"背徳的感情パラダイム"の話
こんにちは、PaleRoidです。
今までにないくらい多くの方に私の曲を視聴いただいているので、少しでも曲について知っていただけたらと思い筆を執りました。
よければ最後までお付き合いください。
背徳的感情パラダイムは、ニコニコ動画で開催されているボカコレというものに合わせた参加作品でした。
ボカコレというのは、特定の期間内に投稿されたオリジナル曲やRIMIX、歌ってみたなどの動画をランキング付けしたり、お気に入りのプレイリストを公開したり、公式放送なんかもあるお祭りのことです。
多分もうすぐ祭日になります。楽しい祭りなので、きっと。
「『The VOCALOID Collection(ボカコレ)』はボカロ文化をきっかけに生まれたインターネット等で活動するクリエイターやユーザー、企業などボカロに関わる全ての方が参加できる祭典です。」(ボカコレ公式より引用)
そんな背徳的感情パラダイムですが、韻踏み強迫観念によって製作にかなりの時間と神経を持っていかれました。
いつもいつも、ラップじゃないんだからもういいだろう、妥協して次を書き進めたらどうだと思っているのですが、せめて語尾だけでも同じ母音で揃えたくて色々調べているうちに時間だけが過ぎて行ってしまいます。
今回のテーマはインモラル。
自分でそのような半道義的というか、不品行さのようなことを歌うのは少し憚られるような気がしますが、その道徳から逃れることが容易なのもVOCALOIDに歌ってもらうことの有効な点だと思います。
そういうボカロに対する考え方なんかも思えば10年近い付き合いなのでいろいろ言いたいことがあるし、初音ミクという存在についても(そのキャラクター性)思うところがたくさんあるので、そのうち書いたりしたいと思っています。
話を戻すと、初音ミクに歌ってもらうわけなのでちょっといけないこと書きたいなぁなんて思って書き始めました。
でもあまりに直接的なことを書いて汚くなるのは嫌だし、生々しいのは好かない(というか抽象的なのが好きなのかも)ので、最終的に出来上がったものは言うほどインモラルか?とも思います。
ただ言いたいことと引っ張ってきた題材、書きたいことと韻に折り合いをつけられたのでこれで良しとしました(インモラルさで言ったらリンネホリックの方が該当するかもしれない)。
自分は基本的に歌詞の内容を婉曲的、つまり直接感情や考えを描くことを避け、押韻や掛詞による聴き心地の良さを重視する傾向にあります。
なので、歌詞全体でどのような意味を成すかは聴いてくれている方々に委ね、最後に少しだけ部分的な意味や基にした題材の話をしていきます。
GRAILとはHoly Grail、聖杯のことであり、今回では至高の目標や欲望の象徴として選びました。
聖杯はよくアニメやゲームで取り扱われるあらゆる願いを叶える願望機として有名かなと思い、ただ純粋に自身の愉楽を追求し続けるさまを聖杯探索になぞらえてみました。
またGRAILはNASAの月探査機の名称でもあります。
留まることの無い欲望は誰の声も聞こえない(自分の内にしかない)宇宙の果てまで行くほどの勢いでこの街を出て行くという意味でもこの単語を選びました。
アルゴノーツはオデュッセイアに登場する勇士たちのことです。彼らの金羊毛皮を目指す冒険にちなんで選びました。
またアルゴノーツは1849年のアメリカ、カリフォルニアにやってきた金採掘者たちを意味する言葉でもあるため(forty-niners)、そこから値千金という言葉も引っ張ってきました。
作詞過程は語彙の山から金言を発掘する作業なのかもしれません。おそらく。
他の箇所も、言葉を選ぶ際は毎回複数のパターンを考え、気持ちよく踏める形を模索したり関連する題材を持ってきてできるだけ深読みをしてもらえるような詞にしたいなと試行錯誤しています。
他の曲のそのような話も今後書き置いていけたらと思っています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。私が表現したかった事に少しでも触れていただけたのなら幸いです。
この文章も詞も稚拙ではありますが、視聴者の方がこの作品について理解しようとして頂いたことに最大の感謝を申し上げます。
今後は定期的に新曲やらイラストやらを投稿していくと思いますので(学校が忙しくなければ)、またたくさん聴いていただけると嬉しいです。
またお会いしましょう。