どんより土曜日からの離脱
あ〜〜〜。もう、折角の土曜日なのにどんより土曜日だった。
土曜日のどんよりは、あんまり好きじゃない。折角気持ちよく過ごしたくて土曜日を迎えているのだから、気持ちいいお天気でいてくれたっていいじゃないかというエゴイスティックな気持ちになってしまう。
そんな鬱屈した気持ちを抱えてコンビニに入り、結局めぼしいものが見つからず(最初からそんなものはなかったのかもしれなかった。)、いつも通りの野菜ジュースを買って、出ようとしたところ、ふっと見覚えのある顔が視界に飛びこんできた。
友人だった。付き合いの悪い私が先月も会うような友達。
お互い行動範囲は違うから、私の行動範囲(とてつもなく狭い)で会うなんて思ってもみなかった。友人は、友達との飲み会で来たとのこと。
嬉しい偶然だった。
心がちょっと浮足だってしまうとはこうゆう偶然によって起こるのかもしれない。
嬉しくて、友人と別れた後も、フラフラと歩き続けてしまったほどだ。
そうしたら、ドミノが倒れるようにまた嬉しい偶然があった。
友人との会話によく出てくる「友人の友人」(すなわち私にとっては他人)とすれ違った。
「あれ?」と思ったら、LINEで写真がよく送られてくる見たことある顔だった。芸能人の方を見るような気持ちってこんな気分かもしれない。
「あ、あの人だ!」という感じ。
その人が雨の中所在なさげに立っていた。
(あ、きっと友人との待ち合わせ場所に迷っているんだ)
と思った。
次の瞬間には、「すみません。」と声をかけていた。向こうもびっくりしたに違いない。
浮足立った私のパワーはすごい。大胆なことをしてしまった恥ずかしさが後から襲ってきて何を話したか今は思い出せない。
雨が降っていたのも気にならなかった。
どんより天気の日にも気持ちよく過ごすためのヒントはきっとそこここに落ちているんだよって教えてくれているような気がした。