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燭台

ゲームみたいに
関係値のステージが進んでいかないと変に思われるみたい
ここがズレるとだいたい離れなくちゃいけないの
ちゃんと好きだったとしてもね

前回も今回だって大丈夫なの?って言われてきたわ
でも大丈夫って何が大丈夫なんだろうね
何も知らない癖に常識的な秤に掛ける
その事態が大丈夫なの?って思うけど
どう思う?

相手との幸せに依存したらおしまいと笑う
でも周りが家族を作って独りになる事がしんどいと言う
発達課題の初めで躓くと躓き続けてしまうと言う
でも。私たちは今の発達課題のすべてを放棄している

共通の知り合いは居ないから
気が付いたらどちらかが死んでいるかもねとも笑い合って
またいつか、でおひらき
生活が始まる

会話のズレも興味のレンジにもさして違和感はないし
状況も関係も変わらない。軌道が少し近づいてまた離れていく
それを俯瞰で見ている
オレンジが差し込むドアのない部屋
黒いテーブル、3名分の煙草と椅子、醒める迄の燭台
今回はセブンスターのメンソールにフィリップモリス
ピースのインフィニティが置かれていた
火をつけている私が、その間に話をする

強引に身体に手を付ける事もしない
たまに心配にもなるけれど
きっとそういう装置がついていない

彼氏彼女がどう、なんて話も一切しない
恐らくは好みもあるんだと思うけれど、
お互いがお互いの恋愛観に興味がない

歳を重ねても恐らくこれ以上
人間的に大きく変わる事もなさそう

どうして接点を持とうとするのかと考えた
夢の話と昔話で隙間を塗り潰すのが楽だという所に収束する
生活を共にしていきたい気持ちがないけれど
この時こう考えた、こうあるべきだったのではないかと
議論するのが楽しいのかもしれない
答えの出ない話がふつふつと出て、忘れられていく

終わり際はだいたいお互い大人になろうね、から
大人になったねと笑い合うのがサインになっていて
なんだか退色も感じられるようになった

10年が経つ
瞼が開くと俯瞰の自分が主権を持って天井の景色を脳に送っている
問題ない、私の中での私達は自分以外を信じていない

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