第十五話 オカルト進行中
幽霊、呪い、未確認生物、超常現象、黒魔術、等々…
インチキなのか?はたまた本当に存在するものなのか?非科学的なジャンルを一括りにオカルトと総称しているが…
信じている信じていないという話はさておき、
この手の話を聞いたり、読んだりする事を僕は好んでいる。
というのも、その手の話の殆どが嘘っぱちだったとしても世の中に解明されていない現象というのが存在しているのはまた事実で
オカルトにはある種の浪漫のようなものを感じるからだ。
単純に創作だとしても上手に作り込まれていたら創作物として楽しめるしね。
普段、生活している中でオカルトチックな出来事に遭遇した事がないかと言われると誰しも一度はあると思うし、僕も何度かある。
霊感は全くないが、心霊の類で数回程。
ただ、この話は文章に書き起こすと非常に分かりづらく
しかも僕本人が体験したというよりは身内の話になるのでこれはまた別の機会に。
では、今回は心霊の類ではないが僕が実際に体験したオカルトについて、
というより、現在進行系で自分の身に起こっているオカルトについて書いていこうと思う。
断っておくが、全然怖くもないし本当にしょうもない話だ。
オカルト好きの変態に読んでからガッカリされても困るのでその辺は御容赦願いたい。
皆さんは福毛というものをご存知だろうか?
宝毛とも呼ばれている白く長い毛の事なのだが、
ざっくり説明すると生えると幸福が舞い降りるみたいな毛の事だ。
正直、福毛が生えている事自体はそんなに珍しい事でもなく
誰かしらが福毛にまつわるエピソードなんかを話しているのを一度は聞いたことがあると思う。
僕も小さい頃から右足のふくらはぎ付近に福毛が生えている。
大体伸び切っていると最大5cm位の長さになったりしている。
たまに気付かずに生え変わって短くなっていたりするが、基本的には僕の足には福毛が生えっぱなしになっていた。
『なっていた。』
というのは、ある日を境に僕の足には福毛が生えなくなったのだ。
少し、昔話をする。
自慢ではないが学生時代僕はそこそこモテていた。
多分常に学校内の誰かしらは僕の事を好いていたと思う。
告白された回数なんていうのも正直覚えてない。
何故こんな過去を自慢するキモいジジイみたいな事を書くかと言うと、
これが後々福毛が生えなくなった原因と関係してくるからなのだ。
というのも、
明確な時期は覚えていないが恐らく学生から社会人に切り替わるタイミングで福毛が生えていない事に気付いた。
その当時は、
『あぁ、抜けたのか〜また生えてくるだろ〜』
位にしか思っていなかったが、
そこから2年位全く福毛は生えず、
『もう生えてこないのかなぁ〜』
なんて考えていると、とあるイベントの後にまた福毛が生えるようになった。
当時、街コン全盛の時代で僕も2回ほど街コンに参加したのだが
その内の出会った一人の女性がどうやら僕の事を気に入ったようで二人で遊ぶようになってから福毛が生え出してきたのだ。
ただ、これは単なる偶然かもしれないし当時はそれこそ今ほど気にしていなかったのだが
何やかんやでその方とは縁が無く終わったのだが、
気が付くと福毛もいつの間にか抜けていた。
その後、そういった僕に好意を寄せるの女性が現れると福毛が生え始めたり、
彼女が出来るとその期間は福毛は抜けず、
別れると福毛も一緒に抜ける。
というサイクルが正直一度や二度の話ではなく
何度も繰り返されているのだ。
この法則から僕の事を好いている女性がいる期間は僕の足に福毛が生えるという事実を発見し、
変な話、こちらが好意を寄せている女性がいても僕の足に福毛が生えていないと絶対に上手く行かないのだ。
事実、福毛がない状態でアプローチをかけて成功した試しがない。
数年前、Twitterでガチの婚活を行っていた時期がありその際も全く福毛が生えて来ず
自分なりは頑張りながらも心の中では、
福毛生えてないから多分この婚活失敗するんだろうななんて考えていたのだ。
(実際爆散したしね)
そんな福毛に翻弄されている30半ばのオジさんは、
ここ数年間一切福毛が生えず
僕を担当するロマンスの神様も棺桶でご臨終でさぁーねぇーなんて考えていたが、
これを書いてる数時間前、日課のプールに行った時に数年振りに福毛が生えているのを発見したのだ。
ちなみに、足を見る度に福毛の確認する癖がついているので先週プールに行った時にも確認したはずだったのだがその時は生えていなかった。
どうやらこの一週間で世界の何処かで僕の事を好いている女性が現れたっぽい。
さぁ、それは一体何処の誰なのか?
果たしてこのロマンスは成就するのだろうか?
信じるか信じないかは貴方次第です。