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悲しみの甘露茶

38mmの太めコテを最近購入した。
メーカーはクレイツでゆるく巻けるのが気に入っている。
元々32mmのサロニアの2wayアイロンも持っていたが、髪が伸びるにつれゆるく巻きたい願望が募った結果購入に至った。

ゆるく巻いた毛束をほぐしているときにふと思い出したのだが、彩雲国物語の朔洵というキャラクターをご存じだろうか。

端的に言うとエゴイストな美青年で、主人公の秀麗に歪んだ(?)愛を向けるcv.子安武人の沼要素しかないキャラクターである。
その朔洵のヘアスタイルが女性的な印象を与えるような、腰まで長さのあるゆる巻きロングなのだ。(秀麗にぽんこつヘアアレンジされるアニメ版のシーンは要チェック)

狡猾で冷徹、気分屋でつかみどころのない性格の朔洵は人によっては好き嫌いが分かれるだろう。ヘラヘラした見た目に反し、「人の心はあるのかこいつは…」と思わずにいられないような所業もしてきた。
他人の人生をまるでゲームをしているかのように弄び、欲しい物のためなら手段を選ばず、飽きればパタリと次のターゲットへ興味を移す。
そんな性格である。

しかし視聴者の中には私のように沼る者も少なくないようで、じっくり見ていくとあの飄々としたドライな笑みも手のかかる子供みたいな我儘も、全て内面の寂しさや弱さをカモフラージュするための強がりなんじゃないかと思えてしまう。秀麗への(わかりづらすぎる)アプローチだな、と。

その象徴ともいえるのが、ストーリー内に何度か出てくる「甘露茶を淹れてくれないか」と朔洵が秀麗に頼むシーンで、なんてことないやり取りに見えるのだが朔洵編においては大きな意味をもつ駆け引きなのだ。

結論から言うと朔洵は秀麗に甘露茶を淹れてもらうことはなかった。
そしてそれが後に彼を破滅へと導く。

38mmコテの話から想像できないほどの脱線っぷりを呈したが、朔洵に少しでも興味を持った方はぜひ彩雲国物語を見ていただきたい。

ちなみに視聴当時、朔洵編の切なさのあまりストーリーを受け入れることができず、その悲しみを「ちいかわタッチで朔洵を描く」ことによって昇華させるという奇行をするに至った。気になる方はトプ画を見られたし。


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