『素晴らしきかな、人生』感想
この前、突然のお誘いがあって運良く観ることができた一本。
気になってはいたけれど、DVDでもいいかなぁとも思っていた作品が偶然の因果で映画館で観ることが出来た時、ちょっとラッキーって思ったりもする。
今回は、そんなラッキーでこの作品に巡り会えた。
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映画を観ることは大好きだけど、監督の方とか脚本とか詳しいことはよくわからない。
邦画も好きだし、洋画も好きだから、どちらがどうというつもりもない。
ただ、いつもながら思うのは、洋画のセリフが持つ痺れる台詞回しだ。
どうしたら、あんな表現を見つけてくるのだろう。
「愛は、腐敗した細胞でしかない。」
私の薄い記憶力では、和訳するのがイライラするほど痺れる台詞だった。
映画という世界の中でこそ活きる台詞なんだけれど。
そして、一個一個の台詞もそうだけれど、この作品の舞台が広告制作会社で行われていることもあって、
「このコピーは、ここ(頭を指しながら)に響く、でも私のは、ここ(心に手を当てながら)に響く。」と言っていた。
うわぁ…と思ったのは、私だけかもしれないけれど、言葉が響く場所は確かに頭と心で別だよなぁと思う。
それは、本当語順だったり、小さな違いだと思うのだけれど。
心に響く言葉という評価軸を大切にしたいなぁと思った。
今の時代、身体の感覚をフルに使って、私達の感情は揺さぶられている。
と、昨年『君の名は。』を観て思った。
もちろん私もそれで泣かされた一人なのだけれど。
終わった時に、「泣かされてしまったな。」と思ったのは、頭に響いた映画だったからではないだろうか。
じゃあ、心に響くものって何って聞かれると答えに困ってしまうけれど笑
心に響くものを探していきたいなぁと思わせてもらった気がする。
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Will Smithという俳優さんはずるいと思う。立ち姿もかっこいいけれど、笑った姿はこちらまで朗らかな気持ちにしてくれるし、そして『i robot』のようにシリアスなものも、この作品のように泣かせるものまで幅広い演技が出来るし、それぞれ私の感情を揺さぶってくる。
ずるい。
遠い存在なのに、画面を通してなぜだか近所のおにいちゃんみたいな親近感を感じてしまうのはずるいとしかいいようがない。
脇を固める俳優さん・女優さんも皆個性があり、味があり、生き生きとしている。
きっとこの作品みんな楽しんで撮影してたんだろうなぁと思わせてくれる位に。
演出も、「あ、ちょっと気持ちに変化が出ているんだな」っていうのが素人の私にもわかるのが嬉しい。
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「愛・時間・死」誰にでもあって、誰もがその意味を考えずには生きられないもの。
でもね、どんなときにも目をこらせば「幸せのおまけ」がついてくるんだよ。
っていう映画のメッセージも、私はこれからも心にひっそり忍ばせて日々を送ることになるだろう。
私の毎日の進み方も、ジェンガを作っているようなもので、時に途中で投げ出してしまいそうになったり、意図せず倒してしまったりするのだけれど、でも、ジェンガはもう一度作ることができるし、もう一回は、さっきよりもうまく早くなっているかもしれない。
だから、死ぬときまで、ジェンガを並べる努力をすることはきっと無駄ではないんだろうなぁと思った。
まだ、観ていない方もぜひこの作品のテーマソング
One Republicの”Let's Hurt Tonight”を聴いていただきたい。
心にズシーンとくる一曲だから。そう、心で聴く一曲なのだ。