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立ち止まって, 色を纏う


おはようございます。
 atom.です。


以前に、こんな記事を書きましたが、

実際に授業で行っていた、
自分の色を探す方法を
具体的に記述していきます。


ちゃんと取り組むと
1時間ほどかかるのですが、

あまりに多くの選択肢があって、
考える暇もない忙しい日々の中で


ちょっと立ち止まって
本当にやりたいことについて考える。

80年以上 生きる人生のうちの
ほんの少しの間だけでも、自分について考える。


そんな時間があっても良いと思い、
今回の内容を決めました。

走り続けることに疲れた貴方に
新しい選択肢を1つ提供できていれば幸いです。


BGM紹介

ロザリーナ 『何になりたくて、』


はじめに


大学生になって3年間ほど、
塾講師をしていました。


高校生3年生を担当していた時に
よく聞いた悩みは

受験する大学について考えるが、
自分の人生で何をしたいか分からない。

だから大学も選べない。
なんとなく偏差値が近くて家から通えるところ。

自分の人生なのに迷子になっていて、

自分から何か起こすことも難しいけれど、
何もしないと決めることも怖い。

そんな現状将来への不安でした。



自分の内側に問いかける暇もなく
忙しく動き回る日々の中で、

人生のチェックポイントは 
ある日、突然やってきて選択を迫ってきます。



しかし道に迷ったとき、現実はなかなか厳しく


夢や自分について語れる友人かと言うと
そこまでの仲ではなかったり、

真剣に話すのは恥ずかしかったり。



親や先生に「自分の探し方」を聴こうにも、

足を止めて考えることは "時間の無駄" で

とにかく "Why" も "How" も気にせず、動け。


そう言われてしまったり。




とにかく自力で考えるしかない。
忙しく過ごす日々の中で一度立ち止まろう。



そう思っても、何も見つからずに
時間の無駄になるのが怖くて、

周りは動き続けるのに
自分だけ置いて行かれるのが怖くて、



疑問と不安だらけの心を抱えながら
表面を取り繕って、

やっぱりまた歩き始める。

闇雲に受験勉強をする。就活をする。働く。



なぜやるのか。どうやってやるのか。


そんなことはどうでも良くて、

みんなやっているから。
みんな苦しいはずだから。

だから闇雲にやる。

失敗しても傷ついても止まれない。



でも、"普通" のレールから外れないように
何とか耐えて過ごす日常の中で、


友人の楽しそうな話を聴いて、顔では
笑いながら自分と比較して落ち込むのは、


何でも ある程度 出来る一方で
誇れるものを答えられない自分に失望するのは、


あれもこれも欲しがって、手に入っても
入らなくても満たされない日常を過ごすのは、


もうウンザリだ
これからは自分らしく胸を張って生きたい


今回はそんな、 “立ち止まる” ことを
決めた貴方への “自分の色の探し方” のお話です。


やりかた


以下に示す手法は言語学に基礎を置く、
ACTという精神疾患のケアを軸にしています。


実践の中で自分なりに加工した部分が
いくつかあるため、

もともとの形に興味があれば、
書籍を参照してみて下さい。



前置きはこのくらいにして、

①自分の人生を導いてくれる価値観の形成

②具体的な行動目標を立てること


上記の2つを目的を達成する手法として、
以下の①~⑥のアプローチを提案します。

ちなみに一度ザッと読んで、軽く考えた後に
ゆっくり初めから取り組むのがおすすめです。


①人生を切り分けよう


まずは人生から4つの領域を抽出します。

a. タスクに取り組んでいる=「仕事」
b. 自由な時間である=「余暇」

c. 他者と一緒にいる=「人間関係」
d. 一人で過ごしている=「心身の状態」


その後、aかbのどちらを重視した人生にしたいか
優先順位をつけておきます。

cとdも同様にどちらが大事か、
選べるならば決めておきます。


どちらも同程度に重要であるというのも
1つの考え方であり、それはそのままでOKです。


②"好き" を列挙しよう


それぞれの領域で自分が

「好きだな, こうだったら良いな」

と思えることを、沢山挙げます。


ーーーーーーーーーーーー


このときに大切なのは、映像がハッキリ
浮かぶくらい具体的に書くことです。


例えば仕事の領域で、

見た人に伝わりやすい、デザインに
工夫を凝らしたプレゼン資料を作るのが好き

である貴方が「営業」とだけ書いたとき、
他の誰かはその単語だけを見て


貴方が楽しそうにパワポをいじっている姿を
ハッキリと想像できるでしょうか。


自分が思い描いた姿を他者の頭に転送し、
映像にするためには
具体的な動作にして記述する必要があります。


映像が描けるほど具体性を上げてこそ、
後々の作業の精度が上がるので、ここは丁寧に。


仕事ならば、何を重視したいのか。
お金なのか, やりがいなのか, 名声なのか。

その基準は何が出来るくらい?
何を満たした状態?

どんな仕事に達成感を覚える?

あるいは働きたくない?

どんな人間関係が自分は好きなのか。
安心のある、受け入れてくれる人なのか。

それとも厳しく叱責してくれる人?
冷たいけれど尊敬できる人?

余暇はどのように過ごすのが理想だろうか。

家でじっとゲームをしているとき?
ひたすらに寝て体力を蓄える?

外に出て新たな出会いを探す?
あるいは余暇など必要なく、働きたい?

どんな心と体を持った人間になりたいのか。

他者に対する思いやりの心なのか。

例えば "優しい" とか, "思いやり" とは
具体的にどんな行動を指しているだろうか?

決して折れない強い心と体を持ちたい?
それとも、傷ついても回復できる心身?

それってもっと具体的には?


全体を通して60分~90分のイメージなので、

ここまで40~60分くらい、
しっかり時間をかけて自分に問いかけましょう。


ノルマは設定せず、思いつく限り書きます。


③"好き" のキーワードを探そう


具体的に自分の理想を列挙出来たら、
それらに共通するキーワードを探します。


例えば仕事のところで

後輩に指導をして、成長を見る事

・規模が小さくても、面白いと思ったことを
 共感できるメンバーでやりきること

・自分の能力以上の結果を出すこと

となっていれば、キーワードは
「周りを巻き込む」かもしれませんし、

もしかしたら「人を上手く使う」
なるかもしれません。


キーワードが長すぎると後で困るので
1~2単語か、「AをBする」くらいに留めます。


これを4つの領域すべてで行い、
4~6つくらいのキーワードを抽出します。


このキーワードは具体的な行動をまとめた、
ある程度 抽象的な言葉になっているはずです。


④"色" と "ゴール" を創ろう


目の前にあるキーワードのうち、
①で決めた優先順位が高い領域に注目し、


その2領域のキーワードを中心に、

AをBするCになる

くらいの長さで、人生のテーマを作成します。


ーーーーーーーーーーーー


ちなみに私がここで作成したのが、
しばしば記事に登場する

ジグソーパズルのピースであり続け、
周囲もピースに変えていく

という人生のテーマです。


自分は得意・不得意があって、
元々いびつな形をしたパズルのピースである。

それを自覚したうえで他者と支え合い、
補い合える人間関係を創る。


それが人生を通した私の目標で、

この決めた目標価値基準を、
ACTの流儀では "価値" と呼びますが
私は “色” と呼ぶのが好きです。


明確なゴールラインが無く
常に達成し続けられるものが理想的です。


人に説明してもピンと来ないような
キーワードだとしても、

納得感があれば
それで何も問題ありません。


自分の人生を生きるための、
自分だけの "色" で良いです。



先ほど決めた "色" は非常に曖昧で、
ぼんやりしているはずなのですが、

抽象的であるがゆえに、
実現する手段を複数設計できるのが強みです。



"人に何かを伝えたい" なら

立派な文章を書くことも, 素敵な曲を創ることも, 
きれいな風景を撮ることも, 

特別なことをしなくても,
周りにいる人に感謝を伝えるだけでも

すべてが "色" への道筋になるはずです。


ということで、次は

色をどのルートで創り出すか、
何が達成出来ていれば色を創れたと言えるか、

そんなゴールを設定しましょう。


⑤行動目標を創ろう


抽象的な "色" を内側に宿し、
どうやって実現するかまで決めた!


ここまで進めたら、
"色" を具体的な行動目標に落とし込みます。


大きく分けて1年後1か月後1週間後1日後
4つの時間間隔で目標を設定します。



このとき遠くの姿から逆算することを
いつもオススメしていて、

人生を通した "価値" がこれだから

そのために1年後は〇〇が出来るようになる。


そうなると1か月後には、
〇〇
が出来ている必要があって、

じゃあ1週間後までに〇〇しておく、
あるいは毎週〇〇をやる
習慣をつけておこう。

この習慣を身につけるために、
毎日〇〇するようにしよう!

と逆算して日々の行動目標を設定します。


例えば "面白い日常を生きる" という色を
持ったとしたら、

毎日出会った人やモノの面白いところを
3つ見つける・本人に伝えるなど

小さな行動目標に落とし込めると思います。


ーーーーーーーーー


目標の設定に関して無理をしたり、
他者と競う必要は全くないです。

自分の価値の達成のために、
本当に必要なステップを設計しましょう。



ちなみに "行動" とは、ザックリ説明すると

①達成したか否かが判断できる。
②ミイラには出来ないことである。

の2条件をクリアしているものを指します。


「お酒を飲まない」ことは
ミイラでも出来るので、これは行動ではない。

「〇〇する」のような形が
 "行動目標" というわけです。


⑥行動を積み重ねよう


ここまで来たら、
あとは行動目標をクリアするだけです。



日々の生活で、"色" を意識しながら
そのために行動を積み重ねます。

"色" がきちんと腑に落ちていれば
ドンドンとその彩りが増すはずで、


ちょっと違和感がある場合は
行動するうちに、くすんでくるはずです。

ズレを感じたら、無理やり進んだりせずに
何度でも立ち止まってやり直しましょう。


おわりに


何度も言いますが、今回提案した手法は

すぐに前を向ける!・明るく生きられる!

といった類の魔法ではありません。


地に足を付けて、時間をかけて、
自分と向き合って、これからを設計する。

AかBかの選択肢が迫れば、
自分の "色" はこうだからAだと選べる。

そんな些細な変化の
お手伝いをしたに過ぎません。



元々は教え子の受験生に向けた
授業の一環だったのですが、

人生の岐路で日常に疑問を覚え、
将来に悩む就活生, 社会人の方や、

自分の価値観を再度問い直したい
大人の皆さんにも届けば良いなと思います。


もし周りに悩んでいる方がいれば、
丁寧に質問しながら、一緒に色を纏う
サポートをしてみてあげて下さい。


もし実践された方がいれば、

こんなことがあって困った。
良い方法は無いか。

ここを、こうしたらやり易かった!

などなどコメントを頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。


まだまだ発展途上な "立ち止まり方" の教科書を
一緒に書き足してくれませんか。


立ち止まる貴方に
1つの選択肢を
atom.



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