Vol.43「なぜ今『まつげボーン』なのか〜戦略と結果の考察」
こちらは冴沢鐘己 公式メルマガを記事ごとにアップしたものです。
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もう皆さんはご存知だと思いますが、あきっすん「まつげボーン」が盛り上がってますね。
日曜日の夜に曽我未知子から「TikTokでこんなの発見した!」との情報があり、すぐにあきっすん本人たちも含めパームトーンのみんなに知らせ、そこから夜中までやんややんとメッセンジャーで対策会議。
いやあ、もりあがった。Twitterに詳しいタジが仕切り出したところで方針が決まって、夜が明けてからの騒ぎになったというわけです。
ここからどんな風に事態が進んでいくかは逐一様子を見ながらの判断となりますが、今回は「なぜ今、こんなことになったのか」の考察を。
そもそもあきっすんは今年結成10年目(2010年)で、「まつげボーン」はその最初期からのレパートリー。
僕が初めて彼らと遭遇したのは2013年の心斎橋ロージーで、もちろんそのインパクトは記憶にしっかりと刻み込まれ、翌2014年に音やママの推薦でfm GIG入り。
2015年、プロダクション「パームトーン・エージェンシー」設立時に第1期メンバーとなり、初CD「蒲生四丁目」リリース。
そして2016年についに代表作「まつげボーン」がリリースとなり、2019年初のフルアルバムリリース。で、今年2020年、ようやく広く脚光を浴びつつある、と。
これを長いと見るか短いとみるか。どんなことでも、過ぎてしまえばあっという間なんだけどね。
で、ここでポイントとなるのは、なぜ代表作「まつげボーン」で最初から勝負しなかったのか、ということ。
BBガールズや籾井優里奈の場合、どちらもパームトーン加入時にはほとんどレパートリーがなかったので、いろいろ試しながら世界観を作りつつのリリースとなるんだけど、あきっすんの場合はすでに自分たちのスタイルはできていてレパートリーもあるわけだから、普通は手応えのある自信作で勝負をかけるところ。
いや、でもほんとにそれが正しい?
いわゆるインディーズアーティストが「最初に自信作リリース」という戦略をとる一番の理由は、“2枚目を出せる確証がない”からなんですね。だって、CDを出すのって、とてもコストがかかるもの。
だからどうしても、低予算・手作り(つまり完成度が低い)CD-Rを売るか、なんとかお金をかき集め、全財産をはたいて“その1枚”に勝負をかけるか、になります。
でもねえ、僕はどっちも正しいやり方ではないと考えてるのね(詳細はいずれまた)。なので
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