長いお休みの贈り物
当店も4/5から約一か月お休みをして、その間皆様と同様にお籠り生活。その時にしようと思っていた断捨離やら家の中の掃除やらはほぼ前半に集中してやったので、その後は正直何をしていたのか思い出せないくらい。でも、毎日しっかり3食、時々テイクアウトの毎日で、こんなに家でご飯をせっせと作ったことはないんじゃない?と思うくらいの日々だったね。
最近、そんな自粛や在宅ワークでお籠り中の暮らしについてのアンケートをされた方がいて、その報告を読んでみた。ニュースでは、孤独や不安を持った人や、DVなどが激しくなったとかという報道もあり、暗い毎日を過ごしていた人が多いだろうと思っていた。
もちろん、そういう人は多いのだけど、一方で少なくない人が穏やかな毎日を過ごせた、ゆっくりと質素だけど毎回ご飯を作って食べられて健康になった気がする、出かけなくてもいいと思うとのんびりできたとか、幸せな気分を感じた、という人もいた。
それぞれのコロナ以前の暮らしや仕事の状況があって、だからどうだと簡単に結論できないけど、私自身も似たような穏やかで平安な気分で過ごしていたような気がする。もちろん感染してはいけない、させてもいけないと外に出る時はそれなりの緊張もあったが、家に居る時は安全なので安心して過ごしていたし、夜もいつもよりはぐっすりと眠れたし、体調もすこぶる良かった。
昨日、イベント業が仕事の友人が所用で近くに来たついでに寄ってくれた。9月まで予定あったイベントがすべて中止。元々事務所もまちなかから、自宅のある少々山の中に移していたので、世間から離れて文字通り引きこもっていたと。その間別の事業の準備を黙々とやっていたが、小鳥のさえずりや柔らかな風の中、まさに誰ひとり訪ねても来ない場所で両親や奥さん(彼女も半分在宅ワーク)と過ごしていたそう。その時、今後の仕事の見通しもつかない状況に関わらず、なぜかとても幸せな気持ちになったという。
一部にしてもこんな風に感じる人がいて、自分も同様に感じたこの気持ちの記憶について、いろいろ解析もできると思うが、正直なぜだろう?と思う反面、不思議な納得感もある。一年で一番爽やかな季節の5月、なかなか幸せな時間だった、というのはしっかりと心と身体的な記憶としても刻んでおきたいと思う。
だって、アフターコロナでどうなるか分からないけど、この確かに感じた満ち足りて平安な気持ちは、平和な社会とか豊かな人生とかをイメージする時に「あの時」の感覚として思い出したい時間だと思うから。これはあの長いお休みでもらった贈り物かもしれない。
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