スポーツ少年団の悪しき根性論は改善すべきだ。
少年野球、少年サッカー、ミニバスにバレーボールなど地域に根付くスポーツ少年団には令和の今でもコンプライアンスを無視した旧態依然とした悪しき習慣が蔓延っている。
まず、入団勧誘時に平気で詐欺的な行為が行われている事を全体で許容してしまっている事があげられる。
勧誘チラシには週3日ほどの練習日が記載されており「週1日からでもOK!」などと記載されているが、いざ入団するとその他の曜日に自主練習日と称した半ば強制参加の練習が当てられている。自主練習日に行かない場合、指導者や保護者その他のメンバーが白い目で見るのである。
小学生時分は大人の言うことに反論など出来るわけもなく、自主練習日に保護者から「行きなさい」と言われればいやいやでも行くしかない。自主練習日については子供から行く意思を示さない場合は親から無理強いしてはいけない。
次に、団全体に強くなるためなら不規則な生活リズムは仕方ないとする様な風潮がある事にも問題がある。
大人でさえ1日90分以上の運動は身体に悪いと言われて久しいこの時代に小学生に毎日2〜3時間の練習を強いるのである。下校後、5時から3時間の練習をしたら帰宅は8時、親も連れ出される為、帰宅後に夕食の準備をするのでは食事の開始は9時前後となってしまう。育ち盛りの子供が夕食を食べ始める時間として9時というのは今後の体の成長にも悪影響であろう。
体を使うにしても、頭を使うにしても、人間のパフォーマンスを最も左右するのは十分な睡眠、8〜9時間の睡眠が必須である。起床を6時と考えれば9時〜10時には就寝しなければならない。夕飯から睡眠まで2時間は空ける必要があるので本来であれば夕飯は7時には食べていなければならない。
指導者が悪しき根性論の中で育ってきた為、人間がなっていないのも問題である。指導に熱が入ると、決まった終了時間を平気て超過し汚い言葉で子供達を罵るのである。これは言わばブラック企業におけるサービス残業と同じである。どんな理由があろうと時間が来たのであればきっちりとやめる事が指導者の責務ではないのか。
しかも指導中ずっと命令口調なのである。オーバーワークこそが正義と言わんばかりに無理な走り込みをさせ、疲れてゆっくりになってしまっている子供に対して「走れ!」「何やってんだ!」などと罵倒するのである。
小学生に対してきつい命令口調はまるで恐怖政治である。やわらかい言葉遣いができない指導者にはペナルティを与えるなど協会からの指導を入れる仕組みを構築する事が急務である。
さらに問題なのは、親にスコアラーや審判、お茶出しなど雑用をすることを強要するのである。親にそのスポーツ経験があるならまだしも未経験の人間を引っ張り出してまでその家族の時間を奪う必然性が感じられない。スコアラーや審判など指導者が教えながらやれば良いのではないか?
親はどうしたって我が子を意識する。熱が入ってしまい、まるで自分が指導者であるかの様な指示や野次を飛ばす事がある。指導者以外の人間が口を出すのは御法度である。親は見学に徹するべきである。どうしても口を出してしまう様なら送迎のみで顔を出さないのが理想である。練習場所などは恐らく自宅付近であろうから本人が自転車で行くのでも良いと思う。
練習試合が毎週末に組まれていたりなど、明らかにオーバーワークも見受けられる。児童の本分は勉強である。週末にまで宿題や自主学習をやる時間もないほどに詰め込み、疲れて勉強ができない状況は是正すべきである。練習試合は月に1〜2回に留めなければならない。
また、大型車を所有している家庭の車がその練習試合の他人の子供の送迎に利用されるのである。配車係は「保険に入っている」とエクスキューズをするが、もし運転者が事故を起こして我が子が亡くなっても「保険に入っていたからお金がおりてよかったね」で済むのであろうか?リスクを考えていなすぎである。
遠方での試合であれば電車で行くか、各家庭で自分の子供を送迎すればよいのではなかろうか?もしくは駐車場が足りないなどどうしても乗り合いが必要であれば指導者がワゴン車で連れて行くべきである。
ワゴン車のレンタカー代は保護者で折半すれば良いであろう。
さらに、練習試合が準備等を含め早朝からスタートする事も耐え難い。朝早く起きて寝ぼけた状態では本来のパフォーマンスもでないであろう。プロスポーツが早朝に行われているところなど見た事がない。練習試合を午前中からスタートさせることは子供にも親にも良い事がない。こちらについても時間を考え直す必要がある。
私は上述の事を踏まえて、練習は週3回ほど、6時半頃に終わらせる事、指導者が丁寧な言葉遣いをする事、家族を巻き込まない事を日本スポーツ協会に進言したい。