【園長ブログ】先日の園児バスでの置き去り事件について思うこと

先日静岡県で起きてしまった非常に残念な園児バスの置き去り事件について、数日経ち色々な報道がなされています。

自園でも送迎バスは登園時、降園時運行しており、同じことがあってはならないと職員一同強く気持ちを引き締めるところです。

報道でも他園の確認作業が紹介されていたりしますが、
・一人の目による一回の確認に頼り過ぎず、
・複数の人間が色々な視点から、
・時に必要なツールを使って、
・何重にも確認する、
ということは、バス運行に限らず園運営のいたるところの安全確保の場面で行っていかなければなりません。

そもそも多くの業界関係者の方、というよりも、どのような業界・業種の仕事であれ「仕事の出来栄えを確認する」という作業に携わっている方なら共通の認識であろうと思いますが、

「頭ではわかっているのに、ついうっかり、という確認ミス、確認漏れが起きてしまう」

ということがあります。

そして、その「ついうっかり」がより高い確率で起きてしまうのは、特に何かイレギュラーなことがあった場合起きてしまいます。

・いつもと担当者が違う、というイレギュラー

・同じ担当者であっても、いつもと違うことが起きていて注意力がそちらに向いてしまっているというイレギュラー

・いつもより使える時間が限られているというイレギュラー

などです。

そして、保育や幼児教育の現場では、子ども達はいつも同じように同じ行動をするとは限らないのが当たり前ですから、子どものイレギュラーな行動に端を発するイレギュラーもよく起こります。


そのような日々色々なイレギュラーがある中でも、誰が担当しようと常に同じ注意力が払われ、一つ一つの確認がなされていく、ということが実践されるように、この度の事件の当事者の方々と同じ責任を担うものとして、注意していきたいと考えます。


そのためには、直接的な園児バス運行の確認業務はもちろん言うまでもないことですが、

それ以外の部分で、
・園運営全体のどこかに何か運営上のひずみが出ていないか、
・職員一人ひとりの注意力がそがれる原因がないか、
・過度な無理が組織内のどこかにかかっていないかなど、
・それを管理する管理者自身の注意力がそもそも保たれているか

など、間接的に園児バス運行業務に影響が及ぶようなことが起きていないかということも日々冷静に確認していかなければいけないと思います。


決して言い訳や弁解をするつもりはありませんが、保育の現場では本当に日々色々なことが起きています。私自身、異なる業界で違う仕事についていたこともありますが、比較しても保育の現場は「忙しい」と言えると思います。

全てのことが毎日完璧になされていくということは難しい。中には子ども達本人、保護者様の寛大なご協力やご容赦に頼りながら、及第点の運営を目指すことに基準を下げなければいけない部分も正直あります。

ただし、やり直しが効くミスと、そうでないミスとがあるのは明白です。

日々の忙しさを根本的に是正、適正化していくことも同時にやる必要がありますが、保育に携わる人間は、そういう業界だということは認識して仕事に従事しているわけですから、ミスが起きてしまった時に「忙しかった」は十分な理由にはなりません。

「忙」しくても、冷静な「心」は「亡」くさないように、日々子ども達と関わり、その現場を管理していくように自戒するばかりです。

最後になりますが、残念にも犠牲になってしまったお子様のご冥福をお祈りします。二度とこのようなことがどの現場においても起きませんように。


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