【園長ブログ】英検の結果が出ました。2022年度第2回

本日、10月24日、今年度第二回の英検の結果が出ました。受かった子、今回は残念だった子、それぞれあると思います。受かった子もそうでなかった子も、よく頑張りました。

(11月25日 二次試験結果発表後追記)今年度2回目の英検では、

  • 年長さん準2級合格者が1名!

  • 同じく年長さんで、3級合格者が5名、4級合格者が1名ありました!

  • 年中さんは2名が5級に合格!

パルクルでは、3歳児(年小)さんが英検Jr.のテストに、4歳児(年中)さん、5歳児さん(年長)は英検の5級から始め、年3回の公式のテストの時期を活用しながら順番に挑戦していき、卒園するころには3級に到達するくらいを標準のカリキュラムとして組んでいます。詳しくは下のリンク先をご覧ください。


中学生や高校生なら英検が入試の点数に影響があったりしますが、パルクルにとっては、英検はあくまでも、

① 英語力の成長の度合いをはかる「ひとつの」指標であり、

また、

② 緊張を伴う「本番」を経験したり、成功体験や失敗体験を積み、それを非認知能力の向上に活かすための機会です。

それ以上でもそれ以下でもありません。


あくまでも「ひとつの」指標と書いたのは、英検も決して万能ではなく、いかなるテストでもその子の能力や成長の全てが測れるわけではないからです。

幼児期の言語能力の発達は、スピードも順序もそれぞればらばらです。話したり聞いたりすることが先にすごく上手になる子もいれば、口数は少ないけれど読むことに関してのみこみがすごく速いというような子もいます。

文法をシステマチックに理解するのが得意な子もいれば、1回聴いた言葉をすぐに覚えてしまう記憶力を発揮している子もいます。かと思えば、口では言えてもスペリングを覚えるのが苦手だったり。

時期と共に満遍なく着実に成長する子もいれば、時期時期によって大きく成長したり少し停滞してしまったりと浮き沈みが大きくある子もいます。


英検は、リーディングの部分で言うと、単語を知っている(但し、スペルが正しく書けなくてもあまり関係ない)、英語を読むことができる、(但し、読み「上げる」必要はなく、目で黙読し字と字の組みあわせを認識し、解読することができる、ということ。正しい発音を知っているかどうかは測れない。)というようなことが問われるテストです。

5級や4級であると特にリスニングテストで大きく点数を稼ぎ合格不合格を大きく作用することもできます。

パルクルの子達のように日常的に英語のシャワーを多く浴びている子はリスニングは非常に点数をとりやすいセクションです。ですので、リスニング力に頼り合格をするケースも実際はあります。


いくらリスニングが総じて得意といっても、テスト形式となると一筋縄ではいかないケースもあります。

まだ幼児期の子達ですから、自分のペースで進めることができるリーディングのセクションではなく、各問題で考える時間が決まっておりそれを過ぎると強制的に次の問題に進まなくてはいけない形式のリスニングテストでは、少し何か歯車が狂ってしまうとリカバリーするのが難しいという側面もあります。本当はもっと聴けて理解できる力を持っているのに、リスニングで以外と点が取れなかったりする子もいます。

歯車が狂う例を一つあげれば、まだ手先の器用さも発達段階の子供達、小さいマークシートで間違って塗ってしまった丸を綺麗に消すことも難しい。各問題、数秒しか与えられていない中で、一つ間違って塗ってしまって、消そうと思ったら複数問まとめて消えてしまって、もうパニック!なんていうことも実際に起こり得ます。よし、この1問は捨てて、次の問題からまた新たに心を落ち着けて放送を聴こう、そんなリカバリーはなかなか至難の業です。


テストを賢く受けるスキル、例えば、時間配分をするであったり、一見難しい問題に時間をあまりかけず一旦飛ばして後で時間の余裕ができたらその問題に戻ってくるであったり、残り時間ギリギリになった段階で回答できていない問題をとりあえず全問埋めてしまうであったり、そういった部分も、理解と実践はなかなか難しいことも多いです。

早い段階から理解して、要領を得て、実践ができるような子もいます。ただ、そうでない子ももちろんいます。一人の子ができるからといって、他の子もできて当然、と考えるのはいささか早計です。一つ一つをきっちりと仕上げたいというような性格を発揮する子は、「時間がない時はとりあえずどれかの〇をマークしなさい」というようなことはすんなりと理解できません。

ライティングの問題でも、多少自分の本当の意見ではなくてもより高得点を狙いやすいような回答をする、自分の知っている単語で作文をまとめあげやすいようにする、というような「合格のコツ」は良くも悪くも持ち合わせていない子がほとんどです。むしろそのような「コツ」は今早急に身につける必要は全くありません。


ただ、園の方針として、今の段階でできる子とできない子がいて当然、ということはありつつも、子ども達の可能性を過小評価することはしません。

大人が考える以上に、実際やらせてみればできた、ちょっとトレーニングすれば大人が予想していた以上に上手になった、ということは沢山あります。「できなくても大丈夫」という寛容な姿勢が、「できるわけがない」という可能性の否定になってしまっては、それはそれで子供がかわいそうだと思います。なので、可能性の具現化をできる限り刺激できるような取り組みはしていきます。ただ、それが「どのタイミングできるようになるか」その点で焦る必要はないと考えます。それぞれのタイミングがあります。


英語圏で、子供の成長のスピードに個人差があることをポップコーンに例えた言葉があります。
“Popcorn is prepared in the same pot, in the same heat, in the same oil and yet… the kernels do not pop at the same time. Don’t compare your child to others. Their turn to pop is coming!”
「ポップコーンは同じフライパンで、同じ温度、同じオイルで温められる。それでも全てのコーンの粒が同じ時にはじけるわけではない。あなたの子供を他の子供と比較しないこと。はじけるタイミングはそれぞれのタイミングでやってきます。」


パルクルでは、もちろん、その時その時で「はじける=popする」ポテンシャルがあるのであればそれが最大限発揮されるように、できる限りのレッスン内の工夫、声掛け、個々にあったケアをすることを目指していきます。私達職員の側は、今回の英検のような機会を活用し、それまでにベストのアプローチができていたか振り返り、また次回に活かしていく責任があると考えます。


ただ、子ども達にとっては、その時にpopしなかったからと言って、それはその時がそのタイミングでなかっただけのこと。今回の英検でpopした子も、popしなかった子も、ただそれぞれのタイミングだっただけです。大人の都合や期待通りのタイミングでpopするとは限りません。

これを読んでくださっている保護者様がいれば、今回の結果だけで一喜一憂し過ぎずに、また次回のpopを楽しみに、保護者様と協力しながら子供達と接していきたいと私達は考えています。引き続きどうぞ宜しくお願い致します。Their turn to pop is coming!

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