G30までの一ファンの思い出
ゴスペラーズ30周年によせて、たくさんのファンの方が好きになったきっかけや思い出をいろいろなSNSで語ってたので、私も備忘録的な感じで、離れていた時の事も含めて書き留めておいた。
だらだらと続く一人語りです。
初めて彼らを認識したのは子供の頃、笑っていいとも増刊号で見たアカペラ替え歌コーナーだった。
面白かったので今でも覚えてる歌はある。
「ゴスペラーズ」というグループ名と、早稲田大学の人達というのもインパクトがあって覚えていた
それからしばらくは彼らのことを忘れていたのだが、4年ほど経ったある日、高校生になっていた私はテレビから聴こえる歌声に手を止めた。
ゴスペラーズの永遠にのCMだった。
ロングヒットし始めた頃で、テレビでもキューンソニーのCMが頻繁に流れ出したのだった。
「いいとも出てた人たちじゃん、変わったな…邦楽っぽくないけどめっちゃいい曲だ」と思ったのを覚えている。
毎週見ていたCDTVでも永遠にを20~30位の辺りでいつも見かけるようになっていた。
その年の年末、CDTVにゴスペラーズが出た。
真夏に発売されたのにその頃も20位くらいにランクインしていた永遠にを歌うのかと思いきや、そこで歌ったのは新曲の「告白」
これが邦楽では聴いたことないくらいソウルフルな曲だった。
元々QUEENやジャミロクワイ、Earth, Wind & Fire等の古い洋楽(ソウルやR&B系も)が何故か好きだった私にはこの歌がドンピシャだった。
当時はこれ本当に日本人が作った歌か?!と疑ったほど。
この日から私は底なし沼に落ちた。
今でも全ての邦楽の楽曲の中で一番好きな歌がゴスペラーズの告白。
それからはお小遣いを貯めてはアルバムを買って聴きまくった。
ここからの数年間、追える限りテレビとラジオや雑誌等は全て見ていた。大学生になってからはライブも行けた。
それまで少し音楽を聴くこととテレビで見るお笑いしか支えがなかった私の心に、大きな太い柱が出来たようだった。
実際ゴスペラーズはその後の受験勉強と進学後の一人暮らしを本当に支えてくれた。
(18歳の田舎娘が生まれ育った静岡の僻地を離れ、進学先の名古屋=都会で一人暮らしするのはとんでもなく大変だったのだ。)
でも、今は変化ではなく進化だったのだと理解できるが、2000年代後半に差し掛かると彼らの曲調に変化を感じ出した。
いろいろなジャンルの曲が増え、その代わり私の好きなソウル、R&Bの楽曲が減ってきたように思えた。
この頃大学を卒業して東京へ就職したり母が亡くなったりと個人的に非常にゴタゴタしており、辛くて疲れてお笑いや音楽等のエンタメすら受け入れ難くなっていた時期でもあった。
そのような事情が重なって、私はゴスペラーズから心が少し離れてしまった。
アルバムで言うと、Hurray!・ハモリズム・STEP FOR FIVE・The Gospellers Nowを発売した時期にあたる。
もちろん全て聴いてはいたし、好きな収録曲もある。
でも私はやっぱりSoul Serenade・FRENZYのようなゴリゴリのソウル・R&B系が多いアルバムの方が好みなのだ。
それでも東日本大震災を東京で経験し、知人も少ない土地で心細い日々を過ごしていた時に聴いたBRIDGEにはとても心を癒された。
東北で被災した方々に比べたら全然何も被害にあっていないけれど、頻発する余震や自粛ムードに計画停電と不安だらけの生活に流れ出した5人の歌声は、まさに一筋の光のようだった。
私の好きな曲調ではなかったけど、この歌は大好きになった。
余談だが、2000年代後半にはずっと好きだったコンビも解散し、お笑いも見なくなった。
ゴスペラーズも以前よりはゆるく追いかけるだけ、お笑いも見ず、仕事以外はたまに鉄道旅をするか酒を飲むだけの日々は、今思うと少し味気なかった。
そんな中、2017年に発表されたSoul Renaissanceに私は歓喜した。
このアルバムは原点回帰として、ソウルやR&Bを再び意識した作品だったのだ。
俺の好きな5人が戻ってきた!
またこの年にはメンバー酒井さんのラジオが名古屋で始まり、また昔のようにメディア出演を追いかけた。
「ちょっと昔と曲調変わっちゃったなぁ…」とモヤモヤしつつ聴いていた何年かの期間が嘘のように消失し、あっという間に私は再びゴスペラーズ熱が戻ったのである。
そこからはまた、どんな時も優先的に聴くのはゴスペラーズになった。
コロナ禍が始まり、不安と閉塞感に押しつぶされそうな日々が続いた頃も、5人は手洗いソングを発表したり毎週生配信をしてくれた。
当たり前だが、大人になった私は高校生の時とは比べ物にならないほど忙しい日々を送っている。
そのため昔ほど活動をたくさん追えてはいないのだが、それでも昔と同じくらい、また私は彼らの音楽に心を支えられている。
これまた余談だが、10年以上お笑いを見ていなかった私が、コロナ禍直前にとある漫才コンビのファンになった。
私はSNSはきっとうまく使いこなせないのと見て落ち込みたくないので絶対にしないと決めていたが、最近の若手のお笑いライブはチケットをご本人とXでやり取りして取り置きすることも多々ある。
私は好きなコンビのチケットを取るためにX(当時はTwitter)を始めた。
すると、当たり前なのだがゴスペラーズのメンバーもファンもたくさん呟いていた。
メンバーはもちろん、はるか昔のファンサイト掲示板やライブでしか交流できないと思っていたゴスペラーズのファンを身近に感じられて嬉しかった。
お笑いとゴスペラーズ両方好きな方々とも出会え、お笑いのために始めたSNSでこんな効果があるのかと驚いた。
これは今まで周りに誰もゴスマニアがいない状態でずっとファンを続けてきた私には新たな喜びであり、現在はある意味昔よりも充実したファン生活を送っていると思う。
長くなったがこのようにして、今も彼らの沼に浸かり続けている。
ファンになった頃はもちろん私は「新規」で、ネットで見かけるファンの方々はブレイク前からはもちろん、中にはデビュー当時から応援してる方もたくさんいた。
当時は古参のファンの人はすごいなーと尊敬していたが、気がつくと私も今やファン歴24年である。
友人に言われて気付いたのだが、どうやら私は古参になったようだ。
でも私は全然すごくないな。
ファン歴とかそんなの関係ねぇ、新規も古参もただ好きでいて聴き続けてりゃいいのだ、今はそう思っている。
改めて、ゴスペラーズ30周年、本当におめでとうございます。
これからも末永く歌い続けてください。
進化し続ける5人の侍を、私はこれからも愛し続けます。