今年も咲いた我が家のバラ
今年もちゃんと我が家のバラが咲いた。名前もすっかり忘れたがオールドローズという種類で20年前くらいに鉢植えで買ったもの。
ずいぶん昔イングリッシュガーデンが流行って、それと同時にオールドローズという種類のバラが雑誌に紹介されていた。いわゆるハイブリッドの華麗なバラとはちょっと趣の違う、どちらかというとぼてっとした、大きく開いても真ん中に渦を描くように花弁が重なって派手だけどどこか田舎くさいようなそんなバラだった。そんなバラに一目ぼれして、何本か苗を買って鉢植えのまま家の周りに置いた。その中で残ったのがこのピンクと黄色のバラだった。
ハイブリッドのバラはどちらかというと、まだ蕾で今にも開きそうな時が一番きれいだと思うけど、こちらは満開の時の方がきれいだと思う。こんな風に言うとさぞかし一生懸命に施肥や虫がつかないように世話をしていると思われるだろうが、ほぼ全くと言っていいほど世話らしいことはしていない。鉢の周りは今はドクダミが覆っているし、肥料などやったことはない。やっていることといえば、咲き切った後伸びた枝を潔くバッサリと切ってやることくらい。それでも、バラによくつくアブラムシも、全くと言っていいほどついたことがない。時々アオムシ君が葉っぱを食べていることがあるので、見つけたら排除するだけ。
今年も、4月の半ば頃から若い枝が出てきて茶色の葉っぱ(若い葉っぱは茶色)がふさふさと出てきて、ああ今年も咲きそうだなと思っていた。5月になり花の小さな蕾がついてきて、少しずつ大きくピンクに色づく。ところがある程度の大きさになってからなかなか開こうとしない。5月になってからも気温の寒暖の変化が激しかったからかもしれない。日差しが暖かくなってすこし開きそうになってきたので、一番花を思わず二枝切った。切ったとたんに後悔した。ああこれはきっと開かないな・・・と。案の定枯れることもないが固く閉じた蕾はそのまま。結局開くことはなく色あせて乾いていくだけ。
木の方はだんだんと開き始めてはいるけど、なんとなく躊躇している感じだったのが、おととい開き始めたと思ったら、昨日一斉に満開!まるで、みんなこれから咲くよ!と決意したように。
あまりに見事な大輪ばかりなので、何本か切って友人と習字の先生に差し上げようと持って行った。たまたま教室に来ていた方が、バラをたくさん育てておられて、私が施肥もしないし、虫も付いたことがないというと、とっても驚き自分はいったい何をしているんだろうと嘆いていた。肥しをやれと言われるのでやり、虫がつくと言って殺虫剤を撒いても、結局はなかなかうまくいかないと。私も本当に不思議に思う。だって何もしなくても年に3~4回は咲いてくれるんだもの。
こんな話をすると、やっぱり何でも世話を焼き過ぎるとよくないのよね。子育ても一緒よね、とかいう話になるんだけど、それはどうなのかなあと思う。当てはまる部分もあるかもしれないけど、そうとも言えないと思う。ただ、このバラはきっと自分の居場所としてここがきっと気に入ったのだと思う。そこで自分が生きていく方法を獲得したのかもしれない。彼女(バラのこと)が生きる証は花を咲かせることで、咲ける時には何度も咲こう。そう決心したんだなと。私がすることは、咲き切ったあと彼女が十分に身体を休めて次の開花のために準備できるように、枝を切って余計なエネルギーを使わなくていいようにしてあげるだけ。あとは、咲いた時にいっぱいほめてあげることくらい!だって実際に本当に素晴らしいのだから!こんなにゴージャスな花をたっぷりと家に飾り、友人にプレゼントできるのだから!
今年も咲いてくれてありがとう!