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「自律型人材」を育てるにはどうすればよいのか?

人材育成の仕事をしていると、クライアント先の人事部から「自律型人材を育てたい」「社員に自律的になってほしい」という相談をよく受けます。

20年近く前(まだ私が駆け出しの若手だったころ)は、人事部にキャリア研修の提案をしにいくとよく煙たがられたものです。

「社員は会社の指示に従えばよい」
「自律的になったら優秀な社員ほど辞めてしまう」

など、今では笑い話のような本音が透けてみえました。

その後日本は東日本大震災を経験し、大切な家族や友人、故郷を突然失うという経験をしました。SNSによる情報の民主化や働き方改革の浸透、VUCAの時代などもキャリア論に影響しています。

そして昨今、人的資本経営やジョブ型雇用などのキーワードとともに「自律」が注目されてきたのです。

それでは、「自律型人材」を育てるにはどうすればよいのでしょうか。

キャリア申告制度を導入して希望職種に就けるようにしたり、KPIを設置して目標を立てさせたりする例があります。キャリア研修の実施もきっかけとしては良いでしょう。

しかし、これらの施策もそもそも本人にその気がなければ効果はほぼありません。キャリアを考えろと指示されて考えるのは自律ではありません(笑)

自律を促すためにもっとも効果的なのは「その人に関心をもつこと」です。

関心をもつことでまずは心理的安全性を確保し、キャリアについて考える環境を整えます。具体的には1on1で対話するなどがあります。
(と言ってもそもそも1on1の意味を間違えている例も多数あるのですが…)

この対話が抜けている職場がなんとも多いのです。これでは社員の自律は育めません。

「人への関心」の効果を侮ってはいけません。大々的な施策導入を検討する前に、まずはできるところから始めてみてはいかがでしょうか。

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