違いがわかルンです
いつも通り出かける前に「あれっ。」と思った。雨の匂いがした。
その時は降っていなかったけれど、案の定夜中に雨が降ったようだった。
雨上がりの匂いと雨の匂いって現実にはちょっと違う。
雨の匂いはちょっと土っぽい匂いがして、雨上がりの匂いは緑の匂いが混じっている…気がする。
いつから嗅ぎ分けれられるようになったのかはもう忘れてしまった。
いつも飲んでいる水も、いつの間にかエビアンの味が好きだと感じるようになってしまった。
身体にいいと聞いてから飲むようにしている白湯も、電気ポットで沸かしたのより、ミルクパンで沸かした方がなんとなく味が違う気がする。
朝一杯だけのむコーヒーもやっぱりフィルターとインスタントでは、味が違う。
そういつのまにか違いのわかる女になっていたのである。
これが年を取るということなのだろうか。
こうして違いのわかる女になって、家の中のことにも敏感になって、チョコレートやら内緒でお菓子を買い込む母を
「これ増えてるんだけど…食べきれないのに、買ってどうするの?」
などとちょっぴり叱ったりなんかして。違いがわかりこだわりが出てくるから口うるさくなる。
年を取るってこうゆうことなのかしらとちょっとドキリとしながら、しばらく経って口うるさい自分を反省する。
知らない内に、口うるさいこだわり強めおばさんになっていないかしらと反省する。
それでも、この年にもなってやっぱりビスコは美味しいし、GODIVAよりアーブルチョコとアポロが好きな自分がいて、少しだけホッとしたりする。
なににホッとしたのかはわからないけれど、大人にならないというこだわりを捨てきれないという点で、私はやっぱりこだわりおばさんになってしまった気もする。