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閉鎖病棟で出会ったゲーム依存症の男の子
約1ヶ月の入院生活の中で色濃い思い出があるので、また閉鎖病棟の思い出話に戻ろうと思います。
この記事↓の続きのようなものです。
ある日、デイルームに行くと見慣れない男の子が目を真っ赤にして泣いていた。
新しく同年代の子が来たんだなと思って、既に仲良くなっていた中学生の女の子と一緒に話しかけてみた。
話を聞いてみると、その男の子は中学2年生で、ゲーム依存症で強制入院させられたらしい。
涙していた理由は強制入院からだったのか…
以降をKくんとする。
Kくんに興味津々だったぱみ。
彼と何か話したくて、とりあえずゲームの話を振ってみた。
「ぱみはスプラとかPUBGやってるよ」と言うと「オレは荒野行動」と少しぶっきらぼうにKくんは答えた。
Kくんはツンツンした性格で愛想がない感じだった。
周りからも「Kくんはツンデレだね」と陰で言われていた。
同じ中学生ということもあり、自然とKくんと過ごすことが多くなった。
一緒に勉強したり、ボードゲームで遊んだり、ごはんも毎食一緒に食べていた。
あいつは相変わらずツンツンしてるけど…
ぱみは恋に落ちてしまった…!
あの閉鎖的な空間で特定の異性と過ごすと、やっぱり好きになってしまうものなのか…
Kくんには申し訳ないけど、特別イケメンだとか性格がいいってわけじゃない。
でもぱみは心底から彼を想っていた。
お恥ずかしながらぱみは惚れっぽい性格で、男の子と少し話したり関わったりするだけですぐ恋に落ちてしまう(⸝⸝․ ․⸝⸝)
お話しする時は「兄弟はいるの?」「好きなSwitchのソフトは?」とか、ぱみから話を振ることが多かった。
ぱみは好きな人の前では割とお話しできると思う。
毎朝7時、男性病棟と女性病棟を隔てるシャッターが開く時…
Kくんが早くデイルームに来ないか待ち遠しかった。
Kくんの姿が見えると嬉しくて、朝から興奮していた。
そしてある日、ぱみはとんでもない決断をする。
「Kくんに告白する!」
ぱみは仲良くなった中学生の女の子(Mちゃん)にそう打ち明けた。
Mちゃんは「応援してる!」と言い、陰で見守っていてくれることに。
窓から夕日が差し込む暮れ方…ぱみは意を決してKくんの元へ。
「あのね…ぱみ、Kくんのこと好きなの。付き合ってくれる?」
気になる答えは…..
「保留」だった。
「えっ!?」(どういうこと…?)
でもすぐに「ごめんやっぱ無理だわ」と言われてしまった…
話を聞くと、「オレ同級生の女子からも告白された」と言っていた。
(そんなにモテるのかKくん…)
そこから先の記憶が抜けている。
でも相当ショックだったのは覚えている。
もし仮にKくんが告白を受け入れたとしても、入院患者さん同士で連絡を取り合うことは禁止されている。
そんな状況で付き合うなんて無謀すぎる。
Switchのフレンドになるのはいいかと看護師さんに聞いたことがあったけど、それもダメと言われてしまった。
閉鎖病棟で告白するなんて…なんて愚かな行動だったんだろうと今になって思う。
それにしてもぱみ、恋愛に関する事柄に限って行動力が異様に高いのはなんでだろう…
その行動力を別の場面で発揮できたらいいのに。
ぱみが閉鎖病棟に入院した理由は、生活リズムを整えるのと、お薬の調整のためだったと思う。
最初の1日目は、他の患者さんたちとの交流が思った以上に多くて、入院したことをものすごく後悔していた記憶がある。
でも同じ部屋にめっちゃ優しいお姉さんが入ってきて、Kくんも来て、それ以降は一転して入院生活が楽しくなった。
オヤジに体を触られそうになったり、Kくんに振られたり、なかなか忘れ難い出来事もあったけど、
退院する時は、仲良くなった人たちとのお別れが名残惜しかったな…
その後のぱみはというと…
退院して1ヶ月も経たないうちに処方されたお薬をODしてしまい救急搬送&胃洗浄…ぱみはまた入院することになってしまいます。
このお話はずっと記事にしようか迷っていました。
でもフォロワーさんがぱみの告白の記事を「読みたい!」と言ってくださったので、迷いが吹っ切れました。
執筆の背中を押してくれたようで、そのフォロワーさんには感謝しています( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
ぱみのように入院中に他の患者さんに恋心を抱いてしまうのは珍しいことではないと思う。
ぱみの他に入院中に告白して振られた人もう1人いたし!(←これガチです)
今年で6年経つけど、Kくんは今どうしているんだろう。
もうとっくにゲーム依存から抜け出しているかな。
Kくんはぱみのことを忘れたいと思っているはず。
でも入院中に告白されるなんて、忘れ難い思い出だよね。
後先を考えない無謀な行動だったし、ぱみもちょっとしつこかったかもしれない。
Kくんがこれを見ているとは思えないけど、なんだかごめんね…
今でもたまにKくんと過ごした日々を思い出して、感慨に浸ることがある。
あまりいい思い出とは言えないけど…
それでもKくんと過ごした日々は、ぱみにとって特別な思い出であることには変わりないよ。