商業の仕事が取れれば、自分に自信が持てると思っている人へ
私は11年イラストレーターをやってきて、現在は漫画家カウンセラーと名乗っている者です。
クリエイターさんからご相談いただくこともあり、こういう声を聞くことがしばしばあります。
「商業(企業から)の仕事が取りたい。
そうすれば、認められた気がして、自分に自信が持てる気がするから」
結論から言うと、商業の仕事をとっても自分に自信は持てません。
SNSで1万いいねついても、1万人にフォローされても、出版社から書籍を出しても、有名人になっても、自信はつきません。
なぜなら、自分で自分を認めていないからです。
自分で自分を認められない代わりに、他人から認めてもらって自信をつけようとする人は、いつまでも自信が持てません。
自信の持てない人は、たとえ商業の仕事を取ったとしても、きっとこんなふうに考えるでしょう。
仕事をもらえるのはありがたいけど、こんな小さな会社の仕事じゃダメだ。
もっと有名で大きな企業の仕事を取れるようにならなければ。
この商品が売れないのは、担当した私が有名なイラストレーターじゃないからだ。
私がもっと有名だったらよかったのに。
私が安いから、この企業さんは仕事を頼んでくれるんだ。
安ければ私じゃなくてもいいんだ。
私がうまく扱いやすい人間だから、仕事を振ってくれるだけだ。
私はこの会社に利用されているんじゃないだろうか？
実際に私も11年前に商業の案件をいただいた時、最初はものすごく嬉しかったのですが、だんだんと自信がなくなっていきました。
企業は、自信のないあなたを飛び上がらせるための踏み台ではありません。
そんなことを考えている人は、企業から仕事はもらえないし、仮にもらえたとしても、自分の力のなさを感じてどんどん心を病んでいくでしょう。
私は最近、企業案件をいただく時は、こう考えるようになりました。
どのようにすれば、この企業さんの利益になるだろう。
これは個人案件の時もほぼ同じです。
どのようにすれば、この人は喜んでくれるだろう。
この人が望んでいるものは、一体なんだろう。
私の能力をどのように使えば、それが叶えられるだろうか。
これは、ただ身を削って相手に尽くすということではありません。
自分の軸をしっかり持った上で、相手の希望を叶えるということです。
私がこれをできるようになったのは、自分で自分を認め、他者からの賞賛や褒め言葉を受け取れるようになったからです。
自分に自信のない人は、他者からの賞賛や褒め言葉を受け取らずに突き返します。
かつての私もそうでした。
「絵がうまい」と言われても、私よりももっとすごくて上手な人いるし……。
「企業から依頼があるなんて凄い」と言われても、でも安い金額だし……私が安いから頼まれてるだけだし……。
「あなたには才能があるよ」と言われても、でも全然有名になれないし……たまたま偶然、運がよかっただけだし……。
そして、否定的な言葉のほうを喜んで受け取っていました。
「そのぐらいの絵なら誰でも描ける」
「ちょっと高すぎるんじゃないの？」
当然その時の自分は喜んで受け取っているつもりはなかったのですが、肯定的な言葉をすぐ忘れて、否定的な言葉ばかりを覚えているということは、喜んで受け取っているのと同じです。
自分に自信がなく、自分なんかに能力は無いと思っているので、否定的な言葉を投げかけられると「はいその通りです！ 私全然だめなんです」と喜んで取りに行ってしまうんですよね。
そういう心持ちで商業の仕事をしても、長く続かないか、やはり心を病みながら仕事をし続けることになるでしょう。
あなたは本当は、あなたにしかできない創作ができるはずだし、能力はもう充分に持っているはずなんです。
今まで自分がしてきた努力を、自分がもともと持っている魅力や能力を、どうか認めてあげてください。
あなたに無視されて悲しんでいるその才能に、目を向けてあげてください。
そうすれば商業の仕事は、向こうから勝手にやってきますし、仮に商業の仕事をやらなくても、幸せに創作活動できるようになります。
それでは本日はこの辺で。
ごきげんよう、さようなら。
※今日も昨日に引き続き、音声入力で記事を書きました！
昨日は1時間かけてやっと1500字だったけど、今日は少し慣れて30分で1600字書けましたー！
昨日の記事
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