
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道標としての夢
醒め消えるものとしての夢
ディスク状になったそれは
細い円錐の上に絶妙なバランスで
くるくる、びちびちと音をたてて
反力で右回り、左回りをゆっくり繰り返している
ゆるやかな夜から絶望的な現実を連れての朝
カーテンで確実に遮光しながら
無から有が出来るまで繰り返して眠る
眠った先、真夜中ライトを灯さず山道を走り続けていた
夜目が利くまでまでそれは怖かったけれど
少し経つと慣れてくる
多分これはダッジラム
バックミラーを見ると
震えたまま下を向く人
不確かに対しての崇拝が生まれた人
このままでは死んでしまう、とドアを突き抜けて降りた人
右目の端でぼんやり見送って
自然にまたペダルを踏んだ
ライトをひねると眩しくて驚く
口が開いたようなトンネルに吸い込まれた
中に入るとオレンジに輝いている
左に膨らんだ路側帯に車を止めるて煙草を取り出そうとしたら
車はもうなくなっていた
ぺたぺたと歩く途中
何かのはずみで転んで、それでも
うにっと膝に力を入れて歩き出す
最近は少しだけわかるようになってきたのかもしれない
わかってきた勘違いをしているだけなのかもしれない
経験は稀に嘘を混ぜるのが得意だからね、と君が笑っている
仕方なくドアに炭酸水を掛けるがドアは開かない
ライターであぶってみると簡単にシリンダーが回る音がした
熱いような気がするが掴んで右に回す
開けた先にはまた君がいて
なんだばれちゃったなあ、って抱きしめてくれる
これを渡したかったのに、もうちょっと
まだ だよ
聞こえたと同じ位に足元が跳ね上がって青い部屋に
人間サイズのディンプルキーが置かれていて
窪み一つに対して
壊れやすい足、痺れやすい腕、取れやすい目
と、ラベリングされている
取らなくてはいけないみたいだから痺れやすい腕の窪みに手を入れた
しゅわしゅわした左手になつかしさを感じながら
選択を失敗したかもしれないと思う頃
右足はブレーキを踏みながら左手は何かをつかんで
腰には落下を感じる無重力
椅子から落ちて目が覚めたときのこと