天邪鬼ということ
ふらりとコンビニに入る。がらんどうのお店でなにかを買おうという当てもなくふらりと入る行為は少し居心地が悪い。
でも、コンビニはいつも誰かしらお客様がいるから、時間つぶしに立ち寄るのも楽しい。しかも、コンビニは商品の入れ替わりが早いからか、いつ入っても飽きないという利点がある。
だから、待ち合わせまでに時間のある時やちょっとした気分転換に立ち寄るのにとってもよい。
そうして、無目的にコンビニに入り、いつものように商品を物色していて目に入ってきたものがある。
「パクチーレモネード」
…びっくりしたけれど、買おうとは思えなかった。
それだけでなく、ポテトチップスの期間限定の味は「パクチー」
おにぎりも「パクチー」…。
そのうち、勢いでパクチーアイスなんていうのも出てきそうな勢いでパクチー商品が増えている。まさに、パクチーフィーバーだ。
いつの間にこんなに「パクチー」が流行りだしたのだろう。
元々エスニック系のご飯が大好きなこともあって、「パクチー」を「パクチー」だという認識なく自然と食べていた位、パクチーが好きだった。
トッピングにあると大盛りにしてしまうし、個性的な味だけど、爽やかさがあって、香りが鼻を抜けるとそんなに残らないところもよい。
ちなみに、パクチーはあんなに個性的で尖った味をしているのに、実はとっても繊細な植物?で育てるのに手間がかかるらしい。そんな、実は「かまってちゃん」なところがいじらしくてかわいいと勝手に思っている。
だけど、こんなにもパクチーがそこここに現れると途端に天邪鬼な私が出てきてしまい、食傷気味になってしまう。
実際に、スーパーフードだったり、目新しい食材が流行る背景には、二国間交渉で輸入が促進されるようになったなんていう因果関係があってとても興味深いのだけれど、おしゃれと同じように食のトレンドの移り変わりが目まぐるしくて、着いていくのが段々億劫になってきてしまった。
「ナタデココ」だったり、「タピオカ」だったり、「塩キャラメル」だったり…どれもいつも美味しいと感じるのだけれど、それがトレンドとして扱われ周りにそうゆう商品がでてくると、途端に苦手になってしまう。
これはなんなのだろう。
もしかしたら、私はただの天邪鬼なのかもしれない。
だけど、自分の「好き・嫌い」というものさしが、違う要因によって左右されてしまい、踊らされているかもと感じるとどうやら警戒心を抱く性質らしい。
「好き・嫌い」が自分ではっきりといえる人間でありたいし、その核が揺るがないものであってほしい。そんな理想を自分に押し付けているのかもしれない。
という、ことは天邪鬼になっているということは私の一種の防衛本能であるわけで、ともすれば一番食のトレンドに右往左往させられているのは私なのかもしれないのである。