をする事は無いが何十年も通い続けていればお互いの顔は覚える。こんな近ず離れずただの客と定員の関係だ。

その後、親友とは最近の近況報告をしたり思い出話に話を咲かせた。何時間話をしても話は止まらない心地よい関係。しみじみと親友って良いなと感じる時間であった。

散々話した後に親友に車で実家まで送ってもらった。

実家に着き、インターホンを鳴らすと出て来た顔は、いつもと変わらない、いつもの笑顔の顔があった。

私の両親は体のあちこちに痛みが出て病院通いをしているが、今の所なんとか夫婦二人で生活をしている。

そして父や母とたわいもない話をして夕食をご馳走になった。メインのおかずはロールキャベツ。
私が幼い頃から食べている変わらない味。
変わらない母の味だ。

食事について最近よく感じる事がある。

どんなに高く一流の料理を食べてもお腹が満足しない。もちろん一流の食事は美味しい。間違いなく美味しい。

しかし母の味にはかなわない。何度食べても飽きることなく私のお腹と心を満たしてくれる。

夕食は、なかなか来れない母の味を堪能した。

そして思う。両親が元気な内は何度でも足を運び顔を見に行こう。会いに行かなくてはならないと思った。

私が帰る時に母は、私の姿が道路から見えなくなるまで手を振っていた。両親は有り難いなと更に実感した。

今日という日は、あっと言う間に過ぎて行った。
改めて親友と両親に感謝する良い一日になった。

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