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私は自分を許していないし、許すために生きているのだ。

先日、原稿修羅場のためにnoteを更新するのを忘れていて、勢いで記事を書いて気づいたことがあります。
私は、過去の自分を許していません。
そして、許すために生きたり創作活動をしたりしているんだろうな、と思います。

その記事↓

noteを以前からお読みの方はご存知かと思いますが、私は24年間「境界性パーソナリティ障害」という精神障害でした。

心理学を勉強したり自分と向き合ったりしたお陰で克服し、現在は「今の自分、いいじゃん!」という状態で生きているのですが、過去の自分がまだまだ許せていないのです。

というのも、私は自分の精神障害を「さまざまな恐怖と向き合うことから逃げるために、自ら選んでなっていた」と考えています。
その考えのお陰で治ったけど、その考えのお陰で過去の自分が許せないのも確かです。

本当はずっと漫画が描きたかったのに、言い訳して逃げていた自分。
本当は奇抜なオシャレがしたかったのに、「目立ちたくない」「空気になりたい」とか言ってやらなかった自分。
自分の才能を信じられず、「私なんかゴミクズだ」「どーせ無理」と言って何にも挑戦しなかった自分。

今、漫画描くのも奇抜なオシャレするのも自分の才能を信じて挑戦するのも全部やっているけど、たびたび「遅っっっせえええええええんだよ!!!」と思います。

「いつから始めたって遅くない」と信じているし、実際そうだし、そういう評価もいただいているんだけど、ときどき無性に腹が立つのです。
過去の自分に。

30代になってから漫画を描くことを復活させ、ここ2年くらいは特に一所懸命漫画を描いていて、明らかにどんどん上達しているんですよね。
それを感じるたびに「これ、もっと早くからやってればよかったんじゃない……? もっと早い段階で上手くなれたんじゃない……?」と思ってしまいます。

いや確かに小学校の頃から高校生くらいまで雑誌に漫画投稿していたけど、私はそこで一旦漫画を描くのをやめたのです。

20代から30代中盤まで何をしていたかというと、恋愛に逃げたり酒に溺れたりしていました(もちろん精神病でもありました)。

「何やってんだ!!」と思うのです。
恋愛に逃げたり酒に溺れたりした経験が、確実に作品に活かされているのは分かっているけど、それでも「何やってんだ!! あのまま描き続けていたら、今どうなっていたか……!」と思ってしまうのです。

あと他にも「こんなシワとかシミとかできる前に、肌が綺麗なうちに、もっとオシャレできただろ!」とかも思います。

現在、金髪で髪が緑の私ですが、「流石に今の歳でもうこれは無理や」と思うメイクやファッションがいくつかあります。悔しい!
いや10代も20代もコスプレみたいな服は着てたけど! 30代でも全然着てるけど! 悔しい! もっと着たかった!!

ああ、しかし、こんなことを思えるくらい、自分は本当に良くなったのだな、とも思います。

昔は本当に人生に絶望していて、何やっても無駄だと思っていたし、遅くとも25歳には死のうと思っていました。
私には誰でもできることしかできないし、唯一無二の才能なんかないし、誰も本当に私を好きになったり評価したりなんてしないと思っていました。

あの頃から私には色々な能力があったのに。
なぜそれが断言できるかというと、今の私がいろんな能力を発揮しているからです。

私は病気が治って「あらゆる能力を身につけた」のではなく、もうずっと最初から今発揮している能力の素質は全て持っていました。

文章力も、努力も根性も継続力も、絵や漫画を描くことへの愛も、誰かの心を刺す言葉を書く能力も、謎に色んなことを相談される能力も、何もかも。
私自身がそれを信じていないだけでした。

だから腹が立つのです。
過去の自分に、「オマエその頃から持ってたんだろ!! なんで使わなかった!! なんで自分を信じなかった!!」と思うのです。

私の今後の人生は、過去の私との和解がカギです。

いやぁね、昔よりはずいぶん許せるようになったんですよ。
「あの頃の寄り道も大事だった」と思うし、「あの頃はあの頃で必死に生きていたよな、頑張ってたよな」とも思うし。

心理ワークを使って、過去の私を受け入れて癒すこともかなりやってきました。しかし最近気付いたんですが、どうやら私は「子供時代の私」は許せているけど、「20歳以降の私」をまだまだ許せていないんですね。

考えてみればなぜだろう……「成人しているから」なんでしょうか。
そういえば昔から、大人に対してめちゃくちゃ厳しかったですね、私は。

今の「大人を謳歌している自分」は好きだけど、大人のくせにウジウジしていて情けないあの頃の自分が好きじゃないのです。まだまだ、全然。

好きになってあげたいなあ。
頑張っていたじゃないの。あの頃の私も。

私は漫画家カウンセラーとして日々いろいろな年代の方のご相談を聞いていますが、「あの頃の私を許したい」と思えるようになったのも、カウンセラーになったお陰のような気がします。
というか、「実は許していない」ことに気づけたのも。

カウンセリングってカウンセラーが一方的に相談者さんを救い上げるんじゃなくて、お互いに癒されながら終わっていくものなんですよね。
(もちろん、自分が癒されるためにしている訳ではないのですが)

今、漫画をたくさん描いているからこそ過去の自分にムカつくこともありますが、たくさん描いているお陰で少しずつ許せているような気もします。

まだまだ過去の自分に対して「オイお前ー!!」と江頭2:50のテンションで指差したくなりますが、きっと、大丈夫なのでしょう。

私は過去の私を今以上に許すために、これからも生きます。
漫画家カウンセラーとして。

ごきげんよう、さようなら。

※記事に載せた写真は10年くらい前に自撮りしたものです。

◎境界性パーソナリティ障害についての記事はこちら

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伊藤巴(ともえ)@漫画家×カウンセラー
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